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【失敗を語る1】ニキビを気にしすぎて人生に絶望していた話

人間は失敗から学ぶ生き物だと思う。僕自身、数多くの失敗を経験してきた。この世に完璧な人間はいない。一見華やかな人生を歩んでいるような人にも、必ず失敗した経験はある。僕自身、ブログやnoteでは極めて前向きなことばかりを書いているが、数え切れないほどの、今思い返せば恥ずかしくなるような失敗をしてきた。

多くの人は失敗を語らない。成功体験ばかりを語り、完璧な自分を演じようとする。しかし僕はそうではない。僕自身まだ学生の身であり、これから先の人生は長い。顔が赤くなるような恥ずかしい失敗を赤裸々に振り返ることで、この先ドカンと大成功するための教訓になるのではないかと思い、「失敗を語る」というタイトルで連載をするため、筆をとった。

この「失敗を語る」では、全19話に渡って僕の失敗談を書き連ねていく。以下が19話の概要だ。

1. ニキビを気にしすぎて人生に絶望していた話
2. 野球部の部長になって部活崩壊してバットを投げつけられた話
3. クールなのがモテると勘違いしてトイレに隠れた話
4. 高校の授業をほぼ全部寝ていた話
5. 非モテを発揮して隣の女子校の美女にフラれた話 
6. 現役で東大受験して数学0点で落ちた話
7. 浪人して東大受験してまた落ちた話
8. ひねくれて惰性で過ごした大学1年生の話
9. 友達とアプリを作ろうとしたけど何も前に進まなかった話
10. ドバイのタクシーでぼったくられた話
11. 仮想通貨で大失敗して一瞬で15万円が溶けた話
12. クラブで夜遊びしていた話
13. FXである大切なものを失って大損した話 
14. 某外資系投資銀行に準決勝で落ちた話
15. 飛行機に3回乗り遅れて10万円無駄にした話
16. 30万円するMacbook Proを買ったけど一瞬で売った話
17. クラブイベントを開催して大失敗した話
18. 10万円かけてブログをWordPressに移行したけど意味なかった話
19. 電子書籍を出版したけど全然売れてない話

失敗の話だけでなく、今思い返せばどういう解決策があったのかも客観的な視点から書いていく。ほとんどの失敗は今の自分から考えたらなぜそんなことをしたのか理解できないものばかりだ。しかし当時の僕はそんなことに気付きもしなかった。失敗の最中にいるとき、当の本人はそれを失敗だと思っていないことが多い。自分は正しいことをしており、正しい方向に向かっていると思いがちだ。そしてこの誤った認識は今後も起こりうる。失敗は成功の母であることは間違いない。しかし過去の教訓から学び、不必要な失敗を避けることも重要である。自分の将来のために過去を反省すると共に、みなさんの参考にもなれば幸いである。


というわけで記念すべき失敗を語るシリーズ第1回は「ニキビを気にしすぎて人生に絶望していた話」をしよう

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

遡ること中学1年生の秋。僕の額にぽつっと赤い吹き出物ができた。まだ暑い日が続く9月初旬のことだった。「あせもか何かだろう」と軽く考えていたのだが、その吹き出物は日に日に増えていき、いつしかおでこ中に広がってしまった。

びっくりした僕は母に「いったいこれはなんなんだ」と尋ねたところ「あんた、それはニキビだよ」と言われた。ニキビ…名前だけは聞いたことがあった。「肌が脂ぎったり汚れているとできるんだよ。ちゃんと顔を洗いな。」

ふーん、これがニキビか。まあよく顔を洗えば治るだろう。そう簡単に考えた僕は、まさかこの赤い吹き出物に残りの中学生活が台無しにされるとは思いもしなかったのであった。

今、思い返せば、僕はどうしてあんなに人の目を気にしていたんだろうと不思議でしかない。頭の良さに価値はなく、どれだけ喧嘩が強いかでスクールカーストが決まるルーキーズのように荒れた公立中学校にいたことを考慮しても、クラスメイトがそこまで僕の汚い顔面を気にしていたとは思えない。しかし中学生の僕にはそれは分からなかった。当時も今と変わらず「みんなが右と言ってるなら左を向け」というひねくれた考えを持っていたが、それでも僕にとっての世界は中学校が全てだった。

中学一年生の秋にできたニキビはその後もとどまるところを知らず顔面全体に広がり続け、二年生に上がる頃には顔中が真っ赤になるくらい広まってしまったのだ。野球部だったことも関係していたと思う。汗をかき、グラウンドで土埃にまみれる野球は肌がとりわけ汚れやすい。もともと脂性肌なのもあったが、想像以上のペースでニキビは悪化していった。

これはかなりショックな出来事だった。僕はニキビだらけの自分の顔が嫌いだった。近くで見ればわかるというようなレベルではない。顔全体に巨大なニキビが広がり、一部は膿みのようになり、焦って引っ掻いて潰そうものなら血が出て傷になり、凹みが顔にできた。当時の僕の顔面は真っ赤な大地にクレーターがあり、まるで火星のようだった。

