【2024 競馬】ホッコーメヴィウスの鞍上は誰になるのか?
2023年の暮れ、平沢健治騎手が12月31日をもって現役を引退することを発表しました。引退後は調教助手としてご活躍されるそうです。
中山大障害、マイネルレオーネへの騎乗がラストライドとなり、結果は7着でしたが、レース後は障害騎手の仲間やファンの歓声に見送られターフを去りました。
平沢騎手といえば年間10勝以上5回、年間複勝率4割以上が4回、重賞勝利が5回と数々の偉業で知られる剛腕ジョッキー。中でも2020年京都ジャンプステークスでタガノエスプレッソに騎乗し勝利、オジュウチョウサンの障害連勝記録を11で止めたことは各メディアで取り上げられるほど有名なエピソードとなっています。
ラストイヤーとなった今年の平沢騎手ですが年間9勝をあげる活躍。中でも、昨年重賞3勝をあげたものの今年は3連続掲示板外と絶不調だったホッコーメヴィウスに阪神ジャンプステークスにて乗り替わりで騎乗し、2着と健闘。さらに続く東京ハイジャンプでも2着に粘り、本来の強さを甦らせた騎乗は強く印象に残っています。ホッコーメヴィウスのこれからの相方は平沢騎手だと思わせるような走りでした。
そこで問題となるのが本記事の話題、平沢騎手が引退した2024年、ホッコーメヴィウスの鞍上は誰になるのか問題です。ホッコーメヴィウスとの相性や所属する清水厩舎との関係を元に個人的な予測を書いていきます。
どうも、23'阪神JSを現地観戦。ホッコーメヴィウスの単勝を握りしめ、最後ジューンベロシティに差され膝から崩れ落ちたnakaです。
まずは今年のホッコーメヴィウスが平沢騎手に乗り替わった流れを見ていきましょう。
・東京JS 9着 (黒岩)
・新潟JS 9着 (黒岩)
・小倉SJ 6着 (黒岩)
・阪神JS 2着 (平沢)
・東京HJ 2着 (平沢)
もともとは黒岩騎手が主戦で重賞3勝も全て黒岩騎手です。ただし今年はこのコンビで掲示板に載ることはなく、平沢騎手に乗り替わってから好走します。休養明けとなった東京JSでは明らかに不調で、逃げが得意戦法なのにハナをとれず9着。新潟JSでは調子を戻しハナを取りますが、フォッサマグナとの競り合いで過剰なペースとなり共倒れのような形に。小倉SJではその反省を踏まえ番手で控える競馬をしますが、コース取りが上手くいかずに6着。ここで16戦連続の騎乗だった黒岩騎手から平沢騎手に変更、阪神JS、東京HJで先頭を行くレースをし2戦連続2着。本来の戦い方を取り戻した。
…というのが今年のホッコーメヴィウスです。端から見れば黒岩騎手が干されたという形にも見えますが、黒岩騎手はイロゴトシの主戦でもあり重賞での騎手被りも予想されたので騎手の変更は不可避ではあったでしょう。
ホッコーメヴィウスは平地力や追い上げ力はあまりなく、飛越の良さで前残りを狙うタイプ。マイペースに走れるのがベストな馬です。同じく飛越に強みをもつ平沢騎手との相性は良かったと思えます。
こうした今年の流れや過去の鞍上、厩舎との関係、馬との相性などを踏まえ私の考える「2024年ホッコーメヴィウス鞍上ステークス」の予想印を発表したいと思います。
2024ホッコーメヴィウスの騎手 予想印
◎黒岩騎手
○難波騎手
▲小坂騎手
△小牧加騎手、小野寺騎手
☆水沼騎手
こんな感じです。基本的には騎乗経験のある黒岩騎手、難波騎手、小坂騎手から選ばれるとは思います。この予想にした理由を解説していきます。
◎黒岩悠 騎手
重賞3勝を共にした相棒。障害24戦中18戦を黒岩騎手が騎乗しており、
