ニート日記39〜42日目 突然の訃報と待つ日々
月曜日から木曜日までは、なんだかあっという間だった。
先週と打って変わって、晴れ間も多い週だったけど、畑には1日だけ行ったっきり、あとは家にこもっていた。
月曜日に、親戚のおじいちゃんの訃報が届いた。一緒に住むおばあの弟にあたる人だった。
夜に、私の携帯に母から電話があり、知らされた。
おばあとおじさんは、もう寝ていたから、翌朝私からおばあとおじさんに伝えなくてはいけなかった。
朝、いつもより早く目が覚めた。すぐに部屋を出れずにベットでぐずぐずしているとおじさんが玄関を出る音がした。ようやく部屋を出て、おばあに「おはよう」と言って、私はすぐに切り出せずに、まずご飯を作った。
ご飯を作り終えて、7時過ぎ。
私はおばあに、昨晩電話があったこと、そしておばあの弟が亡くなったことを伝えた。
おばあは耳が遠いので、大きい声で言わなきゃいけなかった。
おばあは、
「亡くなった…?」
と一言返した。
私が
「亡くなったって。電話があった。」
と返すと、おばあはいつものしかめ面に悲しみを集めて涙を流した。
おばあちゃんが泣くのを、初めて見た。
その後、妹に電話で訃報を伝える時も、亡くなったおじいちゃんの娘に電話する時も、おばあは泣いていた。
おばあちゃんは、声に出して泣いていた。
「馬鹿タレが」
「可哀想に」
と言いながら泣いていた。
こんなに、明らかに感情を表出させるとは思わなかった。とても、辛抱強く、堪えてきた人だから。
でも、よく考えたら驚くことじゃなかった。
堪える必要はどこにもないし、弟が急に亡くなったんだから。
亡くなったおじいちゃんは、死因がはっきりしてなくて、念のため司法解剖をしなくちゃならなかったから、すぐに葬式もできなかった。
身体が家に帰ってくるまで、何もできることがなくて、おばあはとにかくもどかしそうだった。
ただ、いつもつけっぱなしのテレビを、その日はほとんどつけずに過ごしていた。
私は、なんとなくおばあを1人にしたくなくて、ほとんど家にいた。
木曜日、ようやく葬式の日程が決まった。
やっと、時間が進む感じがした。