#73 AI時代においては、CWO(Chief Workflow Officer)という役職がでてくるかもしれないと思った話
AIの進化と「Operator」の登場が示す未来
本日、OpenAIが発表した「Operator」の発表をみていた。これは、クラウド上でリモートブラウザを操作し、ユーザーが与えたタスクを自動で処理するエージェントである。いま流行り言葉でもあるAI-Agentの文脈・ナラティブのひとつだ。
飲食店の予約やネット通販、チケット購入など、私たちの生活に直結する作業をAIが代行する。特筆すべきは、この機能がAPIではなく画面操作を通じて動作する点だ。AIが単なる情報処理を超え、人間の代わりに“働く”時代が現実味をより帯びてきた。
https://openai.com/index/introducing-operator/
このような技術の進化を見ると、AIが単なるツールではなく、企業のワークフローに深く組み込まれる時代が近づいていることを感じる。ここで重要になるのは、AIをどう使うかではなく、AIを前提にした新しいワークフローをどうデザインするかという視点だ。DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代には、紙の書類がインターネットに置き換わる変化が起きた。同じように、これからはAIがワークフローを置き換え、企業活動の中核を担うだろう。
しかし、その変化は誰が設計するのかを考えてきたときにもしかして、CWO(Chief Workflow Officer)という新しい役職ができるかもしれないとおもって、その妄想を書いてみた。(名前はなんでもいいけど)AIを組み込んだワークフローの抜本的な再設計が、企業競争力を左右するかもしれない。
CWOが求められるかもしれない理由
AIが「働く」ための前捌き
AIが単なるツールではなく、意思決定や実務を担うエージェントとして機能し始めている。これにより、企業のワークフローは従来の「人間が中心」の設計から「AIと人間の協働」によるものへと進化しつつある。
しかしそれは今自分も改めて再設計を自分のワークフローを見直しているがいくつかも難しいなとおもうところがある。どの業務をAIに任せ、どの部分を人間が担当すべきかというきりわけであったり、その業務のために必要なデータアセットをつくって提供しなければならない。それには下さばきとして、データを日頃あつめておかなければならない。
そういったものが現在は会社全体というよりは個人単位で利用がすすんでいるのが2024-2025年の現在なのではないかとおもう。それをいかにワークフローに組み込めるかが重要になってくるはずだ。
ワークフローの差別化が競争力を生む
AIが進化する中で、最終的な価値を決めるのはAIツールそのものではなく、それをどのように組み込んだプロセスを設計するかである。これはSaaS(Software as a Service)の台頭と共に注目を浴びたCRO(Chief Revenue Officer)の誕生と似ている。
CROは、収益に関わるマーケティング、営業、カスタマーサクセスなどの部門を横断的に統括する役職として生まれた。これは、部門間の連携が求められる複雑な市場環境に対応するためだった。同じように、AIを活用する時代には、AIが生み出す価値を最大化するための横断的なワークフロー設計が必要になるとおもえた。
そのためにはCOOでも十分だが、常にAIの進化とともに組織を横断的にみれるようなポジションが必要になってくるのではないかと思えた。部門のサイロ化を防ぎ、AI中心の横断的なワークフローの最適化を図っていくことがより求められるので、単なる職位よりはC職として用意してもよいかもしれないと思えた。
C職乱立のリスクとバランス
もちろん、CWOを含む新たなC職を増やすことにはリスクも伴う。役職が増えすぎると、責任範囲があいまいになり、組織の効率が低下する可能性がある。また、C職が名誉職化し、実務に直接的な影響を与えない場合、逆効果になる。
ワークフローで差別化する時代へ
AIの進化は、企業にとって「どんなAIを使うか」ではなく「AIをどう活用するか」という問いを突きつけている。その中心にあるのが、AIを前提としたワークフローの再設計であり、それを統括する存在がもしかしたら必要になってくるかもしれないということを書いてみた。
AI時代においては、人手不足という課題を克服しつつ、企業の競争力を高めるために、従来のワークフローを抜本的に見直す必要がある。単なるデジタル化ではなく、AIを核とした「AI-Nativeな企業」への進化が問われる時代がくるかもしれないとおもい書いてみた。
そのためPEが既存企業を買ってAI化させていくみたいな流れはよりあるかもしれないし、そういったワークフロー自体の変革が勝負の分け目になる時代がもしかしたらくるかもしれない。
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