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限りなく生に近いホルモン刺し!取材拒否の名店 「焼肉 山田屋」

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寺門ジモンの取材拒否の店でもおなじみ 三河島 「焼肉 山田屋」 本店

ここはかつて、テレビ番組「寺門ジモンの取材拒否の店」で、関東三大取材拒否のホルモン店として紹介された老舗の人気焼肉店。創業は1964年、JR三河島駅から少し奥へ歩いた住宅街に佇む、地元の人達に愛される焼肉店だ。

限りなく生に近い 「子袋刺し」

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この豚の子袋刺し(ボイル済み)を見てほしい。ほとんど生と言っても過言ではない。メニューには「ボイル済み」と書いてあるが、極限まで生に近い状態で処理されている。この店は鮮度にとことんこだわっていて、レバ刺し規制前の時代には、牛レバ刺し、チレ刺しなど、色々な生内臓刺しのメニューがあった。今では完全に絶滅したと言われる禁断のホルモン料理「セッキフェ(豚の胎児の刺身)」を扱っていた時代もあったとか。この話だけでも、この店がどれだけ新鮮で、どれだけホルモンにこだわっているか、はっきりとわかるだろう。

子袋の鮮度は極めて抜群で、臭みなど一切ない。コリコリ、シャキシャキとした歯ごたえで、貝のような旨味もある。食べていると、これが豚の内臓肉だということすら忘れてしまう魅惑の逸品だ。

禁断の生食感! 「牛ハツ刺し」

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牛ハツ刺しは、「塩味」か「タレ味」を選べる。これはネギ塩ごま油の「塩味」。この牛ハツ刺しも、ほとんど生の状態だ。やわらかく、なめらかで、甘く、とろりとした禁断の食感だ。

当たり前だが、世の中の「ホルモン刺し」は、ほとんどが低温調理。まんべんなく火が通っていたり、茹でたようなものが大半だが、この店は、本当に「刺し」という名がふさわしいくらい、限りなく生に近い。ここへ来たら、刺しメニューだけは絶対外せない。

忘れずに食べておきたい 「面脂焼」

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ひと通り肉刺しを楽しんだところで、焼き物も紹介しよう。ここの人気メニューは「面脂焼(顔の肉)」だ。他のホルモン屋でもあまり聞かないこの部位は、豚の顔の肉、ほっぺたの部分だ。見た目、脂っこい感じもするが、食べてみると意外と脂のしつこさはない。一緒についてくる「青唐辛子&お酢」で食べるのが山田屋流だ。

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この青唐辛子&お酢は、他の焼肉(塩味)にもベストマッチだ。メニューには、単品のスライス青唐辛子もあるので、卓上のお酢と合わせれば、いっぱい楽しめる。

こだわりの 「チレ脂」

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山田屋の肉メニューの中で、380円と最も安いのがこの「チレ脂」だ。チレとは、豚の脾臓(ひぞう)のこと。そこについている脂の部分が、このチレ脂だ。この店には、他に「チレ焼」という単体のチレもあるが、チレの中でもおいしいのが、この脂なのだ。それが本体よりもはるかに安いこの価格で食べられるとは大事件だ。もっと言うと、脂だけでなく、チレ本体の身の部分も、ちゃんとついているので、かなりお得でおいしい。

以前、店の人と話した際、このチレのこだわりを聞いた。ここのチレは、マシュマロのようにフワフワでやわらかい。通常、チレは、固いものが多いが、こちらの店では、特別にやわらかくて上質なものを、優先して仕入れているらしい。確かに、これまで私も沢山のチレを食べてきたが、これほどまでにやわらかくてクセの無いチレは見たことがない。ぜひとも塩で注文して、前述の「青唐辛子&お酢」で食べるのがオススメだ。

チレ(脾臓)とチレ脂って何だ?
脾臓(ひぞう)とは、どういう部位か。人間で言うと、食後、急に運動すると、横っ腹が痛くなることがあるが、その横っ腹が、この脾臓だ。チレ脂は、この脾臓にくっついている脂のことだが、元々は風呂敷のような大きな網状の脂。その「網脂」を切り取った残りが「チレ脂」として提供されている。網脂は、ハンバーグを包んだり、料理用としても使われている。

チレ脂(網脂)は人間にもあるぞ!
網脂は、なんと人間にもついている。「大網(だいもう)」と呼ばれるこの部位は、ほ乳類独自の器官。普段は胃の下部に隠れていて、内臓が炎症した時に、その場所に移動して包帯のようにやわらかく包んで保護してくれるのだ。自分のカラダでも気付かなかった!内臓の神秘!

必食!絶品! 「牛塩もつ煮込み」

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関東の煮込みと言えば、味噌で豚内臓というイメージだが、ここのもつ煮込みは、全て「牛」の内臓だ。タン・ハチノス・赤せん・モウチョウ・テッポウ・小腸の6種類の牛ホルモンが、やわらかくなるまでじっくり煮込まれている。ねっとりしたコラーゲンがすごい。もちろん新鮮なホルモンを使っているので、臭みなど一切ない。塩味なので、もつ本来の旨味が存分に活かされている。

青唐辛子のチューハイ 「青おに」

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この青唐辛子が刺さったチューハイは、脂っこいホルモンに良く合ってウマイ。甘くないプレーンのチューハイなので、ピリッと辛くて飲み口スッキリ。

最初のほうで、「セッキフェ(豚の胎児の刺身)」の話を書いたが、昔は過酷な肉体労働者が、マッコリをガブ飲みしながら、このセッキフェという豚の胎児の生食で、英気を養うという話もあった。肉を生食する際は、強い酒や唐辛子など、滅菌力の高いものと一緒に食べると良いらしい。この店で、何かと出番の多い青唐辛子だが、刺しメニューと一緒に書かれているのも、セッキフェ文化の名残だろうか?

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内臓肉にこだわる私のおすすめ注文スタイル

まず入店したら、ガスロースターに点火する前に、肉刺しメニューで一杯やってほしい。新鮮な肉刺しは、焼肉の片手間に食べるのではなく、冷たくて新鮮なうちに、その生肉だけに集中して、じっくりと味わってほしい。

焼き物の注文は後にして、まずはこの生肉を堪能しよう。ガスロースターの熱で、卓上の生肉の鮮度が落ちてしまわないように、点火する前に食べてほしい。

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子袋刺し・牛ハツ刺し・塩もつ煮込みが、私の王道のスターターだ。

私にとって、山田屋とは

私にとって、人生最高の肉刺し、史上最強のホルモン刺しは、この焼肉山田屋 本店だ。ホルモンも、塩もつ煮込みも、何もかもが素晴らしい。

ホルモン好きで、本当によかった。
そして、この感動が、多くの人に届きますように!

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