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ここまで顔が汚くなると、人と話すときに「この人はきっと僕の顔が汚いと思っているんだろうなあ」という漠然とした不安に襲われるようになる。友達と話していても、先輩と話していても、先生と話していても「こいつ顔汚えなあ…ちゃんと洗えよ」と思っているに違いないという疑心暗鬼にかられ、その度になんでこんなに顔が汚いのかと絶望していた。

そしてこのようにガラスのハートを抱えたメンタルでは、ほんの些細な一言が心に突き刺さる。忘れもしない中2の冬。僕の中学校では給食を6人くらいの班を作って食べていた。その日でたメニューのひとつがチョコレートドーナッツだった。そのとき隣の女子にこんなことを言われたのである。「中島くん、チョコ食べるともっとニキビひどくなっちゃうよ」と。

その子は、まさかそんな些細な一言が10年以上たった今、こうして文章化され、多くの人に読まれるなんて思いもしなかっただろう。しかし「その子は僕のニキビを汚いと思っている」という事実を突きつけられた僕は、絶望した。「ああ、やっぱり僕の顔は汚いのか。そりゃこんなニキビ面だもんな…そう思うに決まってるよな…きっとこの子が思うなら周りの人も同じことを考えているに違いない…こんな顔で生きるの、嫌だなあ…」

その日帰った僕は、当時ニキビに効果があると信じていたアクネ洗顔で10回顔を洗った。そして寝る前にニキビ薬をいつものように塗りたくり、薬で真っ白になった無様な顔を見て、「いったい自分は何をしているんだ」と絶望し、涙を流したのだった。

それからというもの、僕は誰と話すときにも「きっとこの人も僕の顔が汚いと思っているに違いない」というネガティブな気持ちから入るようになってしまった。おかげで誰と話しても自信が持てず、思ったことを言えない中学時代を過ごした。

当時の自分に何か一言伝えるとしたら、「他人の目なんてどうでもいい。みんなお前のことなんて気にしちゃいない」と話すだろう。しかし、どう頑張ってもそうは思えなかった。今の僕とは違い、当時の僕にとっては狭い公立中学校の世界が全てであり、その中の人間関係でどう評価されるかが何よりも重要だったからだ。

おそらくクラスメイトはみんな「中島、ニキビあるな」くらいには思っていたにせよ「ニキビ汚くて気持ち悪い。近寄るな。」なんてことは思っていなかったに違いない。僕自信、他にニキビがある人と話していても、「この人、顔汚いな。関わりたくない。」なんて失礼なことは思わない。そして僕が思わないなら、周りの人も同じ人間なんだから、同じように思わないはずだ。今ならそんなことは当たり前のように理解できるが、当時の僕には到底無理な話だった。

事実、高校生になってニキビが治った頃、最寄り駅で中学校の友達に会ったときに「俺、顔きれいになったでしょ」とよく聞いていたのだが、みんな口を揃えて「ニキビなんてあったっけ?」という反応だった。あれほど絶望し、人生を台無しにされたと感じていたニキビの存在を、誰一人として覚えていなかったのだ。つまり僕は勝手に一人絶望し、涙を流し、人生終わったと肩を落としていたのだ。一体なんて無駄な時間を過ごしたのだろう。

僕は今、「人の目はどうでもいい。みんな他人に興味がない。」という発信を繰り返ししているが、これはニキビ絶望事件の失敗から学んだ教訓に他ならない。自分にとっては人生がめちゃくちゃになったと感じるような一大事も、他人は何にも覚えていないのだ。

残念ながらニキビに絶望し、やりたいことをできずに終わった中学時代は二度と返ってこない。しかしこの失敗から学んだ教訓をもとに「自分がやりたいことは人の目を気にせずやる」という考えのもと、好きなことに打ち込めるようになった。

その後、高校に入り水泳を始めると、プールの塩素で消毒されたのか、あれだけ酷かった僕のニキビは1ヶ月で治った。あっけないニキビとの別れだった。あれだけ心を悩ませたニキビは、いつの間にか消えて無くなっていた。

今の僕にニキビはない。美意識も高い僕は日々化粧水や乳液を使い、肌のコンディションに気をつけている。今の僕の肌はメンテナンスのかいもあり超綺麗だ。ネットでイキってるわけではなく、本当に綺麗なのだ。しかしそんな僕にも、たまにニキビがポツンとできることがある。鏡に映ったその赤い吹き出物を見るたびに、あの陰鬱な中学時代がふと脳裏をよぎり、懐かしいような、おかしいようなそんな気持ちになるのであった。

次回は野球部の部長になって部活崩壊してバットを投げつけられた話を書きます。お楽しみに。それでは素敵な1日を。

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意識高い系中島
最強になるために生きています。大学4年生です。年間400万PVのブログからnoteに移行しました。InstagramもTwitterも毎日更新中!