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『白い小犬』

奄美大島に伝わっているおはなし。

とある山道を通りかかると、ころころした白い毛玉があらわれる。
よく見るとそれは小さな犬で、通りかかった人の足元を
前に行ったり後ろに行ったりせわしない。

かわいらしい見た目と動きに油断していると、足の間をくぐられる。
するとその人は魂を取られて、すっかり大変なことになってしまう。

そんなわけで、その道を通る人は
 ・通るとき、芝を折って置いておく
 ・足をクロスして、犬が通れないようにする
などして対処すると良いと言われているそうです。

亜熱帯気候のため、昼でも影と湿度の強い森

同様のお話は『耳切り豚』『首無し豚』としても伝わっており、登場する動物が白い小犬から耳が切られた豚だったり、首の無い豚だったりと様々。
養豚の時代が長かった島の歴史が窺えます。

また、沖縄群島にも同様の豚の話が伝わっていて、先の話同様に、足の間をくぐられると魂を落としてしまうと言われているそうです。
島の山道を歩くときには十分ご注意を(もちろんハブにも!)

なのですが……

昼なお暗い森の中で突然真っ白ふわふわなワンちゃんが出てきたら、キャッキャッしてしまって足を閉じるどころではなく、全力で撫でこね回してしまう気しかしません。
豚の場合は別として、白い小犬だった時なんて、小犬のほうが「ヤダヤダ!撫でこね回されてツライ!もう帰るッ!」と立ち去ってしまいそうだなと思いました。ごめんて。

お読みくださりありがとうございました。

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