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鼻中隔湾曲症手術レポート

鼻中隔湾曲症(かなり重め)で入院して手術しました!
病院は東京慈恵会医科大学附属病院という、日本の鼻中隔湾曲症の手術を50%くらいやってる熟練の大病院です。
僕自身10年以上前からこの手術を検討していて、ビビり散らしながら色々な
人の体験談を読んでいました。
医療の発展もあり、鼻中隔湾曲症手術のメタも年々変わっているので最新情報をお伝えしようと思います。

鼻中隔湾曲症とは?

鼻の軟骨が曲がる…病気?怪我?
日本人の90%はこの症状があるといいます。
鼻が左右対称な人ってほとんどいないですよね。

しかし、多少曲がってるくらいでは日常生活にそこまで支障はありません。
どうしようもないくらい変形していて 鼻で呼吸が出来ない人が治療を検討します。

自然とそこまでの症状になる人は多分いなくて 怪我が原因であることが多いです。

僕は小学生の頃、ニ度唇を縫う怪我をしていて…
そのときに顔全体をぶつけていたので 鼻が軽く骨折していました。
レントゲンとったらヒビはいってましたね。

どれくらい曲がってたかっていうと 僕はこんくらい。


縦に切った断面図
横に切った断面図


左右の鼻がねじれまがっており
上から見ると右鼻方向に曲がっているんですが
内部では左側に向かってねじれていて
左の鼻が95%塞がっているという状態でした。

右鼻はその分あいている気がしてたんですが 「粘膜が腫れている影響で狭くなっているね」と言われました。
これで狭かったんか…

片側の鼻が塞がっているというのは 普通に生きていくのがちょっと難しいレベルです。なのでブリーズライトという鼻腔拡張テープを24時間365日つけていました。

10年来の相棒

この症状に気がついたのは大学1年生の頃で
鼻つまってるなー、でかい鼻くそがあるな?と思ったら
骨でびっくりした覚えがあります。これ俺の身体じゃん!?って

最初はなんか息苦しい、くらいで
だんだん夜寝る時きつくなってきて
寝る前にブリーズライト。
大学卒業後は日中も厳しくて24時間ブリーズライト
という感じでした。

14年ブリーズライト生活をしていたことになります。

僕の鼻は変形具合でいうと上位20%程度。
肋骨移植すればワンチャン10%に入ったそうです。
上位勢です。Tierでいえばプラチナかダイヤはあるでしょう。

まあ上には上がいるというか
ボクサーとかもっと鼻が粉々になる人がいます。

ただ、10年ブリーズライトしてきた奴は慈恵大学病院ですら見たことがないそうです。

手術内容

僕がした手術は
「鼻中隔湾曲症」をなおすための「内視鏡下鼻腔手術1型」
と同時に「鼻骨変形治癒骨折矯正術」を行いました。
長年の湾曲で鼻が陥没していたようで 鼻中隔湾曲症手術だけでは
鼻が下がってしまうおそれがあると。
なので耳鼻科の手術と 外科の陥没をなおす手術を同時に行うことになりました。

鼻中隔湾曲症手術って具体的に何なのか?

鼻の穴の入り口からちょっと奥のところから
鼻中隔、つまり鼻の真ん中の骨の粘膜を切開します。

鼻っていうのは軟骨や骨があって
そのまわりを覆う形で粘膜があるわけです。
海苔巻きみたいなもん。

その海苔の部分をめくって
中にある鼻の軟骨を削ったり組み替えたりします。

軽度の場合は単に削る、でも大丈夫だと思いますが
僕のように曲がりくねっている場合は
単に邪魔な部分を削るだけだとスカスカになってしまうので
削ったものを詰めて整えます。

足りない場合は肋軟骨という肋骨の骨を取ってくる場合があります。
僕は取るかも、と言われていましたが
どうやら鼻で足りたようで、危なかったです。
肋骨までメスを入れていれば、ダメージがでかすぎてもっと大変だったでしょう。

全身麻酔か局部麻酔か

鼻中隔の手術は、病院によってやり方が異なります。
例えば麻酔ですが、大病院では基本的に全身麻酔ですし、個人的にも全身麻酔を推奨します。

手術時間は1時間半~2時間程度
大変な手術、肋軟骨移植などが加わると4時間程度となります。

麻酔あるとはいえ
1時間以上同じ姿勢で寝かされて鼻ゴリゴリされるとか正気じゃないです…

全身麻酔であれば強制的に眠らされるので
手術中の苦痛はありません。術後がきついだけです。

では局所麻酔が選ばれる理由とはなんでしょう。
まずは、気軽な感じがすることです。
あくまで感じがするだけですが。事実、全身麻酔だとしばらく起き上がれないので日帰りは不可能ですからね。

