ゆっくり発達障害者支援解説-その02【グレーゾーン】【療育手帳】
発達障害者支援について、その2です。下部のケースが絡んだ深い話は、有料となっています。
発達障害者が服薬する薬について
現在は【コンサータ】【ストラテラ】といった薬が主流です。ADHD向けの治療薬として知られています。【インチュニブ】という薬が2019年に新たに成人向けに認可されています。
私自身の支援経験では、発達障害者の方でストラテラは時折飲まれている方と会いますが、コンサータの名称は最近聞かなくなりました。コンサータの処方が2019年12月より登録制になったためかもしれません。
一方、発達障害の方であってもコンサータやストラテラを服薬していない方は多い感覚を得ています。それは発達障害からの二次障害による精神症状のためと思われ、特に抗うつ薬や双極性障害・そう病向けの薬を飲んでいる方は多いではないでしょうか。
発達障害者が取得できる障害者手帳
大部分の方が精神障害者保健福祉手帳の取得を目指されます。少数ですが、療育手帳(知的障害向けの手帳)の取得をされている方もいらっしゃいます。
療育手帳とは
療育手帳とは、知的障害者に交付する障害者手帳です。名称が都道府県ごとに異なります。これは他の障害者手帳は国の法律に規定されていることに対して、療育手帳は厚生労働省通知によって、都道府県が発行しているためです。
また、精神障害者保健福祉手帳が精神科通院6ヶ月後、医師の診断書を持って申請できるのに対して、療育手帳は知能検査や発達検査などの【判定】を都道府県ごとに決められた公的機関(東京都の場合、東京都心身障害者福祉センター)にて受け、その結果によって申請ができます。
発達障害者の療育手帳取得について
実際のケースでは、知的障害と発達障害を両方診断されていて、精神障害者保健福祉手帳・療育手帳両方取る方、発達障害の診断の段階で療育手帳取得を目指す方など。ケースとしてはあまり出会っていません。
少ないケース経験で、私自身も伝聞レベルの情報程度の知識なのですが、療育手帳の都道府県の判定基準の差があり、知能指数が概ねIQ75以下で設定いているところ、そうではない都道府県、あるいは総合的な判断で療育手帳交付の可否を判断しているようです。結果、発達障害者の療育手帳取得ケースがみられるのではないでしょうか。
療育手帳のメリット
生活面ではJRを含めた私鉄各線が、半額になります。就労面では知的障害者枠の障害者雇用での就職を目指せます。その他都道府県によっての差が多く、国の制度も1級、2級など重度・最重度向けの制度が目立っています。
最後に、発達障害グレーゾーンの続きになりますが
療育手帳で最軽度(もっとも軽い)は東京都では4級、さいたま市ではCと、なります。
軽度の知的障害のケースは私は多く支援する機会がありました。軽度故にご自分の障害部分を受け入れがたい、そのために心も病み、精神科に通院されている方は多くいらっしゃいました。
累犯障害者
数年前の話ですが、犯罪を繰り返す障害者=「累犯障害者」がいることがわかり、刑務所にソーシャルワーカー(社会福祉士)が配置されることになりました。軽度であっても、家族の意向や本人の希望で障害者手帳の取得をせず、支援の輪の中から抜け落ちたケースが、累犯障害者という形でこの世に出たと考えられます。
犯罪を犯した人は障害があっても、障害者雇用を行う企業では雇いにくい事情があります(反社会的勢力との関係など)。実際そういった前科のある障害のある方は、町工場など地域で雇用されていました。
福祉の世界でも、犯罪を犯す障害者の話は、重いケースとして耳にします。ただ、そういった方を封じ込めても、社会復帰には結びつきません。なかなかニュースでは大々的に流せない話ですね。