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【ショートショート】ポエダポエダポエ
お前なに書いてるの?
うわぁポエムじゃん!
ポエムを書いて何が悪い!
ってかポエムってなんだ!
言われた瞬間、その響きからか恥ずかしいものを書いてる自分に気がついて、だけど認めたくなくて怒ったけど、そもそもなんなんだよ!
え、後から読んだら恥ずかしい思いをする文を全てポエムって呼ぶんじゃないの?
流石に違うだろ、ちょうどここに「新明解国語辞典」と「コンサイスカタカナ語辞典」と「ジーニアス英和辞典」があるから調べてみよう。
なんでここあるんだよ。
ポエム〔poem〕詩(的情緒)。
ポエムー
調べるめんどくさくなっちゃった。
ポエムって詩なんだ。
俺の書いてるこれは詩なのか。
ちょっともう一回お前の読むぞ。
牛が空を飛ぶ。
風にのって空を飛ぶ。
最初は優雅に感じたけど、
牛の表情を見たらそう思えない。
この風がやんで下に叩きつけられた時のことを想像しているのだろう。
かなり焦り、怯えている。
それを見た2歳児が指をさして「ひこ!ひこ!」と言い、飛行機と勘違いをしている。
子を抱く父は走りながらこう言った。
「そうだね変な形をした飛行機だね」って。
これテキサス州のハリケーンの話?
寓話?何かを示唆してるの?
お前なんでポエム知らなくて寓話って言葉は知ってるんだよ。
いや、なんかわかんなくて適当に楽しく書いてただけだけど。
ごめん詩じゃないわな、これは。
だって詩は絶対うつくしく感じて、まず俺には理解ができないのが普通なんだけど、これは理解ができるもん。
でも、うーん理解し難いところはあるわな。
俺、作者が何を考えてるか理解できないってことでしょ。
自分で自分をミステリアスにするな。
理解しようがないよね、だって俺自身そんなに深く考えずに書いてるから、深掘りしようもんなら、何も埋まってないサラサラの砂浜を掘るようなもんだよ。
掘ろうとすると周りの砂がすぐに流れてきちゃって全然深い穴になろうとしない。
頑張って掘ったところで何もない。
時間の無駄。
この牛の話ってまだ続くの?
いや、書いててなんか飽きちゃって、無理矢理完結させちゃった。
父の最後の言葉も本当はもっといいこと言わせたかったんだけどね。
もっと書いたり消したりの跡をつけろよ。
なんか爆発力は感じたからもう少し続けてみたら?
お前、ポエムとか言って人を馬鹿にして創作意欲を喪失させときながら、よくそんなこと言えるよな。
もっとちゃんと考えて物事を言えよ。
…
はっ!
まさかもっと内容に深みをもたせるために、あえてポエムじゃないものをポエムと伝えて、俺にー
あれ、違うか、急にお前が大きく見えそうになったけど、違うわ。
お前に足りないのは根気強さだ!
はっ!