私の履歴書: ロジクール編 (その 2)
本社(カリフォルニア州)のチームには毎週日本市場の状況についてのアップデートをレポートしていましたし、四半期に一度以上は出張して顔を出していたので、離れていても同じチームでやっている、という感覚は強くありました。
そんな中、2006 年の新製品発表会で来日中のマウスチームのトップから、チームメンバーが一人辞めるので本社でグローバルプロダクトマーケティングマネージャーとして働かないか?という話をもらいました。同じマーケティングチームにいた同僚が別の仕事でアメリカに移籍していたのでいいなあと思っていたのですが、自分にもそんな機会が巡ってくるとは!完全に「ワクワクすること優先脳」が発動し、もちろんお受けしました。
そして 2006 年の 11 月から本社での勤務。自分が担当することになったのは 50 ドル以下の低価格帯のマウスと、ポインティングデバイスで扱うマウス以外の製品、具体的に言うとトラックボールとプレゼンターでした。最先端のテクノロジーを搭載したマウスではないので技術的なチャレンジはそれほどなかったものの、既存のテクノロジーをより低価格の製品にコストを抑えながらどう取り入れていくのかというのがチャレンジで、また大量の製品ラインアップを次々にローンチしていくという点でもユニーク。ボリュームゾーンの製品ということでカラバリも多く、これまでの経験も生かせてやりがいのある仕事でした。MX620、LX8、LX6 あたりが自分の担当製品でしたが、LS1 というレーザーマウスに関しては完全に一から形状も作ったので、思い入れは強いかもです。まだ他にもいろいろ担当してたな、そういえば。もっと安い製品なども…。
いくつか写真を発見したので載せてみます。これは LX6 のカラバリの比較写真。上のポストイットには色の名前とコストが書いてあったのでモザイクかけました(笑)。
こちらは LS1 のカラバリや、他のマウスと比較して大きさの検討をしているところですね。
あと、これは自分が辞めてから発売されることになるのですが、R800 と R400 というプレゼンター。これもデザイン・形状を完全に新たに作ったので、自分の子供のようなものですね…。
残念だったのは、自分が担当している間にトラックボールが出せなかったこと。実はトラックボールの最高峰製品を出そうと計画していたのですが、市場規模から新製品を作る合理性が説得できず、泣く泣く断念しました…。この時はエルゴノミクスのエキスパート、カリフォルニア大学バークレー校のレンペル博士を訪問してアドバイスをいただいたり、興味深い経験ができました。あれ、本当に格好良かったし、機能もいろいろ考えてたので、残念だなぁ…。
Logitech とは 2009 年にレイオフされて突然お別れすることになるのですが、ペルソナを軸とした発想、ユーザーのペインポイントの理解、そしてエンジニアとのパートナーシップなど、プロダクトマーケとしての考え方、心得をしっかり根付かせてくれました。日本でリージョナル、本社でグローバルのプロダクトマーケの立場を両方経験できたので、今考えてみれば本当にラッキーだったと思います。
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