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理想のワークバランスが取れる透析看護への転職方法とメリット・デメリット


求人サイトには、透析看護師募集の求人が多くあります。

透析看護師は「夜勤がなくて働きやすそう」「ワークバランスが取りやすい」と興味をもつ人もいるでしょう。

実際に、透析看護師の仕事は、自分の時間を大切にしながら、患者や家族に寄り添った仕事をしたいという思いを叶えることができます。

ここでは、透析看護20年の看護師が、透析クリニックで働くことで叶う魅力的なワークライフバランスについて詳しくご紹介します。

透析看護の仕事内容や収入、メリット・デメリット、転職体験談もあります。転職を考えているあなたに、理想の働き方を見つけるためのヒントをお届けしますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。


透析看護はどんな仕事?

透析は低下した腎臓機能を補う代替治療です。

週3回、透析治療をする患者さんの生活に密着した看護ケアが中心になります。

ここでは、透析室の仕事内容・収入・メリットをご紹介します

 透析室の主な仕事内容・収入

透析室の主な仕事内容は、透析患者の治療サポートです。

具体的には、透析を安全に行えるように患者さんの体調の管理をします。透析に関連する合併症の予防と対応、患者さんやその家族への教育や指導も重要な業務です。
透析看護師は、患者との信頼関係を築きながら、安心して透析治療を受けられる環境を提供する役割を担います。

透析看護師の年収の相場は、380〜450万円程度です。准看護師だと1〜2割低めになる傾向があります。

また、2023年に発表された「厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」では、看護師の平均年収は全体で508万円でした。比較すると、透析看護師の平均年収は低い傾向にあるといえます。

もし、透析看護師として高い給料を目指す場合には、2又は3クール制で準夜勤のある職場を選んだり、専門的な資格取得により手当を受けたりするのが良いでしょう。

【参照】看護roo!カンゴルー転職
https://www.kango-roo.com/career/guide/article/93/
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html 
    

 透析看護師の1日のスケジュール

病院によって異なりますが、一般的な日勤勤務の透析看護師の1日は以下のようなスケジュールです。

時間帯 スケジュール 概要
8:30 出勤 チームでの役割分担や申し送りの実施
8:40 透析準備 透析機械の準備
9:00 患者入室 透析前のバイタルチェック・透析開始 問題なければシャントを穿刺し、透析開始、情報収集
9:30 透析中のバイタルチェック 血圧低下や体調の確認
11:00~12:00 休憩 ローテーションで昼食をとる
12:30~15:00 透析後のバイタルチェック 抜針・止血し、透析を記録
16:00 2クール目の準備・透析開始 1クール目と同様に透析準備
17:30 業務終了 退勤

透析治療では、患者さんの治療スケジュールが決まっているので、透析時間は1回につき4〜5時間と治療によって時間が異なるため終了時間も変化します。

午前・午後の2クール制を採用している施設が多く、夜勤やオンコールはありません。

透析中は、患者さんの血圧や脈拍の変動、体温の低下などが起こる場合があるので、注意深く観察しながら見回ります。治療中にストレスを感じないようにコミュニケーションをとり、精神的な面でのサポートも大切です。また、患者さんの健康管理と生活指導も大切な仕事です。

残業は、患者さんの容体に急変などがない限りほとんどないのが特徴です。


 透析看護師のメリット


  • 仕事と生活のバランスが取りやすい

透析看護師の勤務形態は、一般的にシフト制かつ日勤であることが多いです。自分の都合に合わせて勤務スケジュールを調整でき、プライベートとのバランスもとりやすい傾向にあります。

また、規則正しい生活リズムで体調が整いやすくなりますので、ワークバランスが取りやすいと言われている理由になります。


  • 専門知識・技術を身につけられる

透析看護師には透析治療に関する知識をはじめ、血液や腎臓の疾患に関する知識や、医療機器の取り扱い、感染対策などの技術も必要です。

患者さんの状態や病歴を把握し、長期的なアドバイスや指導をおこなうためにも、豊富な専門知識が身につきます。


  • 患者さんと信頼関係が築ける

透析看護師は、治療にあたり患者さんと長期間にわたって関わるため、患者さんとの信頼関係を築けるというメリットがあります。治療中に患者さんの話を聞いたり、相談に乗ったりするので、患者さんとの絆は深まりやすいです。

毎回新規の患者さんではなく、一人ひとりの患者さんと向き合い、深い関係を築きながら仕事をしたい人にとってはメリットといえます。

  • チーム医療の一員として働ける

透析看護師は個別の動きがなく、医師や技師、ケアマネジャーと密に連携しながら治療を行います。チーム医療の一員として働くことで、双方に情報提供しながら、協力して患者のケアに力を注ぐので日々の業務が充実します。

透析看護師の求められるスキル

透析看護師は、高度な専門知識と技術、優れた観察力と判断力、コミュニケーションスキルが求められます。
さらに、チーム医療の一員として協力しながら、患者に寄り添い続けるための精神的な強さと柔軟性も必要です。これらのスキルを身につけると、透析看護師として充実したキャリアを築くことができるでしょう。
 また、透析治療を受ける患者さんの状態を正確に判断し、適切なケアを提供するためには、豊富な知識を磨いていきます。透析関連の資格もあり積極的なスキルアップも必要です。

