あの人と私が出会ったおはなし#6
いつも、出ようと思う時間に家を出発できない。その日もいつもと同様に予定より出発が遅れた。女子あるあるかもしれないが、直前に何を着たらいいのかすごい迷ってしまうのだ。
誰かに会うわけじゃないし、目的は試験に合格することだ。地味でいい。その日はグレイのミニスカートにベージュの長そでにぺったんこの靴を履いて出発した。
高田馬場から山手線内回りに乗り、品川駅乗り換えで目的地鮫洲へ向かう。一時間はかからない。乗車時間は50分くらい。
初めての鮫洲駅に降り立って、方向を確認した。まっすく警察署へ向かおうとしたが駅のそばにあった行政書士の事務所の人に声をかけられた。
免許取得が初めての私は、ここで一度書類上の処理をしてもらわないといけないのかな?と勘違いし、事務所へ入った。
事務所にはすでに自分のように免許取得?のために来ている人が4人くらい椅子に座って待っていた。
「ああ、ここで待っていればいいのかあ。」と安心した。事務所の人は待っている間、模擬試験を配ってくれた。問題だったのは一生懸命問題を解いている際にものすごい声をかけてきて問題に集中できないということ。
全く関係ないけれど、事務所のおじさんは鳥の巣みたいなヘアスタイルだったきがする。
だんだん人数が減ってきた。残りは私ともう一人男性が待たされていた。こんな時、気まずくならないように一応声をかけて少しだけコミュニケーションをとっておくという私のルールが発動した。
つづく。