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加藤唐九郎氏とわたし


熊本県で小代焼を作っております。
小代焼中平窯の西川です(^^)

以前、公式ホームページの『やきもの日記』に書いていたことを加筆してお届けします。


焼き物好きの皆様、
加藤唐九郎氏という陶芸家をご存知でしょうか?



焼き物オタクの方々にとっては

「唐九郎さんなんて知ってて当たり前じゃん! 何をいまさら…笑」

とお思いでしょうが、お付き合いいただけますと幸いです(^^)




加藤氏は昭和を代表する陶芸家のお一人で、
もはや存在そのものが伝説のような人物です!


私は中学生の頃の塾の休み時間にずっと
加藤氏の『やきもの随筆』読んでいました。

陶芸家の書かれた文章としては、人生初の出会いであったのではないかと思います。


加藤氏は志野焼・黄瀬戸・瀬戸黒を中心とした美濃陶を主な作品として発表されていました。

熊本で小代焼に携わっている私は美濃陶を始めようとは思っていません。

「作品を参考にしよう」とかの作り手目線ではなく、
いち焼き物ファンとして大好きな陶芸家です(^^)


鬼ヶ島


志野茶碗「鬼ヶ島」

この茶碗を1つだけ残し、窯出しした他の作品を全て割り捨てたのだとか…!!




その風貌も含め 漫画やドラマの中の“陶芸家”そのものです。
詳しく知りませんが、よく見る陶芸家イメージは唐九郎氏が元になっているんですかね‥?

ちなみに中平窯では(少なくとも定番食器に関しては)めったに割りませんよ 笑




中学生の頃に夢中で読んでいた『やきもの随筆』。

大人になって知りましたが『やきもの随筆』は中学3年生でも分かるように書いた本とのこと。

まさに中学3年生の時期に、この本に出会えたことに御縁を感じています。



雑誌・太陽

それと、

こちらの【太陽 特集・加藤唐九郎】はなんと中古64円で購入!
めちゃくちゃ良い買い物でした(^^)



加藤氏は作品や生き様だけではなく、文章もとても魅力的な人物です。



博学でありながら、押しつけがましくないといいますか、
まぁ現代の価値観で見ますと、やや差別的な表現もありますが、
細かい表現に目くじらを立てるより「当時はそういう時代だったんだな~」とサラッと流して読んだ方が有益であると思います。

毒舌とユーモアのバランスが素晴らしいです(^^)



軽めの白洲正子氏との対談『やきもの談義』から読み始め、

もしそれが気に入れば、自伝『土と炎の迷路』を読むことをおススメします!



2023年7月17日(月) 西川智成

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