ニート日記44日目 お葬式の日
土曜日
親戚のおじいちゃんの葬式の日
家も葬祭場も遠いので、朝7時に家を出た。
おじさんのスーツがダボダボに大きいということでポロシャツを着ていこうとしていたのを、おばあが止めて朝から少し揉めつつも、予定通りの時間に家を出ることができた。
まず、亡くなったおじいちゃんの家に行く。
おじいちゃんの息子と娘家族以外は私たちが一番乗りで、他の親戚はまだ誰もいなかった。
棺のそばに座ったおばあは、棺を何度も叩いて「なんで死んだ」と言いながら泣き続けていた。
自分の弟の名前を何度も呼んで、怒ったような声で泣くおばあの姿は、4人兄弟の長女であることを感じさせた。
そのあと、おばあのもう1人の弟家族やら、見知った親戚がぞろぞろと集まって、お坊さんによってお経もあげられて、間もなく火葬場へ移動になった。
火葬が終わると、今度は告別式の会場へ移動となった。
告別式まで結構時間があったので、おじさんが
「アイスクリームでも食べよう」
と言って、私たち(おばあ、おじさん、私)は車でコンビニへ寄った。
確かに、12月とはいえここは沖縄。気温は20度ぐらいあって、何なら天気は快晴で、アイスを食べたくなるのはわかる。
でも、告別式の前に
「天気もいいし、アイスクリームでも食べたい気分さ〜」
という気持ちでアイスを食べるのはなんだか少しだけ不謹慎な気がして、私は少し気が引けていた。
なんというか、アイスクリームっていうのは楽しい思い出に結びつくものって感じがするから。
おばあにとって、悲しい日であるはずの今日は、さすがに食べる気にならないかなと思いつつ、一応
「おばあもアイスクリーム食べる?」
と聞いてみた。
するとおばあからの返事は
「バニラがいい」
とのことだった。
私は心の中で「食べるんかい!」とツッコミつつ、なんだかホッとした。
どんなに悲しい日でも、アイスクリームを食べることのできるおばあの姿は、少し能天気で可愛らしく見えた。
(なんなら、アイスクリームがカチカチで全然食べ進められないことを嘆いて訴えていた)
そうして、アイスクリームを食べた私たちは告別式に参加し、結局、終わったのは15時だった。
お葬式にこんなにがっつり参加したことがなかったから、こんなに時間がかかるものなのかと思った。特に、もっと身近な親族なら尚更、悲しみで打ちひしがれる暇もなくお通夜やら準備やらもあって、大変だろうなと思った。
ただ、今回はコロナ禍で数年会えてなかった親戚に会えたりして、不謹慎と思いつつも会えた嬉しさもあった。
1ヶ月ほど前に行った別のお葬式でも、久しぶりな面々に会えたりして、お互いに
「久しぶりに顔見れて嬉しいけど、こんな形で会いたくなかったね、、」と言い合っていた。
コロナ禍で会うことで迷惑をかけるからって遠慮しあってきたけど、やっぱり、会える時に会わなきゃ、当たり前にずっと生きてるわけじゃないよなって改めて思った。
久しぶりに会った従姉妹は、式が終わるとそのままうちに来た。
従姉妹はずっとおばあの隣に座って、私は晩御飯を作って、みんなで一緒に食べた。
おわり