ギャンブルをやめよう（n回目）

司法試験が終わってからもパチンコパチスロを惰性で続けてきたが、もうそろそろいい加減に足を洗いたいと思う。

これは別にここ一週間で5万ちょいほど溶かしてしまっていることがきっかけではなく、純然たる決意、あるいは意思能力のある権利主体である人間の意思決定としてやめるのである。決して負けが込んできて気分が悪くなっているからではない。

考えてみれば、司法試験という現実から目を背けるためにすっかり腰ぐらいまで沼に使ったパチスロであるが、司法試験がひと段落した今もはやハンドルを捻って、レバーとボタンを押すだけのくだらない遊戯にバイト代の大半を溶かしているのかと言われれば、これはもっぱら惰性と冒険心からくるものであって、そんなものはもうそろそろ見切りをつけなければならないだろう。

あとはシンプルに新台もあんまり面白くない。この一年間で自分のYouTubeのおすすめ動画はスロパチステーションや、7th TVなどの実践動画で汚染され切ってしまったが、別に新台で面白そうなものもないし、これも惰性でしか見ていない。

やめよう。

結局パチスロ等をやめれない理由としては、ギャンブル中毒で頭の細胞がどうたらこうたらとかいうのもあるのだろうが、一番大きい点はその「身近さ」だと思う。今日日、中央線沿線を見れば、駅周辺にパチスロ店がないのは国立駅くらいで他はどこで降りても必ず一店舗はある。

ダイエットが難しいのがコンビニやファストフード店が日本中のあらゆるところにあって、ふとした心の隙に立ち寄って買い食いしてしまうように、別にしばらくパチスロ店に行かないでいられていてもふと目についたタイミングでフラッと立ち寄ってしまうのはダイエットが続かないそれと感覚的にはよく似ている。

ローの異性の友人に「ギャンブルとタバコやめればすぐ彼女できそう〜」とか言われたことが、なぜだか妙に頭に残っている。

別に対して愛着があるわけでもないが、今の俺からパチスロを取ったら俺は何をするのだろうか。本来ならば彼氏彼女というべき関係を作ってその相手と旅行の計画などを立てたりするべきなんだろう。

世間は3連休の最後の日で、北斗の拳を打ちながらインスタグラムを見ていたら、同じ高校の男女グループ4名がどこかへ旅行している動画が流れてきた。俺はこの手の人間が本当に理解できない。彼氏彼女でもない関係のいい歳をした男女2人のペア二組で旅行をして果たして楽しいのだろうか。いや、彼らは楽しいのだろうが、少なくとも俺は楽しめないだろうな。

それから女の子の理解できないものとして、ネイルとかがそうだ。遠い昔に付き合っていた子もネイルをよくする子であったが、何が良いのか俺には全く理解できなかった。

だが少なくとも、俺はネイルする意味がわからんとか、いまだに高校の仲良し男女グループでする旅行がなんかキモいということは言ったことはない。めっちゃ言いたい。くっそバカにして自己満足を図りたい。けど我慢している。それは相手が好んで選択しているコンテンツをあえて否定することは、相手の趣味嗜好、究極的に言えば人格的生存を否定することになるからだ。

本当は、飯のたびに彼女に飯の写真送っているような男も、別に大した見た目でもないくせに数日おきにしか返信をよこさないような女も、メンズメイクがどうたらこうたらいう男も、ラインのプロフィールに自分のMBTI載せてるような女も、全部叩いてバカにして回りたいと思っている。

でもそれを俺はしないし、してはならないと思っている。

だが、世間はそうじゃない。俺はこんなにも相手のことを慮って生きているのに、目の前の人間は俺の「好み」を簡単に否定してくる。

確かにパチスロは人から好まれるような趣味でもないが、簡単に否定されたくはない。
お前がどんなにアホ面の彼氏と付き合おうが、顔がいいだけの頭の悪い女を彼女にしようが俺は何も言わないから、彼氏彼女がいるとか俺に彼女ができないとかで簡単に俺の人格的生存までを否定しないでくれ。

パチスロやめたら何しようかな。

以上