最もホッコーメヴィウスを知っている騎手といえるでしょう。
自然に考えると黒岩騎手への乗り戻りというのが堅実なところ。ただそう簡単にいくのであればこの記事は書いてません。今年、自らが騎乗した3戦で掲示板外。特に小倉SJでの騎乗はちぐはぐだったと思います。その矢先での騎手交代。阪神JSには黒岩騎手の他のお手馬は出走していなかったので(一応テン乗りでテイエムクロムシャに騎乗しましたが)陣営に黒岩騎手から交代させる、もうホッコーメヴィウスには乗せないという方針もあったのではないかと邪推してしまいます。
今年の黒岩騎手はイロゴトシで中山GJを制覇。初となるG1勝利を手にするという絶好調の春。その一方長年の相棒とそりが合わず鞍上を下ろされ、
9月17日の未勝利戦でプラチナドリームで勝利して以降3カ月、勝利どころか馬券内無しと一年での風向きの変化がもっとも激しい障害騎手だったと思います。もしメヴィウスに乗り戻るのであればそれをきっかけに24年は本調子を取り戻してほしいところ。
2011年からフリーの騎手ではありますが、ホッコーメヴィウスを管理する清水久詞調教師からは管理馬の調教を任されるなど強い信頼を得てました。特にキタサンブラックやトウケイヘイローは黒岩騎手の調教で成果を上げており、その縁でマイネルレオーネ等、清水厩舎の馬を任されたこともあります。メヴィウスもその一頭。そう簡単に縁が切れるものではないとは思いますが、逆にそうした繋がりがあるからこそ今後の方針についての話も既にされているかもしれません。その結果は次のメヴィウスの出走が決まるまでわかりませんが…。
ちなみにマイネルレオーネは障害デビューから16戦連続で黒岩騎手が騎乗してましたが、17戦目で平沢騎手に乗り替わってからは他様々な騎手に乗り替わっているものの黒岩騎手は一回も騎乗していません。主戦だった馬への乗り戻り無しという事例も実際にある模様。
○難波剛健 騎手
では仮に黒岩騎手が乗らないのであれば誰が乗るのか。私は対抗として挙げられるのは難波騎手ではないかと思います。難波騎手のお手馬には清水厩舎の馬も多く、エンデュミオンやビップランパン、さらにはマイネルレオーネにも京都JSで初騎乗。直前での怪我が無ければ同馬に大障害でも騎乗する予定でした。重賞レベルの馬であるマイネルレオーネにも乗せているという事例から清水師からの信頼は厚く、厩舎トップレベルの障害馬であるホッコーメヴィウスへの騎乗を依頼しても違和感はないでしょう。
難波騎手は2022年に年間10勝のキャリアハイ、2年連続での複勝率3割超えと好調。逃げ馬であるロードアクアでオープン2連勝、阪神SJ2着。と逃げの騎乗にも問題ありません。実はホッコーメヴィウスを未勝利から勝ち上げたのは難波騎手。未勝利3戦とOP1戦の4戦で騎乗経験があります。以上のことから難波騎手が主戦になる可能性はそれなりにあるのではないかと思います。
▲小坂忠士 騎手
ホッコーメヴィウスに障害戦で騎乗したことある騎手は4人で黒岩騎手、難波騎手、平沢騎手、最後の一人が小坂騎手です。勝ち上がったばかりのOP2戦目で9番人気5着というなんともいえない成績。このときは控えての競馬で、適正が分かったいまでは同じような騎乗はしないでしょう。
今年の小坂騎手はテーオーソクラテスで小倉SJを勝利するなどの活躍、しかしここでの落馬で長いこと戦線離脱。障害には27回しか騎乗していないというなんとも寂しい年となってしまいました。一方で少ない騎乗数に対して成績はかなり良く、障害における連対率は4割越えです。どうなってんだ。
