敢えてAmazonを使わない買い方。外貨を稼いで地元で使う意味とは?
「外貨を稼いでくることが大事なんだ!」
「なるべく地元で消費しよう!」
・・・といわゆる「まちづくり」的な活動の現場で耳にするこれらのキーワード。
まさしくその通りだなと思うので、なぜそれが重要なのかを実体験をもとにちょっと自分なりに解説したいと思います。
もちろん正解は人によってさまざまなので、一例として「こんな考えもあるんだな」とカジュアルに読んでいただければありがたいです。
外貨を稼ぐとは?
ここでいう外貨とは「地域の外」からの収入という意味です。(紛らわしいのですが、ドルとか元とかユーロとかではない)
地元では当たり前にあるものが、実は外の人から見たら結構レアだったりします。
例えば今の季節だとセイコガニ(*メスのズワイガニの福井での呼び名)とかが分かりやすいですね。年々値上がりしておりますが、私のじいちゃんが若かりし頃は、漁で獲れすぎて食べきれないから田んぼの肥料にしてたそうです。
価値を感じてくれる人が気前よくお金を払っていただけるなら、そりゃあ・・・ありがたくいただいておいた方がいいですよね。(*高騰しすぎて地元の人が買えないじゃないか!という議論は一旦置いておきます)
すると、地元ではありふれたものを交換することで、対価としてお金が手元に入ってきます。
さて、ではそのお金でどんな買い方をしましょうか?
地元で消費するとは?
続いて今度は、お金を持っている人が「どう買うか(どこから買うか)?」という話になります。
これは、ここ1-2年の私の元で実際にあった出来事を例に解説した方が分かりやすいと思います。
2020年7月に、仕事で使うカメラやマイクを一気にグレードアップさせました。投資金額としては3-40万円ぐらいいっていると思います。Amazonでも買えますが、敢えて地元のお店を通じて購入しました。
またある時は、こんな高級オフィスチェアも地元のお店を通じて購入しました。
もちろん、清水の舞台から飛び降りるぐらいの勢いで買っています。
「高画質の写真が撮れるものが欲しい」
「快適にオフィスワークができる椅子が欲しい」
という要件を満たすことは最低ラインですが、地元で消費するとそこだけで終わらないんです。ここがめちゃくちゃ大事なんです。
Amazonでは発生しない「ありがとうループの連鎖反応」が起こる
地元のお店を通じて買い物を続けていると、次第にこんな風になっていきました。
お店の方のご家族にお会いした時に「その節はありがとう」と感謝される(ここまでは分かる)
↓
「いえいえ、地元でお金使うって大事だと思うんです」と何気なく伝える
↓
「今度うちでご飯でも」と夕食に招かれる(アザス!)
↓
奥様と料理の趣味が合うらしく、今まで知る由もなかったであろう極上の調味料を色々教えてもらう。(最高!)
↓
旦那様と音楽の趣味が合うらしく、気が付いたらサカナクションのライブを一緒に見る。(しかもスケールが半端ない!)
↓
そのうち仕事の相談を逆にいただいたりする。
・・・と、こんな展開が起こりました。
これ、Amazonで買い物してたらこうなりますか?絶対なりませんよね?
(*比較のために書いてますが、決してAmazon否定ではありませんのであしからず)
ありがとうループが複利で地域内に貯まる
僕が思うに「地元で消費しよう!」ってところの真髄はここなんじゃないかと思います。
でっかい大型ショッピングモールができて便利になるのももちろん良いのですが、それで一番得するのはその会社の株主です。
地元のお店は小さくて品揃えも少ないかもしれませんし、安くないかもしれませんが、小回りが効くしとにかくいろいろ相談に乗ってくれます。特に自分の専門外の分野だと何かと助けていただけます。
私の例は極端かもしれませんが買い物+αの嬉しい何かがしばしば起こります。
これを僕は「ありがとうループが貯まる・巡る」と表現しています。
これがあちらこちらで起これば、「このまちは何だか個性的なお店がたくさんあって、だいたいのものが揃うから、あれ?ここ結構楽しいかも」ってなります。
そんな狙いもあって、地元で地元を楽しむお祭りの企画に参加していたりもします。
便利なことはいいことだけど・・・
すごく個人的な感覚なんですが、都会に住んだり、海外旅行に何度か行くうちに「都会の景色ってどこも似たり寄ったりだな」と思ってしまったんです。
駅前に大型ショッピングモールがあって、中に入ると香水の匂いがして、賑やかな音が反響して・・・
もちろんそれらも便利です。めちゃくちゃ便利です。
一方で、「ありがとう」「どういたしまして」「次はこちらが」「えっ、いいんですか?」なんてやり取りがダイレクトに行き交う心の温かさ的なものはかなり少ないように思います。
皆さんはどう思うでしょうか?
そしてこれは何も買い物だけに限らず、投資や税金・保険・年金など「自分の手元から払ったお金」や「使った時間」についても同じことが言えるのではないかと思います。
使ったお金(ありがとうループ)がどう流れているのだろうか?と、買ったもの・支払ったものの対象物や、その周囲の人々の動きに注目してみると、また違った視点が得られるかもしれません。