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【読書録】優等生は名探偵に向かない ホーリー・ジャクソン

あらすじ

友人の兄ジェイミーが失踪し、高校生のピップは調査を依頼される。警察は事件性がないとして取り合ってくれず、ピップは仕方なく関係者にインタビューをはじめる。SNSのメッセージや写真などを追っていくことで明らかになっていく、失踪当日のジェイミーの行動。ピップの類い稀な推理で、単純に思えた事件の恐るべき真相が明らかに……。『自由研究には向かない殺人』待望の続編。この衝撃の結末を、どうか見逃さないでください!


感想

 前作の「自由研究には向かない殺人」は私が海外ミステリに興味を持つキッカケとなった作品でした。このシリーズの魅力は主人公が田舎のティーンエージャーであり、様々な葛藤を乗り越えながら謎を解いていく点にあると思います。推理のための情報収集がひとつずつ描写されており、その方法も若者ならではのSNSを駆使したものです。少しだけ自分でもできるのではないかと思わせてくれるほど現実的な手段で謎を解いていきます。

 本作は前作の続編というか第2部といって良いくらい、近い時系列で展開されていくので、まずは「自由研究には向かない殺人」を読むことをお勧めします!事件自体は本作の中で理解できますが、主人公のピップの葛藤と成長がこのシリーズの大きな魅力なので、是非そこを楽しんでほしいです!!

 国内作品でティーンエージャーが主人公のミステリというと米澤穂信先生の作品たちが思い浮かびますが、米澤先生の青春ミステリは基本的に日常の謎なのでそこがこのシリーズと一線を画しているかと思います。十代の多感な時期に殺人事件を独自に調査し、そしてそれを解決してしまう。それまでの苦悩と周りの人たちとの関わりがかなりリアリティがあります。この感じは米澤先生をはじめほかの国内ミステリでは描かれていないと思います。

 そしてついに来週シリーズ完結編の「卒業生には向かない真実」が発売されます!!今読み始めた作品も海外のものなので、しばらくは海外作品にどっぷりつかることになりそうです!!


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