症状が軽ければ、抜歯くらいの感覚で局部日帰りというのも可能ですが
中程度以上の症状の場合 病院で地獄を見るか、自宅で地獄を見るかの2択になってきます。僕は、自宅で地獄を見るよりもナースコールのある病院のほうがずっと良いと思っています。

術後の苦しみ

鼻中隔湾曲症は術後を乗り越えるのがとにかく辛く 特に術後48時間は地獄中の地獄とされています。

そして その辛さは個人差があるため ネットの体験談では平気そうにしてる人がいても鵜呑みにしてはいけません。

何がきついのか。
まず痛みと出血量がかなりガチャで厄介です。
曲がりが複雑であればあるほど長引きます。
僕は右の鼻の出血は早めに引きましたが
軟骨が詰まっていた左鼻は10日くらい血出てました。

僕は幸いにも
鼻にパンチくらってるくらいの痛みで
痛み止めの点滴が入っていれば
術後は10段階中3くらい。耐えられるレベルでした。
1日目は痛み止めを入れまくってもらってましたが
2日目以降はまあまあまあ、くらいの

体験談によっては自我が保てないほど痛いという人もいるので
そんな状態で家かえってどうするの?って思います

痛みは個人差がありますが
誰しもが辛いのは出血と痰でしょう

鼻をズタズタに切り裂かれているので血はでるんですが
中をシリコンプレートで固めた後に
ガーゼとスポンジでガッツリと塞いであります。

行き場の無い鼻血は喉に逆流して痰になります
術後は、10分に1回血をはく作業が待っています。
重たいものが持てず、紙コップに水半分くらいが限界で
それをストローで吸って、息を止めながら容器に水を吐き出します。
全身麻酔後は寝たきり状態で上半身を起こすこともできず
寝ながら、肩で容器を固定して水を吐き出していました。
これをやらないと、喉におちてきた血が乾燥するので終わります。
かといって血を飲んでしまうのは非推奨で、マジで吐き気に繋がります。
ですので、気分転換や口呼吸で乾きまくる口の湿度を保つためにも決死のうがいが必要なわけです。
当然鼻を塞ぎながらのうがいなので 溺れそうになります。

やはり1番きついのは完全鼻閉状態、1ミリの隙間もなく鼻が塞がっていることです。これが一週間以上続くことが、地獄だと言われているわけです。

完全鼻閉は想像だけでなく、体験することができます。
鼻をギュっと完全に塞いで水を飲んでみて下さい。
しゃっくりを止めるときにやる感じ。
何ともいえない圧迫感と、耳から空気が抜ける感じがしませんか?

これが永続的に続きます。
ツバを飲むときも、水を飲む時もです。
もっときついのはご飯を食べるときです。
一度完全鼻閉状態で何か食べようとしてみて下さい。
窒息しませんか?

そう、ご飯を食べる時というのは 噛む時に口を塞いでしまうわけで…
いつもなら鼻で呼吸をしながら噛んでいるわけですが、それが出来ないので口に何かを含んでいるときは無呼吸状態になります。

苦肉の策として、隙間をあけて空気の通り道を作りながら何とか噛もうとするんですが…
めちゃくちゃ時間かかります。
熱いものを口に食べる時「アフアフ」って口呼吸しながら食べるじゃないですか。あの状態になります。

この状態に加えて、圧迫感がすごいです。
シリコンプレート入れて鼻ガッツリ圧迫させて
鼻自体もパンパンに腫れています。
涙腺もあんまり機能してなくて目も辛いです。

こんな状態で寝られるか?というと大抵の人は寝られません。

寝ようとすると無意識に鼻呼吸に移行しようとするんですが、鼻は塞がってるので息が止まりすぐ起きてしまいます。
普段から口呼吸100%で生活している人であれば、割といけるかもしれません。

しかしその場合でも、喉がすぐカラカラになり
寝ていると血が喉に逆流しやすくなったり
圧迫感もすごくなるので
連続して30分も寝られれば大したものでしょう。

この食べられない、眠れない、喉がカラカラ
息が苦しい…というのが術後の地獄になります。

だんだんマシにはなる

じょじょに口呼吸生活にもなれ、痛みも弱まり
血が出る頻度も下がり、なんとか楽にはなっていきます。
ただし、寝ることができればです。寝られない状態が続くとそれだけで辛く 僕は部屋を真っ暗にして一週間生活することになりました。