定期的にマイネルレオーネにも乗っており厩舎との相性も良し。難波騎手に続く候補になるでしょう。
(さっきから名前を連発して申し訳ないレオーネの兄貴…。でも清水厩舎との相性を図るのに"マイネルレオーネへの騎乗経験"を尺度にするの便利なんだ…。)
△小牧加矢太 騎手
そのマイネルレオーネへの騎乗経験を基にすると4番手評価は小牧騎手。
現役では他に上野騎手も乗ってますが栗東所属の小牧騎手に乗ってもらうというのが自然ではないかと思います。また同じ馬主であるホッコーハナミチにも騎乗経験がありホッコー軍団への騎乗という点でも可能性あり。
今年初めはリーディングを独走する勢いのあった小牧騎手ですが減量が外れてからは勝利無しと苦戦傾向。とはいえ京都JSでアサクサゲンキを2着に持ってくるなど完全に迷走しているわけではありません。馬術出身というキャリアを生かした飛越力を武器にしているため同じく飛越で差をつけるメヴィウスとの相性は良さそう。もしコンビを組むなら面白そうです。
△小野寺祐太 騎手
10/28の新潟OPに出走したウィンドリッパー。未勝利2戦を騎乗し勝ち上がりも決めた平沢騎手が他馬に乗るということで騎乗を依頼されたのが小野寺騎手です。そしてテン乗りとなったこのレースで1着。ウィンドリッパーは清水厩舎であるため、「清水厩舎の馬で」「平沢騎手からの乗り替わりで」「勝利」という事例を作っています。小野寺騎手は2022年から栗東へ拠点を移しており、今年は阪神SJで初めて重賞を制覇、年間勝利数も過去最高というキャリアハイの年になりました。栗東への移籍や清水厩舎所属馬での勝利からホッコーメヴィウスへの騎乗を任される可能性はあります。ただ人馬の相性はまあ合わないでしょうね。
ホッコーメヴィウスはレース全体を通してマイペースに先頭を走りたいタイプ。競り合いや控えての競馬は得意ではありません。対して小野寺騎手はレース中盤に後方から一気に馬をもってくる闘魂注入タイプ。競り合いに強く、爆発力を持つ馬に対してはかなり効果がありますが、馬によっては委縮してしまうことも。直線勝負が苦手なメヴィウスとは組みずらそうです。騎乗の可能性は低そう。
☆水沼元輝 騎手
大穴は12月暮れに障害初勝利を挙げた水沼騎手。ネタのようですがあながち可能性が無いともいいきれない。12月17日の中山未勝利戦に出走したエンデュミオン。本来は難波騎手騎乗の予定でしたが前日の落馬により変更へ。代打として選ばれたのが水沼騎手で結果このレースが障害初勝利となりました。さて御多分に漏れずエンデュミオンは清水厩舎所属なわけですが、水沼騎手は美浦所属にもかかわらず清水厩舎の馬の前日スクーリングを手伝っていたようです。流石に障害1勝の若手騎手に重賞3勝を経験したことのある馬を乗せるのはあまりに荷が重いですが、当日、予定していた騎手が乗れなくなったという事態が発生した場合には選択肢には上がってくるでしょう
(実際、今年はそのような事例で水沼騎手が乗ることがありましたし)。減量騎手の騎乗はメヴィウスにとっては意外と好材料なのでは?と思います。まあ余程のことがない限り騎乗しないでしょうが…。
あとがき
以上が私の考える2024年のホッコーメヴィウスの鞍上ですが、最初書いた通り、上位3人の中から選ばれると思っています。もちろん何の裏付けもない予想なのでこれで全然違う人が乗ったとしても驚きはしません(流石に石神騎手や森騎手が乗ったら気が動転しますが)。今年は足踏みの期間が長く、重賞勝利をあげられなかったホッコーメヴィウス。来年こそは4つ目の優勝レイを手に入れてほしいものです。