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通る声を手に入れたい
私は、口蓋裂、顎変形症、反対咬合のため、明確な発音ができない状態です。
小学生の頃は、発音の不明瞭さをからかわれたり、物真似されたりしました。
特に、イジメ等は無かったのですが、何気ない一言でへこんでましたね。大人になってからは、発音をからかわれることはほとんどなくなりましたが、電話や職場の同僚との会話で、聞き返えされるたびに、軽く落ち込んでいました。
そんなある日、職場の飲み会の余興で、部下が私のモノマネをしました。始業ミーティングにおける私の発言のマネです。その時私は、アドリブで部下の隣に行き、同じセリフをしゃべりました。「本物だ~」「ご本人登場!」周りは盛り上がっています。
これはモノマネ番組でよくある演出パターンです。芸人がモノマネしていると、ご本人が登場するというやつです。今思うと我ながら良く機転が利いたなと感心します(笑)
しかし、家に帰ると何とも言えない気分になりましたね。コンプレックスを笑いに変えるのは良いんだけど・・・・
滑舌は諦めた
コンプレックスを改善するために、私は発声、滑舌のトレーニングに励んでいます。話し方教室にも通いました。あと、「外郎売」や「アエイウエオアオ・・」を毎日練習したりしました。
しかし一向に滑舌は改善されません。それもそのはず、先に述べたように私の口は正常な状態では無いのです。例えるなら、壊れた楽器で演奏している様なものです。
外科手術で顎、口腔内を正常な状態に近ずけるという方法も有りますが、私の場合上あごが小さく、歯茎も割れている為、修復はかなり困難です。
というわけで、滑舌は諦めました。
無理なものは無理(笑)
実際、滑舌が悪くても会話は出来ています。相手の人は、私の発音に不明瞭な所があっても、話の内容を察してくれます。意味が伝わらないときは聞き返してきます。
聞き返えされる主な原因は相手に声が通っていない為だと考えられます。で、滑舌を諦めた私は、何に取り組んだかというと「通る声」の習得です。
口は壊れた楽器状態(笑)ですが、声帯、呼吸器は正常です。以前、テレビで見たのですが、病気で声帯を無くした方が「食道発声法」という方法で声を取り戻そうと懸命に練習されていました。
私には声帯があります。声帯を無くされた方の努力に比べれば、私は恵まれていることに気付きました。
「通る声」といえば腹式呼吸による発声。腹式呼吸は、横隔膜を使って行う呼吸法です。胸ではなく、お腹を使って呼吸をすることで、より深い呼吸が可能になります。
鼻からゆっくりと息を吸い込みます。このとき、お腹が膨らみます。口からゆっくりと息を吐き出します。
腹式呼吸を意識しながら母音を発声します。短いフレーズを腹式呼吸で発声します。
腹式呼吸の練習を繰り返すうちに徐々にコツがつかめてきました。
横隔膜の動きをイメージしながら発声することにより、声が出やすくなりました。
だがしかし、実際に会話をすると、あいかわらず声が通らない。練習ではそれなりに声が出るのに、会話では声を出しずらい。
うーん、なんでだろう?
おそらく、無意識のうちに体が緊張していると思われます。
記憶の中にある過去のいやな経験を思い出して体が反応しているのでは・・・。
まあ、うまくいかなくても色々と試行錯誤して行動することで課題が浮き彫りになります。
これからも試行錯誤を繰り返し、去年の自分より良くなりたいですね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。