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4つのコミュニケーションスキル

私は10歳から30歳まで、水泳、サッカー、バスケ、ラグビー、アメフトと様々なスポーツクラブや部活動で汗を流してきました。その中で「1番楽しく、成長出来たと感じるのは?」と聞かれれば、「高校時代のラグビー部」と答えます。

高校時代のラグビー部は、人数が少なく、強くもなく、指導者が素晴らしい知識を有していた訳でもありません。ラグビーとは何かよくわからない中、自分で情報を得て、試行錯誤しながら日々過ごしていたように思います。

リハビリをしていると、「1から10まで説明を求める人」「指示待ちをする人」「言う事聞かずに自分でどんどんと進める人」など様々な人がいる事に気づきます。これらは今までに受けてきた教育の差なのだと感じます。

「言う事を聞かない人」は、一見扱いづらいですが、意外と回復が早いと感じます。ただし、自分でやり過ぎて悪化させる事もあるため、注意は必要です。

「指導者の教える行為自体が有害になりうる」とカール・ロジャーズが言っているように、正しい手順で教える事ができないと、相手の成長を妨げる事になります。

指導者が相手に物事を伝える時に、無くてはならないスキルの1つがコミュニケーションスキルです。

このコミュニケーションスキルの、4つの基本的なアプローチ「指示」「提案」「質問」「委譲」について、簡単に説明したいと思います。

「指示(Tell)」
これは、「こうしなさい」「これはやってはいけない」というように、はっきりと指示を出すことです。コーチが相手に何をするべきかを正確に伝えるため、時には必要な方法です。ただし、指示ばかりに頼ると、相手が自分で考えなくなるので、バランスが大事です。

「提案(Sell)」
これは、相手に選択肢を与えて、「こうすると良くなるかもしれないよ」とアドバイスすることです。提案の良いところは、相手が自分で考えて選ぶ機会を作る点です。特に、自分で何をすれば良いか分からない時に、提案はとても助けになります。また、選択肢を示すことで、相手が「やらされている」と感じず、自分の意思で取り組むことができます。

「質問(Ask)」
「今のプレーどうだった?」とか「何が上手くいったのかな?」といった質問を通して、相手自身に考えさせる方法です。質問によって、自分で答えを見つけたり、改善点に気づくことができます。注意点としては、コーチが自分の答えを押しつけるために質問するのではなく、相手が自分の考えを引き出せるような質問をすることが大切です。

「委譲(Delegate)」
これは、相手に任せて自分で考えてもらう方法です。コーチが一歩引いて、相手が自主的にプレーや行動を選べる場を作ることです。委譲は、相手のリーダーシップや自主性を育てるのに役立ちますが、ただ放任するのではなく、コーチが適切にサポートすることも大事です。

人に物事を教えるとき「指示」が多くはなっていないでしょうか。
「指示」→「提案」→「質問」→「委譲」の順に相手はコーチの手から離れ、自分で考える事が広く深くなり、成長が期待できます。

コーチはこれらのアプローチを、状況に応じて組み合わせることが重要です。例えば、緊急時には「指示」が有効ですが、新しいことに挑戦する時には「委譲」が役立つかもしれません。相手の状況や気持ちに合わせて、これらを使い分け、相手が楽しんで成長できるようにサポートしていくことが大切になります。

nakaba


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