見出し画像

監査法人からVC(Dual Bridge Capital)に転職した経緯と入社して1年経って思うこと。

はじめに


DBC1号ファンド募集完了のリリースに寄せて

この度、株式会社Dual Bridge Capitalが運営するDBC1号ファンドは上限としていた75億円で出資の募集を完了させて頂きました。
ご出資頂いたLPの皆様に、改めて感謝申し上げます。


DBC1号ファンドに関するプレスリリースに併せて私のDual Bridge Capital入社から現在に至るまでの経緯や思いを記載しました。また監査法人、VC共に経験が浅く、多くを語れる身ではございませんが、自分が思うそれぞれの違いやキャリアに対する考え方についても記載しております。

本稿は特にDual Bridge Capitalへの入社に興味を持って頂いている方、監査法人に所属していて次のキャリアに悩まれている方に読んで頂けたら幸いです。(もちろんそれ以外の方も是非読んでください!)

自己紹介

改めまして、中澤大輔です。
慶應義塾高等学校から慶應義塾大学法学部に入学し、大学3年時に公認会計士試験に合格(その後、2023年の修了考査に合格)。新卒でEY新日本有限責任監査法人に入所、金融事業部に所属し主に国内大手の資産運用会社やその会社が運用する投資信託の監査、VCファンドの監査に従事しておりました。

そして2024年1月からDual Bridge Capitalに入社。Dual Bridge Capitalではキャピタリストとして投資業務を行いつつ、決算などのファンド管理業務を行っております。

転職の経緯

次のキャリアを考え始めた2023年6月

2023年末に公認会計士の資格を取るための最終関門である修了考査を控えておりました。修了考査に合格すると監査法人を退職し、次の道に進む人が急増します。
2023年6月頃、修了考査の合格発表がある2024年4月以降に転職することをぼんやりと考えていたものの、想像しているうちに自分は何がしたいのか?誰と働きたいのか?どんな業界で働きたいのか?など、全てが曖昧であることに気が付きました。

自分の脳内を整理した結果、「強く尊敬する方の元で自分を高めたい」「自分の成果や成長が組織に与える変数が大きい環境で働きたい」が転職先を選ぶ軸だと答えが出ました。
監査法人では周りの方々に恵まれ、充実した日々を過ごしていたものの尊敬するパートナークラスの方と直接お仕事させて頂く機会はほとんどなく、また働いていて組織を動かすほど貢献できているという感覚はなかったため、転職するとしたらそのような環境で働きたいという考えに至りました。

また、大学時代や2022年に通っていたG's ACADEMYにて、起業家の方やスタートアップ企業で働く方々から刺激を受けていたこともあり、スタートアップ業界で働きたいという思いもありました。

代表パートナー・寺田さんとの出会い

一定の考えがまとまった私が次にとった行動は、人脈作りです。「この人の元で働きたい!」という【この人】を見つけるために、すぐできることはイベントに赴いて人脈を広げることだと思い、調べたり人づてに聞いたりして見つけたイベントに参加しました。
その中でCPAエクセレントパートナーズ主催の会計士交流イベントに参加した際に出会ったのがDual Bridge Capital代表パートナーの寺田さんです。本イベントは若手会計士50名前後とVC/PEファンドの関係者30名程が集まって交流する企画でした。

冒頭に行われたファンド側の参加者それぞれからの挨拶で、ひと際強いオーラを感じたのが寺田さんです。その当時は恥ずかしながらミダスキャピタル(弊社の母体であるグループ会社)のことも寺田さんのことも存じ上げておりませんでしたが、挨拶を聞いてビビッと感じたものがありました。
その直感に従い、交流タイムで寺田さんに話しかけにいったのが最初の出会いになります。詳細なやりとりはここでは控えますが、その後何度かお会いさせて頂いた後、大変ありがたいことにDual Bridge Capitalへのオファーを頂きました。

自分の心を強く動かした「成功の変数であれ」

寺田さんの元で働いて自分を高める、Dual Bridge Capitalの初期メンバーとして参画し、組織に貢献することは冒頭に述べた転職の軸に完全に一致するものでした。
一方で、転職自体は(公認会計士試験の)修了考査合格発表後の2024年夏以降を想定していたことや、何度かしかない転職の機会、他の会社の話も聞いた上で判断した方が良いのではないかという思いもあり悩みました。

そのような中、最後の決め手となった寺田さんからのお言葉が「自分で選んだ道を正解にしよう」でした。これは弊社のValueのひとつである「成功の変数であれ」と同義です。自分はこのValueに強く共感し入社を決意しました。現在も投資先各社及びDual Bridge Capitalの成功の変数となれるよう、日々全力で邁進しております。

Dual Bridge CapitalのMission/Value

入社してからの1年間

VCという仕事

投資業務においては、①投資する企業を見つけるためのソーシング活動、②投資検討(DD、契約条件の交渉等)、③投資後のご支援に大別されます。Dual Bridge Capitalでは、①から③を1社に対して1人で行うことが理想形とされております(この方針はVC各社で異なります)。
この1年はソーシング活動を積極的に行いながら、代表パートナーの伊東さん・寺田さんのご担当会社の投資検討をお手伝いさせて頂いたり、投資後のご支援に関与させて頂いたりすることが中心でした。主体的に行ったご支援としては、主に監査法人での経験を活かした内部統制の整備やデット・エクイティファイナンスのサポート、会計人材のご紹介になります。
また10月には、自分がソーシングした会社(AIM Entertainment社)で初めて投資実行させて頂くことができました。ベンチャーキャピタリストとしてスタートラインに立った瞬間です。これからAIM社が様々な困難を乗り越え、大きな目標を掴むために、私も株主として尽力してまいります。