 透析看護の4つデメリットと注意点

透析看護には多くの魅力がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じれば、快適な職場環境と充実した看護師生活を実現できます。

  • ルーチンワークの多さ

 透析治療は定期的かつ繰り返し行われるため、同じ作業が多くなります。仕事のマンネリ化やモチベーションの低下につながります。ルーチンワークの中でも、透析患者さんとのコミュニケーションや小さな工夫を取り入れたり、自己研鑽やスキルアップを目指すことで、仕事に対する意欲を維持できます。

  • 感染リスクの管理

 透析は患者さんの血液を扱うので、感染リスクが高くなります。感染防止のための厳格な管理と対策が求められます。感染管理のための最新の知識と技術を常にアップデートし、適切な対策を徹底すれば、感染リスクを最小限に抑えることができます。

  • 体力や精神的な負担

透析看護では、長時間の立ち仕事や患者の移動・介助が必要となるため、体力的な負担が大きくなります。
また、透析患者さんは慢性疾患を抱えているため、長期間にわたり治療が続きます。患者の精神的なケアやサポートも必要となり、看護師自身に精神的な負担がかかりますので、日々、体力維持や適切な休養を心がけましょう。
継続して、自身のメンタルヘルスケアを大切にし、上司やスタッフに相談したり、適切なサポートを受けていきましょう。

  • 他の診療科への転職が難しい

透析看護師は、透析に関する専門的な知識や技術を持っており、透析治療に特化した職種なので、他の診療科へ透析のスキルや経験が活かせない時があります。転職を視野に入れる場合は、広範な看護技術や知識を習得する必要があります。


透析看護への転職体験談(20代後半女性)

ここでは、夜勤のある一般病院に勤務していた看護師(美咲さん)が、透析がある病院に転職した体験談をご紹介します。

転職理由

美咲さんは28歳の看護師で、夜勤が月5〜6回あり、次第に身体的・精神的に負担が増していました。自分の時間が欲しく、結婚しても働ける職場で、患者や家族に寄り添ったケアができる環境を求めて、透析看護への転職を考え始めました。

転職ステップ

美咲さんは自身が望む職場の基準を整理しました。次に、インターネットや看護師コミュニティで積極的に情報収集を行い、透析クリニックについて調べました。転職サイトやエージェントを活用し、複数の求人に応募しました。

転職後の変化

転職後、美咲さんの生活は大きく変わりました。透析治療は主に日中に行われるため、夜勤がなくなり、規則的な生活リズムで体調が整ったと感じています。これにより、自分の時間の確保ができ、プライベートが充実しました。
また、長期間治療している患者さんと接するので、寄り添ったケアを実践できるようになり、看護師キャリアのステップアップがかないました。

成功する転職方法は?

透析看護の転職を成功させるには、しっかりとした準備と計画が必要です。以下に、具体的な方法を紹介します。

職場選びの基準・叶えたい基準を整理する

自分が求める職場の基準や叶えたい条件を明確に整理しましょう。自分のライフスタイルに合った勤務形態を優先し、総合的な収入の把握が重要です。

また、キャリアアップ制度や職場の雰囲気のリサーチが必要なので、病院の許可が下りるなら見学などで確認します。

積極的に情報収集をする

転職成功の道は、情報収集をすることです。転職サイトや病院のホームページを検索し、SNSや看護師向けのコミュニティサイトで情報交換を行いましょう。実際に働いている人の意見や体験談を参考にしたり、看護協会や専門雑誌求人情報も参考になります。

転職・求人サイトやエージェントの活用をする

転職サイトやエージェントの活用で、効率的に求人情報を得ることが可能です。転職サイトは 看護師専門の転職サイトに登録し、希望条件に合った求人情報を検索できます。転職エージェントは専任のキャリアアドバイザーが個別に相談に乗り、希望に合った求人を紹介してくれます。

複数の転職・求人サイトに登録する

複数の転職サイトに登録すると、より多くの求人情報を比較できます。
また、サイトごとに受けられるサポートも異なるので、自分にあった転職活動が可能です。各サイトのレビューや評価も参考にすると信頼性の高い情報を習得ができます。
透析看護師への転職を成功させるためには、自分の理想とする職場を明確にし、積極的に情報を収集し、転職サイトやエージェントの活用が重要です。
これらの計画とステップで、理想の職場に就職し、充実した看護師ライフが送れます。


まとめ

透析看護への転職は、ワークライフバランスを重視する看護師にとって魅力的な選択肢です。透析看護への転職は、夜勤から解放され、規則的な生活リズムを取り戻し、プライベートも充実できます。
また、定期的に同じ患者と接するので、深い信頼関係を築きながら、寄り添ったケアを実践できます。一方で、ルーチンワークの多さや感染リスクの管理、精神的・体力的な負担などのデメリットも存在します。うまく調整できる工夫が大事です。
透析看護への転職を検討する際は、しっかりと情報収集を行い、自分に合った職場を見つけることが成功の道です。転職サイトやエージェントを積極的に活用し、自分の希望や条件に合った職場を探しましょう。転職活動が、理想のワークライフバランスを実現する一歩となるよう願っています。


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