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夢=就職神話を改善
就活に向かう若者に対して、まず「夢」を語らせようとする大人がなんと多いことか。
夢に向かって努力し、なりたい自分になる。そのために就職する。大人だけでなく、若者も皆、そのような「就職とは夢の実現である」という言説を疑わない。
じゃあ、夢も持っていないし、なりたい自分もない、という若者は、どうすればいいのか。
今回の改善ポイントは、夢=就職神話だ。
若者は、「就職とは夢の実現である」という言説を前提として、まずは夢を見つける、なりたい自分を探す、という作業に取り組むことになる。夢を持っていない若者は、そのことに少なからず悩んでいる。夢を持っていても、到底叶わないようなハードルの高い夢だった場合、それを叶えるための努力は厳しいものとなる。「夢」というものはそもそもハードル高めに設定しなければならない気持ちにさせる効果がある。いずれにしても、夢のない若者は就職活動に入る時点でもうどうしてよいかわからなくなってしまう。
社会に対する影響力が大きい人々は、おそらく、若い頃の夢を実現した人たちなのだろう。自分の成功体験をもとに、このような言説を語る場合が多い。そのことが、現代における夢=就職神話を広めている一因となっている。
もちろん、夢=就職、ということを否定しているわけではない。そういう人もいるだろうし、それがうまくいけば幸せだと思う。問題は、そのような考え方しかないように見えることなのだ。
改善案は、こうだ。
夢と就職は関係ない。就活とは、自分を採用してくれるところから、1番良さそうなところを選ぶマッチング作業だ、と若者に伝えよう。
就職は、社会に出るための通過儀礼のようなもの。夢があるかどうかなどは関係なく、学校を出たら否応なく通過するものであり、どう通過するかは大して意味がない。もっとも大切なのは、安定した職に就けるかどうかである。さらにぜいたくをいえる時だけ、自分の夢を叶えることを考えればよい。そういうことができるのは、能力が高い若者か運がよかったときだけだ。夢の実現ですべての若者の就職を語るのは間違いだ。