足首捻挫リハビリ【急性炎症回復期】
こんにちはNAKABAです。
多くのスポーツ選手が捻挫を経験したことがあると思います。スポーツをしていない人でも、足を挫くことがあると思いますので、参考になることがあれば嬉しいです。
捻挫のリハビリは「急性炎症軽減期」「関節機能回復期」「基本動作獲得期」「スポーツ動作獲得期」に分けて考えるとスムーズな回復ができます。
今回は「急性炎症回復期」について、現場にいる理学療法士やトレーナーがどのように考え、チェックし、対応していくかを解説しようと思います!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
足首捻挫とは足関節周囲の靭帯損傷の事を言います。受傷直後の的確で素早い対応により、復帰のタイミングが早まり、ある程度の復帰時期の目安がわかります。
受傷直後
①歩くことができるか、自力で移動できるかなどを確認し、損傷レベルの見当をつけます。
②聴き取りチェック(受傷時の状況、物や相手との接触の有無、足関節の肢位、過去の既往など)により痛みの部位を可能な限り絞り込みます。
③目でよく見ながら腫れや発赤、皮下出血を確認し損傷部位を推察します。
④触ってみて腫れと熱感を確認します。
前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯、遠位脛腓靭帯、三角靭帯の押して痛いポイントを探り、損傷部位を正確に捉えます。
もしこれらの靭帯を押しても痛みが無ければ、その他骨折などを疑います。
応急処置
【最重要】損傷組織を保護することで、損傷を最小限に抑えることができます。
【重要】迅速なRICE処置(R:rest I:ice C:compression E:elevation)を実施することで、組織の修復を早める事ができます。
●アイスパックを損傷部位に的確に当て固定します。
●ホースシュー型の圧迫により腫脹を抑制します。●損傷組織が伸長しないようにテーピングや装具で固定します。
●体重を乗せる事が困難な場合は松葉杖などで免荷します。また足関節背屈時の痛みが歩行の阻害因子の場合は踵に補高パッドを入れます。
病院受診をすすめる
足関節捻挫は重症度によって、ある程度復帰までの目安となる期間が設定可能です。できるだけ2日以内に病院受診をしてもらい損傷レベルを把握します。
Ⅰ度損傷 : 1〜3週 靭帯伸長
Ⅱ度損傷 : 4〜6週 靭帯部分断裂
Ⅲ度損傷: 6〜8週 靭帯完全断裂
可動域チェックとストレステスト
受傷直後は、激しい疼痛や筋スパズムにより正確な評価ができないため、痛みが落ち着いてから行います。また、新鮮例では損傷の重症化と疼痛の増強が生じるため注意が必要です。
①足関節の底屈、背屈の制限と疼痛の有無
②外側靭帯損傷を疑う場合は前方引き出しテストと内がえしテスト
③遠位脛腓靭帯損傷を疑う場合は外旋テスト、Cottonテスト、Squeezeテスト
④三角靭帯損傷を疑う場合は外旋ストレステストと外返しテスト
リハビリ開始目安
炎症が鎮静化したなら、積極的に機能回復を促していく必要があります。炎症5徴候に①熱感②発赤③腫脹④疼痛⑤機能障害があります。この中の「熱感」の消失がリハビリ開始の目安になります。受傷後1〜3日経過すると、腫れはあっても熱感が引いてくることが多いため、毎日皮膚温度を注意深く確認します。この熱の引くタイミングは損傷レベルによって変わりますので日々確認してください。患部以外との皮膚温が同じ温度になれば「関節機能回復期」のリハビリ開始のサインです。
次回以降、リハビリの進め方について解説したいと思います。
NAKABA
●参考 「アスレチックリハビリテーションガイド」文光堂