北海道新幹線と貨物鉄路の再定義(2023年9月現在の状況における試案)

2023年9月、北海道新幹線と並行在来線の貨物専用線化の方向性が決まった後、道南いさりび鉄道(いさ鉄)の利用者減少や存続について、2026年度以降の運営を今年度中に判断するとの報道がなされています。

旅客利用だけでなく貨物輸送路でもある、いさ鉄が赤字となると、単に沿線自治体が赤字補填すればよいという枠組みを超えて、北海道全体の流通にも関わる事象です。これは新函館北斗駅〜長万部駅間の並行在来線問題とも関わる事です。

一方、函館市にとっては、新函館北斗駅〜函館駅間のアクセスを、ミニ新幹線(在来線の車体幅だが標準軌の新幹線)を走らせて維持したいとの考えもあります。

併せて、仮にいさ鉄の全区間と、新函館北斗駅〜五稜郭駅〜函館駅のアクセス維持、貨物列車の維持だけを考えたら、数十年前の古い鉄路を残すより
も、最新の鉄路と同居させた方が効率的なのは確かです。

ですので、現在の状況を加味した、良さげな案を一つ提示しておきます。

・北海道新幹線は、青函トンネル〜長万部駅の間を三線軌条化し、一定距離で待避線を設けて、貨物輸送の鉄路を共有化する。
 →長万部駅以東は、現状と同じく海線経由とする。
・北海道内で完結するミニ新幹線(JR東日本のE3/E6/E8系の北海道版、H3/H6/H8系)を7両編成で走らせる。
 →E3系をH3系として流用すれば、車両を廃棄せずに再利用できる。
 →現在の旅客ニーズではH5の10両編成よりE3/E6/E8の7両編成の方が乗客数にあっている。(多客期だけH5の10両編成にすればよい)
 →7両編成とすれば、盛岡駅以降の併結・共同運用や、北海道〜秋田県、北海道〜福島県〜山形県のダイレクトアクセスも可能に!?
・新函館北斗駅〜函館駅間は、当初は3線軌条にした上で、ミニ新幹線を受け入れる。
 →将来は標準軌のみにすればよい。
 →函館駅の特急発着ホームを改造しH5の10両編成が入線可能とする。
 →当初は、在来線のはこだてライナーが担う区間である、五稜郭駅・桔梗駅・大中山駅・七飯駅に、単行の10両編成対応したホームを改築し、新幹線のみが走る鉄路とする。
 →同区間ははこだてライナーを踏襲した運行形態で、ミニ新幹線は各駅停車タイプ、通常の新幹線は快速タイプで運用し、函館駅・五稜郭駅・新函館北斗駅のみに停車する。
 →イメージ的には室蘭駅〜東室蘭駅の感じで、札幌駅にも直通できる。
 →ミニ新幹線の車両基地は、現在の函館駅の北側にある車両基地を流用する。
・将来、札幌駅〜旭川駅の新幹線は、3線軌条のミニ新幹線にする。
 →停車駅は岩見沢駅・旭川駅のみ。
 →札幌駅〜新函館北斗駅を通じて、ミニ新幹線を経由させる事で、函館駅〜新函館北斗駅〜札幌駅〜旭川駅という道内最長路線を形成する。
 →旭川観光した人が、同日中に函館観光ができる。(旭山動物園→函館山の夜景を1日で見るのも新幹線で可能に)
 →札幌駅〜旭川駅間は、旭川駅以北に向かう特急列車のみが、岩見沢駅〜旭川駅間での特急停車駅に停車する。
 →ミニ新幹線の有益性を、北海道の一部区間で受けられる。

決定の遅い北海道の鉄路問題。早く方針が決まる事を願っています。

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中井 大 (Hiroshi Nakai)
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