一つの会社で長く働くということ
今回は何か自分の中で結論があるわけではありません。思ったことをツラツラと書いてみたくなりました。先に言っておけば説明なので(笑)
40年同じ会社で勤務し続けた先輩
実は独立するまで勤めていた会社の先輩が、今回正式に雇用関係を終了するということになりました。
先週末、この先輩と元上司、私の三人で「お疲れ様会」の食事に行ってきました。
40年勤務し続けた方です。実はこの会社には他にも40年以上勤務している方が4~5人います。
40年前と言えば、私は高校生でした。そんなころからこの会社に勤務し続けているというのが素直な驚きです。この会社は途中で民事再生も経験して再出発したこともありました。辞めようと思えば辞められたはずです。
どうしても聞いてみたくなり素直に質問しました。
私:「どうして40年も続けられたの?そんなにここが好きだった?」
先輩:「好きというわけじゃない。でも・・・嫌いじゃなかった」
う~ん、嫌いじゃなかったという言葉に素直に共感しました。私も嫌いでこの会社を辞めたわけではなかったので。
民事再生の時も、潰れたとはいえ仕事は目の前にたくさんあって、それをこなすことに精一杯で自分のことを考えている時間はなかったそうです。現場の人たちへやってあげないといけないことがたくさんあったそうです。
信用を積み重ねた結果
他のベテランの方もみなさん同じことを言われるのですが、60歳になったら仕事から離れて今度は何をしようかと漠然と考えていたそうです。
しかし世の中が変化してきて、60歳を過ぎても「働く」という選択肢が出てきました。そして「働くを選択した結果」が今なのだそうです。40年働こうと思ってやっていたわけではない、ということです。
この先輩が他に言っていたことは、
60歳以降の働き方はいろいろと希望を聞いてもらえたし、いろいろな仕事をさせてもらった。たくさんの経験ができた。いい人が周りにたくさんいたし・・・ということでした。
ここまで聞いて、おそらくですが・・・先ほどの民事再生の時もそうですが、この先輩は自分のことは脇に置いて、目の前の人たちに対してどうするかが先だったように思います。そういう働き方が「信用」を積み重ねていったのではないかと思いました。
だから「この人は信用できる。だから大丈夫」と思われて、働き方も本人の希望を取り入れることに抵抗はなかったのだと思います。
正解はないけれど・・・
今の時代は「個」の時代と言われて、一つの会社で長く働くことが必ずしも良いということではありません。
ネットでいろいろと検索してみましたが、出てくるのは「メリット・デメリット」の比較でした。ちょっと腹落ちしません。要はどっちが得か損かということだと思いました。(そういうことじゃない!)
長く働くことも、転職してキャリアアップを目指すのも、結局は本人が幸せかどうかなのだと思います。
もちろん会社にぶらさがる働き方は論外ですが、長く働くことで
「信用という名の貯金」ができて、結果としてその人の仕事人生が幸せになれば良いと思います。
長く勤めていない私が言っても説得力ありませんが(笑)
そして価値観が多様になっている現代ですから、全ての人に好かれる会社になるのは難しいかもしれませんが、「嫌いじゃない会社」は目指してみてもいいのかもと思いました。
この先輩、ご家庭の事情もあり退職ということになりましたが、実はもう少しの期間だけ空いている時間に「業務委託」という形で自宅で仕事をしてもらうことになっています。
先輩は「外部の人間にこんなことさせて、この会社大丈夫???」と言っています。
大丈夫!!信用していますから!(笑)