投資実行させて頂いたAIM Entertainment社

管理業務においては、ファンド決算における決算資料作成や監査法人とのディスカッション、1号ファンドの目標金額募集に向けたLP候補の方々からの質問へのご回答や、既存LPの方への定期的なご報告・ご質問対応を中心に行っております。また会社及びファンドにおける管理体制の強化を先頭に立って取り組んでおり、昨今VC業界で話題となっている公正価値評価の導入に向けても準備を進めております。

試行錯誤の連続も充実した日々

伊東さん・寺田さんから日々多くのことを学んでおります。また日々お話させて頂いている起業家の方々からは、取り組まれている業界に存在する課題、解決するためのビジネスモデル、グロース戦略等をお伺いし、多くの示唆を頂いております。

伊東さんからは、「起業家の方々の貴重なお時間を頂戴し面談させて頂いているのだから、起業家の方々にとっても示唆を得られ、面談してよかったと思ってもらえるような面談にしなさい」、と常々言われております。日々インプットとアウトプットを繰り返し、知見を深め、皆様に示唆をご提供できる人間でありたいと常に意識しております。

1年間過ごして自分の現状には全く満足しておりません。ただひとつ胸を張って言えることは、転職したことを後悔したことは1度もない、ということです。

「最初の相談者」であるために

Dual Bridge CapitalのValueのひとつであり、VCとして大事なことは起業家の方々が困ったとき、VCに相談したいと思ったときの「最初の相談者」となることです。投資先の会社については当然ながら、投資先以外の会社からも次回資金調達を検討しているときなど、頼られる存在でありたい。
しかし、起業家の方にとってみれば自分より寺田さんや伊東さん、他社の経験豊富な方々に相談したくなるのが自然です。それでも自分に相談したいと思って頂くために、上述した示唆をご提供できるよう、日々インプットとアウトプットを繰り返して知見を深めることが大切だと思います。一朝一夕でできる話ではなく、日々の積み重ねです。

キャリアに悩まれている方へ

キャリアは逆算で考えるべきか?

優秀な人ほど将来のキャリア設計をしっかり考え、そこから逆算して今何をするべきか、という思考プロセスの元、動いている方が多い印象です。これはとても素晴らしいことだと思いますが、私は今の時代こそ、逆算よりも"今何がしたいか"を重視するべきと考えております。変化が激しい世の中で10年後、20年後の社会がどうなっているか正直わかりませんし、自分自身の環境や心情が変わっているかもしれません。

自分ができることは、目の前の仕事に全力を注ぐことだけです。全力で戦っている人の周囲には、多士済々集まってくるもので、その中で多くの刺激を受け、視座も上がり、チャンスも増え、結果的に将来の選択肢も広がると思っております。
この1年間、多くの起業家やVCの方々と関わらせて頂く中でその思いはより確かなものとなりました。

監査法人からVCというキャリア

転職してから「VCに転職して監査法人でのスキル・経験はどれくらい活きてますか?」とよく聞かれます。正直、「ほとんどない」と答えています。ある程度会計の知識があることは、過去の業績や事業計画を見る上で活きておりますが、それ以上に新しく学ぶことが多く、「ほとんどない」、という回答になるのかもしれません。

そもそも過去の財務諸表を監査する監査法人と、会社の未来を考えるVCとでは視点が全く違い、VCの投資業務においては、日々新規でお会いする起業家の方々とお話しさせて頂いたり、投資するとなれば条件面等の交渉を行ったり、投資後は様々な形でご支援させて頂いたり、と営業職に近い対外的な業務が多くなります。
それに対して監査法人(特に若手)は、対外的な業務はほとんどありません。

投資するタイミングにもよりますが、投資した会社がExit(上場やM&Aなど)するまで5-10年かかります。VCとして1-2年で成果が出るものではなく、評価されるまでの時間軸の長い世界です。またVCとして必要なスキルはVCに入ってからでないと得られないものが多いと思います。もし監査法人からVC(特に投資業務)に興味があるのであれば転職するのは早ければ早い程良いと個人的に思います。

Dual Bridge Capitalで働くこと

VCと一括りで言っても、投資するステージ(シード中心、レイター中心、全ステージ等)や、セクター(全セクター、ヘルスケア特化、ディープテック特化等)、投資金額(1社あたり1,000万円か、数億円か等)など、ファンドによって方針は異なります。これはどれが良い、悪い、という話ではありません。
どのVCを選ぶかは、ファンドの投資方針や働いているメンバー等の要素から自分にマッチする環境を選ぶことになると思います。

私が思うDual Bridge Capitalで働くことの魅力は設立間もなく、日本一のVCを目指す旅の船出をしたばかりのため、自らが会社に貢献できる変数が大きいことです。私は1年間、寺田さんと伊東さんと間近で過ごす中でお二人の凄さを間近で感じております。ただ、日本一のVCになるためには代表パートナーお二人の力だけではなく、私と残間さん(もう1人のアソシエイト)が常に成長し続けること、そしてこれから入ってくる方々の力が必要になります。投資先各社及びDual Bridge Capitalの成功の変数となり、組織に貢献する仲間をお待ちしております。

おわりに

長くなりましたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
Dual Bridge Capitalでは積極的に投資活動を行っております。またDual Bridge Capital及び我々が自信をもって投資させて頂いた投資先スタートアップ各社への採用も募集しておりますので、下記までお気軽にご連絡ください。
X:https://x.com/nakadai_95
Facebook:https://www.facebook.com/daisuke.nakazawa.56

これからnoteの投稿も増やしていきたいと考えているので、今後ともよろしくお願いいたします。

いいなと思ったら応援しよう!