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今夜ここで。
「あとどれくらい?」
「あと少しだよ」
震えながら尋ねた問いに帰ってきた返事がそれだった。
もう足が冷えて痛くなってきたけど、
あと少し歩いてみようか。そう思ってまた一歩踏み出した。
「まだ?」
「あとちょっと」
どうなっているんだろう。
ここまで来たらもう引き返す訳にもいかない。
寒い、なんて寒さだろうか。
「もうイヤよ!」
「もうそこだよ」
こんなに震えて歯がカチカチ言っているのが聞こえるはずなのに、そんな事にはお構いなしに先に案内されていく。
「ウソなんでしょ!」
「ウソじゃないよ」
ああ寒い!
なんでこの人の言う事を信じてしまったのかしら
もう、もう限界だ。
「もう...」
「着いたよ」
「えっ」
灯りを点けると扉を開けて
「どうぞ」
と、なかに案内された。
その
明るい部屋の中には
ぽつんと
トイレがあった。
夜中にトイレに行く時は
こんな妄想して遊んだりしてます(笑)
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