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M1GP2024ファイナリスト(後編)

※こちらの記事は後編になります。前編は⬇️

続いて、エントリーナンバーの遅い4組および敗者復活戦の展望を書いていこうと思う。異例の参戦となった昨年王者から関西のニューフェイスまで、大会を掻き回すこと間違いなしのコンビが名を連ねる。


No. 2684 令和ロマン(2年連続2度目)

東京都出身・髙比良くるま(左)
神奈川県出身・松井ケムリ(右)

 2018年結成、吉本興業(東京)所属。M-1グランプリ2023王者が宣言通り異例の参戦、そして再び決勝の舞台に帰ってきた。過去にも優勝後に再び参戦した王者は存在したが、優勝した“翌年”に“ストレート進出”したのは初である。

 今年は所属していた神保町よしもと漫才劇場を卒業、様々な劇場に立ち、ABCお笑いグランプリにも出場(そして優勝)するなど、ネタを更に進化させてきた。それと同時に、一年かけて他の漫才師達にとっての「ヒール」としての立ち振る舞いにも磨きをかけた。去年の自分達を超えるという克己心と、ライバル達には負けない、負ける訳がないという王者としての自信を兼ね備えた彼らなら、連覇も夢ではないだろう。

個人的キャッチコピー
「連覇を狙うジョーカー」

No. 4224 ママタルト(初)

大阪府出身・檜原洋平(左)
東京都出身・大鶴肥満(右)

 2016年結成、サンミュージックプロダクション所属のコンビ。東京地下のライブシーンで若手を牽引する一方、『研修テレビ!!』(テレビ朝日系)などメディアへの露出も増えている、人気・実力ともに上昇中のホープ。歴代M-1ファイナリストの2人組の中では、間違いなく最重量コンビだろう。

 体重190kgの巨体を誇る大鶴肥満さんが舞台上を躍動し、檜原さんが甲高い声と卓越したワードチョイスでツッコむ。なお肥満さんの体重が注目されがちだが、檜原さんも83kgとそれなりに重い。お笑いファンの間では、一昨年初めて準決勝進出して以降「せり上がりが壊れないか?」という点でも話題になっている。果たして無事持ち上がるのだろうか。

個人的キャッチコピー
「アクティブ重戦車」

No. 6307 バッテリィズ(初)

大阪府出身・エース(左)
三重県出身・寺家(右)

 2017年結成、吉本興業(大阪)所属のコンビ。名前の通り、投手のエースさん、捕手の寺家さんのバッテリーによるコンビ。ブルペンで意気投合し、そのまま結成した。そんな彼らは、草野球も全国大会を目指すほど本気で取り組んでいる。

 カベポスター・ダブルヒガシらと同じ大阪NSC36期の中でかなり燻っていたという彼らだが、ここ数年でM-1での成績も急上昇、ytv漫才新人賞決定戦も経験するなど、よしもと漫才劇場を担う存在となった。おバカ天然なエースさん、しっかり者の寺家さんの対照的なキャラが浸透すれば、全国区のバラエティ番組への露出や、東京での劇場出番も増えることだろう。関西発、成り上がりバッテリーの逆襲に期待がかかる。

個人的キャッチコピー
「ド天然直球勝負」

No. 6349 ジョックロック(初)

大阪府出身・福本ユウショウ(左)
大分県出身・ゆうじろー(右)

 2022年結成、吉本興業(大阪)所属のコンビ。結成わずか2年で初めて準決勝、そして決勝まで駒を進めた今大会のダークホース。リーゼントのゆうじろーさんは26歳・芸歴5年目、長髪ヒゲ眼鏡の福本さんは37歳・12年目の、異色すぎる芸歴差&年の差コンビだ。

 ドラマチックなコント漫才の中で、福本さんが独特なポーズと大声でツッコむのが特徴。一見するとキャラ漫才のようにも思えるが、ツッコミの言葉選びもこちらの予想を何度も超えてくるので、見ていて次第に楽しくなってくるだろう。また、会見でも本人らが言っていたように、M-1きっかけでCMのオファーなんかもあるかもしれない。異彩を放つ伏兵は、大会に風穴を開けられるか。

個人的キャッチコピー
「年の差ダークホース」

No. ???? 敗者復活組

敗者復活戦ブロック分け

最後に、敗者復活戦の展望について書いていきたいと思う。ここでは各ブロックから一組ずつ注目コンビを挙げてみることにする。

敗者復活戦注目コンビ

 Aブロックの注目は敗者復活戦初出場の金魚番長。UNDER 5 AWARD初代王者でもある、東京吉本の成長株の一角。準決勝でもファイナリストに引けを取らない堂々たる漫才を披露し、敗者復活戦にも期待がかかる。

 Bブロックの注目は同じく初出場の家族チャーハン。結成2年で、昨年は3回戦敗退ながら今年一気に準決勝まで駒を進めた。今日日珍しいくらいの真っ直ぐなコント漫才で、敗者復活戦でも存在感を示すだろう。

 Cブロックの注目は、決勝3度経験のインディアンス。今年は3年ぶりの準決勝進出だったが、ストレート進出もあるのではないかと思わせる爆発を見せていた。過去に敗者復活戦を勝ち抜いた経験もあるだけに、かなり期待値は高い。

 ここまで3組紹介してきたが、敗者復活戦も何が起こるか分からないのがM-1だ。経験者が意地を見せるか、はたまた大穴から捲ってくるか。こちらも目が離せない。


 以上、ファイナリスト9組および敗者復活戦注目コンビを自分なりに紹介してみた。今年は20回の記念大会ということで予選の段階からかなりの盛り上がりを見せており、決勝戦を目前に控えた今、その盛り上がりは最高潮に達しようとしている。敗者復活戦も決勝戦も、アニバーサリーイヤーに相応しい熱い戦いになることを期待したい。

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