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採用と定着・・・中小企業の歩む道

ここのところ中途入社される方の手続や説明、新卒内定者との関わりについて相談されることが続きました。
そんな中、先日気になるネットニュースを見つけて感じたことがあり書いてみたくなりました。

採用活動の今昔

実は私自身が最初に採用活動をやることになったのは35年前です。いつの時代だよ!とツッコミが入りそうですが、ここで学んだことは今の時代にも通用すると思っています。

もちろん、35年前はインターネットなんてありませんでしたから「やり方」は違います。しかし、中小企業が採用活動で成果を上げるポイントはあって

  1. 社長との距離の近さを出す。社長には説明会にも参加してもらって学生を前に自身の考えをしっかり話してもらい、学生からの率直な質問に社長の言葉で返してもらう。

  2. そこでどんな人が働いているか見せる。説明会には人事担当者だけではなく少し上の先輩にあたる社員を参加させます。各部の仕事内容などは社員に説明してもらい、仕事の楽しさ・辛さも話してもらう。

  3. 学生の事前の個別質問は個別にすべて返す。今はサイトなどで気軽に質問を書き込んでもらうことができます。それに対してすべて返信をしていました。これは「あなたのことを見ています」というサインです。これは大手にはできないことです。(35年前は個別に手書きで手紙を出していました(笑))

  4. 学生に媚びない。学生の中には少々上から目線で質問を投げかけてくる人もいます。そんな時も学生には媚びずに会社の考え方をしっかり伝え、あなたの考え方ですと当社では活躍できないと思うので他に行かれた方がいいですよと伝えていました。意外とこれが効果的で、逆に興味を持って説明会に参加するというケースが多かったです。

  5. 合格、不合格の結果はどうであれ最短・最速で相手に伝える。不合格の場合もサイレントはしません。次のステップに早く進めるように結果はお伝えしています。合格をお伝えしてもこちらがフラれることもあります。その場合も今後の検討とエールを送ります。

振返ってみるとこういうポイントを抑えて活動していくとある程度の成果はいつも出すことができました。

採用だけではなく、その先の定着の難しさ

もちろん、採用だけで終わりではなくその後定着してもらわないと会社はやっていけません。そんな中、先日あるネット記事を読みました。

新卒社員が3年以内に退職する割合、俗に言う「七五三現象」というのは昔からあり、これは時代が進んでもあまり変わっていません。
ここで気になったのは「10年以内に退職する」割合が半数を超えているということです。

これまで20代、30代の若手と関わってきて、確かに5年、10年経過するうちに自分の未来を考えることができるようになります。そうなった時に、この会社にいて自分の創造する未来の姿は実現できるのか?と考えた時、答えがNOであるなら違う道を選択している姿に多く接してきました。

いろいろな選択肢が世の中にある中で、一人一人の望むステージを一中小企業がすべて用意してあげることは不可能です。正直、これは仕方ないことだと思うようになりました。

それでもやらなければいけないこと

若い人材が転職していくことは仕方ないことなのですが、だからと言って何もしなくていいということではありません。
一人一人の希望には添えないかもしれませんが、

・この会社で経験を積むとどういうキャリアを歩めるのか?
・この先のビジネスでどんな力を発揮してもらいたいのか?
・どういう人材に活躍してほしいと考えているのか?
・会社はどんな機会(チャンス)を用意しているのか?

要するに会社の「人材ビジョン」を示すことです。
社員にとって一番困るのはこの会社にいたらどうなるのか?が見えないことです。

人材ビジョンが見えたら、自分はどうなりたいのか?を考えることができます。その上で、このビジョンは自分の望んでいる方向ではないと判断し、新たなチャレンジをしたいということなら、応援してあげれば良いと思います。

中小企業と言えども、どんな人材を求めているのか?
現在だけではなく、将来に向かって理想の姿を示すことが会社の責務だと考えています。
社員の離職に一喜一憂せず、会社のビジョンに共感してくれる人材が集まってくるようにがんばっていきましょう!


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