146日目
第2回目の調停。
午後からの予定だったのだが、休日のスーパーのように裁判所の駐車場はほぼ満車だった。
あまり混雑して良い場所では無いと思うのだが・・・不思議な感じだった。
予定より15分前に到着し受付を済ませ、待合室に入った。
5分前に弁護士が入ってきた。
「今日、すごい混雑してますね」
というと、
「連休明けとかは、いつもこんな感じです」
と言っていた。特に最近は多いようだった。
待合室で他の人達の会話も全部離婚の話。
財産分与の話や、養育費について、暴力があるから直接会えないなど。
申立人と被告人の部屋は別に用意されており、僕がいる部屋は申立人の部屋だ。
僕以外は全員女性の申立人だった。
普通は、奥さんが離婚を切り出して申立するのだろう。
ふと、部屋にはられているポスターに目をやる。
そこには「法律に関するご相談無料!お気軽にご相談ください」とあった。
今回の事件において、当初僕も無料相談サービスを利用したが、
そうした窓口の存在が離婚事件の増加にも影響しているのではないだろうか?
弁護士費用は着手金、成功報酬合わせるとそれなりの金額になる。
しかも思ったような慰謝料が支払われない場合、その負担は直接自分に降りかかる。
その負担と不安を少しでも解消することができるサービスだと思うが、逆にそうしたサービスがあるから離婚もしやすくなっているではないだろうか?とも思う。
今日の調停では、前回の引き続きとなるが、
相手方の出方を見てから判断する。
こちらとしては、早急に離婚成立し事件解決をしたい。
婚姻費用よりも養育費のほうが安いから、当然だ。
ただ、相手方は早期解決は望ましいと思っていないだろう。
これまで一緒に生活していた時に僕が支払ってきた金額が半分になり、最終的には1/3になる。
彼女は化粧品や香水の類や服やバッグにもお金はかけられなくなる。
生活費のほとんどを僕が支払っていたことに対して、何とも思っていなかったのだろうが、これから全て自分で支払っていかなければならない。
ただ、児童手当や母子加算制度があるので、これまで通りとは行かないだろうが、それでも生活できないレベルではない。贅沢しなければ十分生活は可能だ。
時間となったので、担当官が呼びに来た。
調停室に入ると前回と同じ担当官が2人座っていた。
今回は、先に相手方の意見を聞いたとのことだった。
まずは年金分割について。
平成16年から新しく導入された制度とのことだが、厚生年金保険及び共済年金の部分に限り「婚姻期間中の保険料納付実績」を分割するというもので、分割割合0.5とされている。自分に非があるのに、年金分割を当然の権利のように請求してくるあたりは、もう呆れていた。
また、現時点では給付期間が25年以上ならないと年金の受給資格が発生しないが、この先どうなるかはわからない。受給年齢は年々引き上げられているし、受給額だってまともな金額が受給される保証はどこにもない。
後で後悔するかもしれないが、少なくとも10年は僕の伴侶だったわけなので、分割割合と分割については、相手方の要望通りで構わないことにした。
担当官が全て話し終わる前に、「要望通りで構いません」と答えた。
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