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組織がつまづいた時に起きていること③

日野自動車の報告書からの備忘録3回目です。今回がラストです。

業務をマネジメントする仕組みが軽視されていた

どういういことかと言うと、
・企業規模の割に社内規程やマニュアルの整備が進んでいない
・データーの保管やそのルールが不十分

なので、
・判断権限者が不明確だったり、意思決定プロセスが検証できない
・適切な権限分配がされていない
ということが起こり、各部門の役割を決める時に業務内容や目的が十分に検討されず必要なチェック機能が働かない組織になっていた。ということでした。

なるほど、だから前々回前回に書いたようなことが起こっていたのですね。

人がいるから仕組みが必要

私のように一人で仕事をしている場合は、自分の好きなようにやっても誰にも迷惑はかけません。しかし大多数の人は会社に属して大勢の人たちと仕事をしていると思います。
自分と人は違うのでそこにはどうしても「ルール(仕組み)」が必要です。

日野自動車も大きな会社ですから、車が好きな優秀な人たちが集まってきていたはずです。
そんな優秀な人材をどういうふうに活躍してもらうのか、どんなふうに働いてもらったら成果があげられるのか、会社としての仕組み(ルール)がなかったのだと思います。そうなると自分たちの周りの社員だけで仕事をするようになり、内向きな社風ができあがってきたのだろうと想像しました。

大事なのは変えていくこと

マニュアルなどは恐らくあったと思います。ルールもあったのだろうと思うのですが、しかしマニュアルやルールは時代の変化に合わせて変えていかなければかえって生産性を落とすことがあります。

なぜこんなことをしなければいけないのか?
この仕事をやっても無駄なんなじゃないか?
これがなければもっと他にできることあるのに・・・

なんていうことありませんか?
日野自動車だけでなく、一度作ったルールや仕組みをそのままにして見直していない会社は多いような気がします。過去にOKが出ているものを言われた通りにやっていれば責められることはありません。疑問を感じていてもそのままやり続けるケースが多いのではないでしょうか。

変えられないのは否定されたという感情

私も以前に一生懸命やってきたことを、若手に意味がないのではないかと言われたことがあります。
意味がないと言われると自分を否定されたような気になります。そうすると相手の言っていることが入ってこなくなり、相手そのものを受け入れられなくなります。年長者であることをいいことに若手の言っていることに耳を貸そうとしなくなることがあります。こういう昭和世代は多いように思います。

しかし冷静に考えてみると私が以前に一生懸命やってきたことは、「その時」は機能していたのですが、このコロナ禍では実行することが難しく無理にこじつけてやることに意味をなさなくなっています。
そう考えると「何のために」やっているのかを見つめ直し、その目的のために新しいルール(仕組み)を考える必要があるのです。それが若手の言っていることが正しいのであればやってみれば良いと思います。


仕組みを考えて動いてみる。それが人材育成

ルールや仕組みは何も上の人だとか偉い人が作る必要はないと思います。そこにいる人たちがどういうルールなら動けるのか、みんなで考えれば良いのです。自分たちで考えたルールで動かすと決めたのなら、もうそれは自分ごとです。こうやって自立型人材は育てる(育っていく?)のだと思います。

私が普段、チーム作りの研修をやってその中で体感ゲームをやってもらうのですが、うまくいってもいかなくても振返りをしてもらいます。
その中で必ずと言っていいほど出てくる言葉が
「どうやってやるかルールを決めればよかった」
「役割を決めて分担すればよかった」 等々

色々な人が集まって何かをやろうとしたとき、うまく動くためには必ず
ルール(仕組み)が必要です。

そのルールを使ってどういうコミュニケーションを取っていくのか考えていくことでチームは成長します。

これがチームビルディングで
人材力×組織力(仕組み・ルール)×関係力(コミュニケーション)
このループを回していくことが成果を出していくためには必要なのです。

今回、日野自動車の報告書から学べることを書いてきましたが、こういう問題に気がつかないうちに直面している組織はたくさんあると思っています。
これからもチームビルディングで成果を出せるチームづくりを伝えていこうと思います。

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