バツイチ会
バツイチ友の会とも言うべきだろうか?
その日はバツイチだけが3人集まって昼間から酒を飲んでいる。
完全にダメな大人だ。
実家の近所でイベントがあったので、そこで落ち合って飲むことになった。
イベント会場には、老若男女いろいろな人達がいた。
お祭りという雰囲気で、とても楽しげだった。
そこにアラフォーバツイチが3人。
先日一緒だった友人と、女性のバツイチがもうひとり。
2人はバツイチ歴がそこそこあって、僕は新人バツイチだ。
バツイチの流儀でも仕込まれるのだろうか?
とも思ったが、単に飲むだけだった。
先日紹介したいと言われた人が、女性のバツイチだった。
友人は、僕に引き合わせたかっただけのようだった。
途中で、友人が「息子との約束があるから・・・」と言い残し帰ってしまった。
仕組まれた!と思ったが、仕方がないのでそのまま一緒に話をした。
お互いバツイチ同士。初めて合う人だが、すでに共通点がある。
人生において、共通点を探すことのほうが難しいというのに、離婚経験者はすでに何らかの傷を追っているという点に置いては、心理的共通点が強い。
お互いがバツイチ同士だと、なぜか気心が知れるような、不思議な感覚を得る。
賑やかなイベント会場の片隅で、ビール片手にバツイチ女性の話を聞いた。
離婚理由は、元夫の不倫だそうだ。
娘が2人いるが、元夫に引き取られている。
僕とは逆のパターン。娘はそれぞれ高校生と中学生。
通常、親権は母親にいくものだが、元夫に引き取られたというのがすこしひかかった。
彼女はもともと専業主婦で、元夫の稼ぎに頼って生活していたそうだ。しかし、元夫が不倫をするようになりノイローゼになった。離婚調停も行ったそうだが、専業主婦の為、経済的に娘2人を抱えて生活するのは難しいとされ、元夫に引き取られる事になったそうだ。また、調停の際に精神的に正常な判断ができないとされ、調停員の言うがままにされてしまい、今の状況になっているとのことだった。
何もかもが初めてだったことと、何も知らなかったので、正直どうしていいかわからなかったという。
娘たちとは定期的にあっているそうだ。
娘たちからはLINEで普通に連絡がくる関係だった。
そして、元夫も不倫相手とは未だに関係が続いているそうだ。
しかし再婚はしないらしい。
自分とは似ているかと思ったが、異質な関係にも見えた。
離婚してみて思ったことが一つある。
それは、お互いに非があるということだ。
離婚という結果には、そこに至る原因が必ずある。
僕の過ちは、元妻の変化に気づいてやれなかったことだ。
もっと早めに気づいていれば・・・
そして不倫が発覚し、結果として離婚となった。
おそらく、バツイチ女性にも要因となることはあったのかもしれない。
夫婦は、元は他人。気心が知れたところで、それは幻。
分かり合えるはずもなく、お互いが分かっていると思ったら、それは勘違いだ。