国葬

本日9月27日は、7月7日に選挙演説中に銃殺された故安倍元首相の国葬だそうで。
国葬?国葬儀? まあ、どっちでもええわ。
世論調査ではこの国葬に賛否が分かれているようで。
反対派が多数を占める感じですが。

私は、
「国葬に賛成する方々が言うほど元首相が人品骨柄卑しからず人格識見に富み国と国民を愛し精魂果てるまで社会に尽くされた方ならば、自分の葬儀の為に国費を費うよりも、コロナ禍で苦しんでいる人や度重なる風水害に遭った人達のために金を費やしてほしい、と言うんじゃないかなあ」と、思います。

どこぞの国の大使が「なぜ外国からの弔問客も来るのに静かに一丸となって葬儀できないのか」などとツイートしてましたが。

完全に岸田首相が読み違えましたね。

そもそも、なぜ国葬?モメんのわかりきったことでしょうが。

吉田茂氏の国葬は私が生まれる1年くらい前だったのでもちろん当時のことは知りませんが、やはり相当モメたと聞いてます。佐藤栄作氏が死去されたときは小学校に上るか上がらんかくらいでしたが、やっぱりモメてました。私より10歳以上年上で政治家の家に生まれた岸田首相が知らんわけないんですがね。

最大の違和感は、私が小学6年の時に現職の首相が急死してるんですよ。選挙期間中に、過労で。自民党内で色々あって野党が出した内閣不信任案が可決してしまっての「ハプニング解散」だったと記憶してるんですが(当時は政治ニュースがヤーさん映画の抗争劇みたいでした)、その選挙運動中に首相が倒れて亡くなっているんですよ。その時私が思ったのは、「これで学校が1日休みになるな」でした。国葬になるもんだと思って。ところが、ならなかった。「国葬は、大平君の人柄に合わない」って。現職の首相が亡くなっても国葬にならなかったのに、今回はなんででしょうねえ。ちなみに大平氏は現首相の派閥、「宏池会」の会長だった人です。

「丁寧に説明し理解を求める」とか言いながらずっと同じリクツを繰り返して、最後は権力で自分の考えを押し通す。やりたいようにやる。それって2012年に自民党が政権復帰してからずっとやってきたことですよね。

まあ、権力=数の力=選挙で得た民意ということであれば致し方ないとも思いますが、だからと言って何やっても良いわけではない。

ましてやその「選挙で得た民意」の「選挙」に本人が殺害される要因となった反社会的宗教団体が関与し、その団体との濃厚な関わりが窺われるとなるとね。

だから、安倍元首相の葬儀を別格感出したいなら国葬とか国葬儀とか国民葬とかでなしに、歴代首相の内閣葬でもない形にすればよかったと思うんです。

費用は政府も少し出すけど、有志の寄付を募って。それこそ30億や40億は集まるんじゃないですか。

で、せっかく武道館でやるなら安倍氏を支持していたアーティストとかに来てもらって追悼の歌を歌ってもらうとか。

そこらへんの仕切りは電通にやって貰えばいいでしょ。民間から募った金なら問題なし。

募金箱とか置いて、寄付金が余ったのとかと一緒にして「安倍晋三基金」とか作ればいい。

これまでにない、新しい元首相の葬儀を考えればよかった。「国葬」を上回るようなやつを。

「国葬」にこだわるからモメる。

賛成派は安倍氏の「功績」を言い募り「静かに見送るのが日本人としての礼儀」などど主張する。

反対派は「手続きの問題」「法的根拠の問題」「銃殺される発端となった反社会的とされる宗教団体との関係の問題」を言い立てる。

まあ、わかり合うことは、まずありませんわな。

人は死んだら仏になって罪は消える、と言うのは時代劇での話。

しかしながら、100%の善人もいないが100%の悪人もいない。

どんな人も功罪相半ばするところはあるはずで、政治家ならば常に歴史の法廷に立ち続ける覚悟があるはず。

そういう、歴史的評価が定まっていない時点での「国葬」はちょっと。

しかも「国として弔意を示す」が「国民に弔意を示すことは求めない」ってなんかおかしい。アンタらにとって「国」と「国民」は別物?

私は、安倍元首相は好きではありません。ただ、いわゆる「慰安婦問題」を解決しようとしたのは評価します。おそらく「保守派」の人たちから色々言われるでしょうに、自分で解決しようとしたことは偉いと思います。これは「保守派」に睨みのきく安倍氏だからできたことかと。惜しむらくは、相手国の事情により反故にされてしまった。しかし、本気でこの問題を解決しようとする姿勢は立派でした。

一方で、「なんて嫌な政治家」と思ったのも事実。
都内で高齢者が大雪で閉じ込められているのに天ぷら会食に興じてたり。
台風直撃で人的物的に大きな被害が出ているのに自党所属議員と宴会してたり。
もちろん災害対応はまずは各自治体の仕事でしょうが、被害に遭っている人のことを考えたら飲み食いしてられないと思うんですけどね、「国を想い、国民を想う政治家」なら。
「云々」を「でんでん」と読んだり、首相なのに「私は立法府の長であります」と言ったり、「募ってはいるが募集はしていない」とかもうわけわからん。これ、国会で言ってますからね。
なにより、何か言われて感情的になるのは仕方ないとしてそのなり方が子供っぽいと思うんです。
感情を表に出す首相は何人も見てきたけれど、この人ほどそれが幼く見えた首相はいない。それの究極が「こんな人たち」であったり「私や妻が関わっていたなら政治家を辞める」発言です。

知性も度量も、歴代の首相と比較すると、「う〜ん・・・」って感じでした。
だからこそ、もっと歳をとった時に往時を振り返ってどう考えてたのを語ってもらい将来の政治を志す人への「灯火」の一つになれば、と思ってたんですが。

例の「反社会的宗教団体」との関わりについては、おいおい明らかになるのでしょうか。どちらが利用し利用されたのか。現首相は幕引きに必死のようですが。

安倍氏がああいう亡くなり方をされたことについては本当に悼ましく、個人的恨みから民主主義への挑戦をした犯人は全くもって許し難い。
だからこそ歴代最長期間在任した元首相を、彼を支持した人はもちろん、「こんな人たち」呼ばわりされた人も含めて、みんなでその死を悼み見送ることのできる「葬儀」の形を考えるべきだったと思います。

今の状況は、故人に気の毒です。


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