ベナンでSNS税が導入されて3日で撤回されたお話
どうも、アフリカ系男子のナイケルです。
《全文無料公開&随時情報更新中(9/22最終)》
ベナンに携わりだしてから、はや3年が経とうとしておりますが、その中で一番衝撃的な状況が今起こっています。
と言いましても、別になにか命の危険に関わることではありませんので、危機的ではなく衝撃的です。特にぼくは現在、会社を経営しているわけですが、ビジネスパーソンとしてはかなり大変であります。
最新情報は最後に載っております!なんとこれまでの騒動が白紙に戻りそうです(笑)
SNS税が導入された
SNS税は、日本人からすると全く聞き覚えのない税だと思います。
いち早く東アフリカのウガンダやザンビアで導入されているSNS税。主にFacebook、Twitter、skype、そしてアフリカ人にとってのLINE的な役割を担うWhatsAppなどもこれに該当します。
アフリカ各国のSNS税の条件
ウガンダは、1日1ドル未満をSNS使用料として、さらにモバイルマネーを使うごとに1%が徴収されます。
ザンビアは、インターネット通話利用につき0.03ドルが1日ごとに徴収されます。
ベナンは、SNSの利用1MBにつき1円くらい、そしてテキスト通信や電話でも5%が徴収されます。
これを読むと、ケニアもこのSNS税導入を進めているようです。
ベナンの現状は大混乱
一応、調べてみると「ベナンの大統領がSNS税を導入する」的な記事は見つかりましたが、ベナンのニュースを結構頻繁にチェックしている人たちに確認しても、「いつ導入されるか」などを明確に知っていた人はぼくの周りにはいませんでした。
そして、昨日9月19日に突然そのSNS税が導入されました。
しかし、通信会社もその自体に対応しきれておらず、サーバーエラーが起こりました。すでに使い放題などで契約をしていた人たちを除いて、ほとんどの人たちがインターネットに繋げない自体が起こりました。
大手通信会社に確認しにいきますと、たくさんの人たちが行列を作っており、やっとのことでスタッフと会話ができたと思ったら、「私たちもよく分かっていない」ということで、新しいネット契約もできない状況でした。
明けて今日20日。
ようやく新プランが発表されましたが、これが衝撃的でした。
2GBで3000円
SNS有の使い放題消滅
という、ネットを使って仕事をしている身としては絶望的なネット環境になってしまいました(笑)通信会社の周りには、ビジネスマンと思われる人たちが「ありえない!ありえない!!」と叫びまくっていました。
ベナンのネット契約事情(9/21現在)
ベナンに在住の方は、この情報を参考にされてください。最大手通信会社MTNの最新契約条件です。
24時間契約SNS有
5 Mo 100 FCFA
10 Mo 150 FCFA
15 Mo 200 FCFA
25 Mo 300 FCFA
50 Mo 500 FCFA
24時間契約SNS無
30 Mo 100 FCFA
60 Mo 150 FCFA
100 Mo 200 FCFA
200 Mo 300 FCFA
500 Mo 500 FCFA
7日間契約SNS有
100 Mo 1000 FCFA
230 Mo 2.000 FCFA
7日間契約SNS無
1500 Mo 1000 FCFA
3500 Mo 2000 FCFA
30日間契約SNS有
1500 Mo 2.000 FCFA
5000 Mo 2.500 FCFA
7000 Mo 5.000 FCFA
30日間契約SNS有
150 Mo 1.500 FCFA
275 Mo 2.500 FCFA
600 Mo 5.000 FCFA
2000 Mo 15.000 FCFA
使い放題もSNSは使えませんが復活しました。
15.000、25.000、45.000 FCFAと以前までの料金形態と変わりませんが、SNSが使えないのと、サイト上で開示されている速度規制の条件が全然違うという謎の状況になっています。
例:25.000 FCFAは25GBまで高速回線、それ以降は512kbpsになるとサイトでは書いてあるのに、契約すると7.5GBまで高速回線、それ以降は256kbpsと表示される。うーむ。
SNSを使いたかったらVPNを使うしかない
現在の料金プランで普通にSNSを使っていたら、いくらあっても足りません。SNSを使うにはVPNという別の国を経由して接続する方法を使う他ありません。
VPNに関してはGoogle先生に聞いていただいて、無料のも有料のもありますので、ご自身で良いものを探していただくといいかと思います。いずれにしても、このやり方で対応する人は一部かと思うので、ベナンでのSNS利用は大幅に減ってしまうのではないかと思います。
SNS税の目的は大きく二つ
なんでこんな大混乱を起こしてでも、SNS税を導入したかというと、理由が二つあると言われています。
「税収を上げたい」「ネットゴシップの規制」
税収を上げたいは説明は不要ですよね。ネットゴシップの規制については、近年アフリカでもSNSを使った大統領や政治家の誹謗中傷が増加しています。
彼らはこういった誹謗中傷を脅威と感じており(アラブの春などの例もある)、なんとか規制したいと考えていた矢先に、このSNS税というある種一石二鳥な案が生まれて、ウガンダ、ザンビア、そしてベナンが真っ先に導入を試みたようです。
SNS税に反対な理由
ぼくはこの自体に、単純に困っているというだけではなく反対の姿勢です。
なぜならば、SNSは国にとってマイナス効果よりもプラス効果があると思っています。ビジネス面でも最近はFacebookページやWhatsAppを使ったマーケティングもありますし、そもそもビジネスコミュニケーションもSNSでやっています。
ここに規制をかけてしまう、政府がそれを率先しているというイメージも含めて、ベナンにいる優秀なビジネスマンたちが他国に出て行ってしまう可能性もあると思っています。
ベナン政府が「やっぱり辞めた!」宣言
なんと、9月22日のお昼にまさかの情報更新が!
こちらベナン政府公式Twitterでの発表ですので、間違いは無さそうですが、あれだけの大混乱が起きたからか、緊急MTGを開いて撤回することを決めたようです。
ぼくは昨日から新しい契約でネットを使っています。SNSには規制がかかっているので、VPN接続を介してSNSにアクセスしていますが、撤回宣言がされた現在22日19時時点でもまだ通常ではFacebookやWhatsAppは使えない状態です。
このスピード感を良いことに活かせれば最強
普通に解説すると、ベナン政府の政策のグダグダさを露呈しまくったという着地になってしまいますが、敢えてここはプラス評価したいと思います。
国民の大混乱を感じ取り、決してすぐに暴動とかには繋がらないような雰囲気でしたが、緊急MTGをして撤回を決断したのは良い動きだった言っていいでしょう。
このスピード感を、例えば新テクノロジーの導入だったり、自国産業を伸ばす為だったりに適応することができたら、この国のポテンシャルがもっともっと高まっていくと思いました。
もともと大統領のパトリス・タロンは起業家で大成功したビジネスパーソンですから、スピード感の大切さは熟知しているはずです。
頑張れベナン!ぼくも頑張る!
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