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エクイティ・デットファイナンス
エクイティ・デットのファイナンスに関して記事を作成しました。
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エクイティとデットの性質
エクイティ出資者とデット融資者でぞれぞれ負うリスク(回収順位を含む)やリターンを得る方法が違う。こういったエクイティとデットの性質を知ることが最初のステップになる。
それぞれの性質の違いから興味・関心ポイントも異なり、ひいてはファイナンスする際の資料の作り方、相手への説明や訴求の仕方が異なってくる。
教科書で習うような基本的な内容ではあるものの、全ての議論の基礎になるので、非常に大事なポイントになる。
それぞれの性質の違い
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エクイティとデットの違いを簡単にまとめると上記のようなマトリックスとなる。
エクイティ出資は、投資回収方法は配当もしくはキャピタルゲイン、回収順位もデットと比較して劣後するため、投資リスクがデットリスクよりも高い。一方、デット融資は、投資回収方法が利息でかつ約定弁済により定期的に回収できる、回収順位もエクイティよりも優先されるため、投資リスクがエクイティ出資よりも低い。
エクイティ出資者とデット融資者が見るポイント
一般的にリスクに見合うリターンを要求するため、エクイティ出資者はリスクが高い分、高いリターンを要求する。また投資回収の原資が現時点の利益からではなく、将来発生する利益に基づく配当もしくはキャピタルゲインになるため、過去も実績ではなく将来の成長性に投資することになる。この点、デット融資者は、正に逆の現象が起こり、安定的なリターンを得る、過去の実績をベースに融資することになる点が大きく異なる。
エクイティとデットの性質からそれぞれ出資・融資者の重視するポイントが異なる。縦軸に『売上-利益』、横軸に『過去-将来』と取った場合、以下の図でまとめることができる。
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図で示す通り、デット融資者⇒過去・利益重視、エクイティ出資者⇒売上・将来重視の傾向にある。
ただし、昨今のマーケットでは赤字を垂れ流して売上を伸ばすことへの許容度が低くなってきている。エクイティ出資者にとっては将来の成長よりも現在の利益に軸足が移りつつある点に留意が必要。
エクイティ・デットファイナンスの基本戦略
エクイティファイナンス
エクイティファイナンスのピッチ資料作成や投資家への説明の仕方としては、いかに将来を語れるか、将来的に伸びる蓋然性を理解してもらうかが大事。なので、市場規模、成長戦略、経営陣、経営チームなど将来を作れる確度に訴求できるように重点をおく。
シード、アーリー、ミドル、レイターとステージが上がっていくことにより、将来より過去の財務数値やKPIを考慮する割合が増えていくので、ステージがレイターになればなるほど、過去実績の重要度が上がってくる。というのもレイターになればなるほど投資家はイグジットを意識してるためである。
なお各ステージにおけるバリュエーションや資金調達額は個々の企業において様々であるが、以下のサイトは参考になるので、添付しておく。
デットファイナンス
デットファイナンスの説明資料や説明の仕方としては、財務の安定性、黒字化の蓋然性、資金使途、返済原資など過去の数値に重点が置かれる。よって、これらの論点は銀行の審査で必ず論点となる内容であり、きちんとした説明が求められる(デットファイナンスの資料作成や説明の仕方の具体的な内容に関しては別途noteにて発信予定)
まとめ
エクイティとデットは、ファイナンスという大きな括りでは一緒であるが、見ている視点が違うので、資料の作成の仕方や訴求するポイントが異なる。
理想的にはそれぞれのファイナンスを行う時には、こういった特性をきちんと理解した上で説明資料も別々で作る必要があるし、説明の仕方も変えることが求められる。
スタートアップは、Jカーブを描いて赤字を拡大させながら売上を伸ばしていく企業が多いので、多くの企業が赤字の会社が多い。デットファイナンスにおいては黒字化をしているのとしていないのではファイナンスの難易度が圧倒的に異なるため、スタートアップ企業はエクイティファイナンスよりもデットファイナンスの方が難易度が高いと思慮する。よって赤字のスタートアップがデットファイナンスを行う場合、より力を入れることが大事。