コロナ禍のその先に見えるもの

最も恐ろしい経済破綻

第一次世界大戦の敗戦国となったドイツは、巨額の賠償金を請求され国民は屈辱感が増し、その後ヒトラーを生み出すきっかけとなったとも言われている。

第一次世界大戦での賠償金については、結局は支払われることはなかったが、それが引き金となりドイツとオーストラリアの経済は破綻した。
経済が破綻するということは、その国の貨幣価値がなくなるということだ。いわゆるハイパーインフレーションを引き起こす。例えば、ペットボトルの飲料水が1本140円だとすれば、ハイパーインフレーション下では1本3,500億円になる。当時のドイツではこのようなことが実際に起こった。

学校の世界史の授業では写真付きでその当時の状況ぐらいは出て来たかもしれないが、それが何を意味するかまでは学校では教えてくれない。
その後、臨時の新マルク通貨で立て直しを図るが、世界大恐慌によって混乱に歯止めがかからない状況となってしまった。

街には失業者が溢れ、社会情勢不安から国全体に鬱積とした雰囲気が漂う。そうした状況では、正常な判断など誰もできるはずがなく、今の現状から抜け出したいという気持ちでいっぱいになる。これが、ヒトラーを生み出す土壌となってしまった。

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平常時であれば

「あのチョビヒゲなんか言ってるなぁ〜」

で済まされることも、切迫した状況に陥ると思考が停止し先導されやすくなる。しかも失業してるからみんな暇なのだ。演説してれば話を聞くだけならといってしまう。当時のドイツの状況がヒトラーを生んだとドイツ人も理解している。

人間は極限の状況まで追い込まれると思考が停止し、判断が鈍る。
そして、正常な判断ができないと簡単に犯罪を犯し、殺人だっていとわなくなる。

常識は集団による偏見でしかない

私は、以前いわゆるブラック企業に勤めていたから、その状況がよくわかる。側から見たら辞めればいいのにで済む話なのだが、辞められない。そういうふうに思考が回らないようになってしまうのだ。

というより、やめさせないような洗脳を施すと言ったほうが良いだろうか?いずれにしても、過酷な状況にもかかわらずその地獄から抜け出せなくなる。

これが、国というより大きな枠組みだったら、もはや思考停止どころではない。国の意思に沿わない発言するものなら厳罰に処せられるわけだから、常識化してしまう。戦時下日本でも同様のことが起こった。

アインシュタイン曰く
「常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」

今まさに時代は繰り返そうとしている

これが、第二次世界大戦のきっかけだったが、それ以前に第一次世界大戦があった。
始まりは、ユーゴスラビアの青年が帝位継承者だったオーストリア大公を暗殺したことがきっかけだった。この第一次世界大戦と第二次世界大戦を経て人類の革新がなされたと考えているが、それはまた別の機会に。

今回のコロナ禍において、米国、英国、イタリア、ドイツ、エジプト、インド、ナイジェリア、オーストラリアの8カ国の政府や民間機関が、新型コロナウイルスの感染拡大を招き、自国に大きな被害をもたらしたとして、中国政府に賠償を求める訴訟を起こしている。

その額は日本円にして1京円。

京(けい)などという単位は、スーパーコンピュータでしかお目にかかったことがなかった。

目に見えないウィルスに責任を取らせることができないので、最終的に責任を誰かに押し付ける形になる。それが中国だ。その賠償に応じるかどうかはわからないが、いずれにせよ世界がまた分断される構図はすでに出来上がりつつある。

参考


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中江兆史
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