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幽霊に迫られ、クリスマスに大改心?ディケンズの『クリスマス・キャロル』①

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今月は、ディケンズの『クリスマス・キャロル』を取り上げます。

『クリスマス・キャロル』と言えば、クリスマスを代表する作品として、世界的に有名な作品です。

貪欲な金貸しのスクルージが、クリスマス・イヴの夜に三人の幽霊に出会い、自分の人生を反省し、改心するという奇跡のお話。

近年ではディスニーでも映画化されています。

※クリスマス&ディスニーなのに、怖い幽霊たちに怒られるため、子どもにはちょっとホラーすぎるかも💦笑


『クリスマス・キャロル』が名作と言われる理由は、

人間嫌いで、お金儲けだけに勤しんでいたスクルージが、「これからはみんなの幸せのためにお金を使おう!」と決意するラストが、道徳的にも学びの深い作品と捉えられているからだと思います。




『クリスマス・キャロル』……金の亡者・スクルージが、クリスマス・イヴに幽霊に迫られて大改心?


チャールズ・ディケンズ(1812~1870)

イギリスの国民的作家。
両親が金銭感覚に乏しかったために家が破産。12歳から靴墨向上で働く。
小学校を卒業後、弁護士事務所に就職。
その後、新聞記者となる。
仕事の合間にエッセイを書いたことをきっかけに、執筆活動を開始。
雑誌編集等のかたわら作品を発表し、人気作家となる。脳卒中により58歳で死去。

代表作品:『オリバー•ツイスト』『二都物語』、『大いなる遺産』など


【書き出し】


第一にマーレイは生きていない。それについてはいささかの疑いもない。

彼の埋葬登録簿には牧師も書記も葬儀屋も、喪主も署名している。

スクルージも署名した。



【名言】


「過去、現在、未来ー三世を生きるこの身にクリスマスの霊は宿る」


「まったく見えない目でも、他人を不幸にする目よりはましですよ、目の見えないご主人様!」


「世の中には、幸せを感じること、喜びを与えられることがいくらでもありますよ。金儲けになるとは言いませんがね。」



【あらすじ】(前編)


スクルージとマーレイは、長きに渡る仕事仲間だった。
共同経営者として、ロンドンの下町にスクルージ•マーレイ商会という事務所を構え、週十五シリングの安い給料でボブ•クラチットという書記を雇っていた。

しかし、マーレイは七年前のクリスマスの前夜に亡くなった。
スクルージはマーレイにとって、唯一の遺産相続人であり、唯一の友人であり、唯一の会葬者だった。
それにもかかわらず、スクルージは葬式の当日でさえも、抜け目のない取引をするほど、商売には好きがない男だった。
彼はケチで、貪欲で、人とのかかわりを嫌う、牡蠣の殻のように孤独な老人であった。

その年のクリスマスの前夜も、スクルージは事務所で忙しく、仕事をしていた。
そこへ甥のフレッドが、「クリスマスおめでとう、伯父さん!」とやってきた。スクルージをクリスマスの食事に招待しにきたのだ。
しかし、スクルージは「馬鹿馬鹿しい」と言って彼を追い出した。


次に、貧困者への寄付を募る、2人の紳士が訪れるが、スクルージは、「死にそうならば死んだらいい。そうして、過剰な人口を減らしたほうがいい」と言って、彼らのことも追い返した。
さらに、渡口で、クリスマスの歌を歌おうとした男の子、ものすごい剣幕で追い払った。

事務所を閉める時間となると、スクルージは嫌々ながら、クラチットに一日のクリスマス休暇を出し、実家に帰った。

スクルージは、死んだマーレイの部屋に住んでいた。
古びた低い建物のなかの暗い部屋だった。彼が玄関のドアに鍵を挿し入れた時、不思議なことが起きた。
取っ手が、死んだマーレイの顔に見えたのだ。
それはものすごい形相だったが、じっと目を凝らすと、元通りになっていた。

部屋に入って、ドアに二重に鍵をかけ、寝る支度をしていると、今度は、驚いたことに、家中の呼び鈴が鳴り響いた。

それが止むと、階段の下から鎖を引きずるような音が近づいてきて、何かが部屋のドアをすり抜けて入ってきた。

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世界文学のなかから、名作をご紹介します。 作者、書き出し、あらすじ、時代背景を紹介するとともに、解説では、仲川光ならではの視点で、物語の…

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