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お悩み相談その005「二重人格を演じるようになって追い詰められた友人」

本日の相談

 本日のお悩みはこちらです。

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 友達が二重人格を演じるようになって最終的に詰みました。

 大学のサークルで学園祭の出店の打ち合わせをしていたのですが、会計担当のAが桁間違いをして10万円近い不足が出ました。一言謝ってくれれば私達も許せたのですが、Aはうつむいて黙っていました。そこでつい皆でAを責めてしまったのが過ちの始まりでした。
 Aはようやく口を開きました。「おや?君達はAの友人かな?初めまして、私の名はラプラス」「空気が重いね。Aのやつ何かしたのかな。厄介なタイミングで入れ替わってしまったようだ」まさかの二重人格で押し通す作戦です。
 「普段はAが主人格だがたまに私が出てくるんだ。Aの代わりに謝るよ。どうか奴を許してやってくれ」別人格を演じるAに誰も何も言えなくなって、それ以上責める者はいなくなりました。めちゃくちゃ力技ですがAの狙い通りです。

 しかしそうなると意地悪をする人が現れるのが世の常です。サークルの後輩にひろゆきの影響を受けている子がいて、その子がAに突っ込みを入れるようになりました。「先輩。あれからラプラスさんは出てこないんすか?」「本物の二重人格なら定期的に別人格と入れ替わるらしいっすよ」「あれ以降一度も人格が入れ替わらないのっておかしくないっすか?」
 Aも引っ込みがつかなくなったのか、週一でラプラスの人格が出て来る設定を作って、金曜午後はラプラスの日になりました。二重人格を演じるのは想像以上に辛いらしく、金曜はもう午前中からかなり憂鬱そうでした。

「おや君達。息災かな?一週間ぶりだね」ぶっちゃけラプラスのスナフキンっぽいキャラ設定も失敗の一つだったと思います。完全に初動ミスです。キャラを演じるのに耐えきれなくなったのか、金曜日は自主休講するようになって単位を落としてしまいました。身を守るために生み出したはずのラプラスがAを追い詰めていきます。

 そして最悪の事態が訪れました。Aが所属する研究室の決まりで、金曜午後にAが学会で発表する事になったんです。その学会にはサークルのメンバーも何人か参加します。いよいよAは追い詰められました。

 迎えた当日。偉い先生方に大勢の学生、事情を知る我々、なぜか関係ないはずのひろゆきも見学に来てました。まさか偉い先生方もいる中で二重人格設定を貫くのか?他人事のはずなのになぜか私までめちゃめちゃ緊張していました。学会は順調に進んでいき、ついにAの発表の番です。

 ラプラスは出現しませんでした。素のAが普通にプレゼンしてました。壇上に立つAは私達の方を一切見ませんでした。ひろゆきが終始ニヤニヤしていたのが印象的でした。学会が終わったAにひろゆきが声をかけようと近づいていくと、Aはものすごい速度で帰り支度をして出ていき、それ以来Aを大学で見かけることはありませんでした。


 最初に会計で失敗した時に謝らなかったAも悪いと思いますが、追い込んで後に引けなくしてしまった私達にも非があると思います。かと言って「もう二重人格を演じなくてもいいんだよ」と言ってもAのプライドを傷つけるだけでしょう。
 こういう時ってどうするのが正解なのでしょうか?Aの顔を立てながら円満に二重人格設定をやめさせる方法を教えてください。

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今回の三行アドバイス

 振り上げた拳の下ろしどころを作ってあげてください。
 嘘でもいいので「二重人格は良く寝ると治るらしいよ」等の逃げ道を提示して、言うとおりにしたら治ったという口実を用意してあげると円満に解決するかもしれません。

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