小説『傲慢と善良』
久々小説を読んだ。(2ヶ月くらい読み途中だった笑)
●あらすじ
親に進路や結婚相手など人生の全てを口出しされながら、なんとか『大衆が思う理想の結婚』を探していた田舎育ちのマミ、それから逃げるように単身で東京に出た。 そこで恋愛経験も豊富なカケルと出会う。 結婚の予定も組み、同棲を始めるところだった。しかし日頃から『ストーカーされている』と怖がっていたマミ、ある日『カケル君助けて』という連絡を残して失踪。しかしカケルは調べていく中で『ストーカーはいないかったのではないか』と気付く。
●感想
『人にどう見られるか』に悩み続けている現代の人々の心理と悲壮感などをリアルに描いてて、最近は自分自身の人間性の歪みにもけっこう悩んでいる中で、心にグサグサ突き刺さる物語だった。
学生さんなどと話してても『やりたいことがない』『自分の芯が分からない』人々が多すぎると日々感じるけど、そのまま社会をなんとなく生きていく『大衆が思う理想の将来像』をあたかも自分の人生の理想像かのように追うようになる。
『自分の人生をこうしたい!』という信念は本当に大事で、それが抜け落ちることは人間という想像力の生物の1番大事な能力を捨ててしまってるように感じて悲しい。
そしてchatGPTやmid journeyなどの生成系AIの登場で、大衆層の知識はぼぼ価値を失うだろう、もはや学校っていう概念も考え直す時代が来たと感じる。 そんな中で自分の人生をやりたいように歩いていくってことは、一層価値が増すと思う。
マミは東北の大地で、自分の心と向き合って、最後の最後に自分の気持ちに寄り添えたんだなと思った。
こんな素敵な小説もAIが作れるようになってしまうかもしれない未来がすぐそこまで来ていると思うと、なんか怖い。