寝られないので目がきついわけです。
時間を潰すにはアマプラ!ネトフリ!とかいいますけど
まず光がきついので画面を見ることが出来ません。
目を閉じ、眠気はくるけど寝ようとすると起きてしまうという無限地獄の中耐えることになります。

この「眠気はくるけど寝られない」状態は非常に厄介です。
なぜなら睡眠導入剤に逃げることもできないからです。
僕はニ度不眠状態になりましたが、睡眠導入剤が効いたことはアリません。
いや、眠くなるんですが結局寝ようとすると身体が起きてしまうっていう状態になっている場合は眠くなる→起きるのループを短時間で繰り返すだけなので何の解決にもなってないんですよね。

むしろ睡眠導入剤で身体を強制的に眠くする分、なんか疲れます。
人によってはこれで寝られるという方もいるんですが、僕の場合はなんかそうでもなかったです。
全身麻酔はふわっとした眠気→寝ない→さらに強い眠気→寝ない→強制シャットダウンって感じで気がついたら落ちてました。すごい。

病院によっては鼻にいれる綿球に空気通るチューブがついてたり
方針として、早期に完全鼻閉状態を解いてくれるところもあります。48時間くらいで。

そういったところならもうちょい楽かもしれません。
症状が重かったり
僕みたいに外科手術同時にすすめてて
鼻一切触っちゃダメ!みたいなパターンはダメかも

通常、術後は血だらけの綿球を30分ごとに交換したりするらしいんですけど
僕は交換0でした。鼻触っちゃダメで。
マスクも禁止でした。
こうなると鼻閉から逃げられないんで地獄です。

その病院が鼻閉に対してどういう捉え方をしてるかどうかは確認したほうがいいかもしれません。
しかし、症状とか経過にもよるので
一概に言えないことも頭に入れておいて下さい。

途中で鼻開通する

僕はレアケースなんですけど、術後術後6日目くらいの段階で
ガーゼが喉から出てきました。4枚。
その後鼻につめていた細長いスポンジが抜けたので、右鼻が開通することとなりました。
これによって完全鼻閉状態は解除され、かなり楽に。

病院で聞いたら自然に取れることは問題ないそうで。
右鼻は出血がすでにとまっていましたし、僕は綿球をセルフでつめるの禁止だったのでその後はそのまま生活していました。
鼻開通したから快適か?というとそうでもなく
術後しばらくは鼻水地獄です。粘膜腫れてますからね。
右鼻から壊れた蛇口のように鼻水が吹き出してくるので、それを頑張って抑えたり吸い出したりしてました。
鼻うがいをすると一時的にスカっとするんですけどね。

完全鼻閉状態が解除されたことで、一番変わるのは食事です。
普通に飲んだり食べたり出来るようになります。
睡眠も今までは10分くらいしか寝られなかったのが、鼻があいてる間の2~3時間くらいは寝られるようになりました。
後は食べて寝ていれば、人間大丈夫です。

鼻開通式

2/14日に鼻の開通式を行いました。
僕は形成があるので、先に形成の方で抜糸した後(痛い)
耳鼻科の方で詰め物を抜いてもらいました。
スポンジの止血剤をとった後は中に入っているシリコンプレート。
せんべいくらいのサイズがあるプレートがあるんですけど
それを丸めて鼻の形にあわせてつめてあるんですね。形が崩れないように。それも えいやっと外して。案外痛くなかったです。その後はかなり鼻がスカっとしました。
今では術前のブリーズライト装備時よりも快適に呼吸ができる!特に左が通るのがすごい未知の体験。吸った時に空気が冷たく感じてびっくりします。
詰め物が抜けた時は鼻が抑圧から開放されてすごい抜けるんで、ウヒョー!っていう体験が出来ます。一時的なものですが。

今の鼻の状態としては、術前にブリーズライトをつけた状態を10とすると…
20ですかね。マスクつけて12~15くらい?なので
普通の人がマスクをつけた状態より、僕がノーマスクでブリーズライトをつけた状態のほうが息苦しかったという…

見た目も鼻が真っ直ぐになって、高くなりました。良かった。

にっちもさっちもいかない人は鼻中隔湾曲症手術をオススメします。

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