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懸想文とお餅とさだまさしのいい関係(2月2日木)

1年のうち2月2日と3日しか販売されていない「懸想餅」。
「本家西尾八ツ橋」で売っている。このお店は「懸想文売り」が出現する須賀神社の近くにあり、恋愛成就のお守り「懸想文」にちなんだお餅をこしらえている。

ケソウブミ、謎の言葉だった。
1979(昭和54)年、さだまさしのアルバム「夢供養」が発売され、
私もLPレコードを買った。
その中の一曲「まほろば」という歌に「ケソウブミ」という歌詞が出てくる。「恋文」とは歌わず「懸想文」、まっさんらしい。
そもそも「まほろば」は『万葉集』の歌2首をモチーフに男女のすれ違いを歌っていて、歌詞もメロディーも重々しく、17歳当時の私には難し過ぎた。(今でも難しいと思う)

それでも、ケソウブミという怪しげで高貴なイメージの言葉は、ずっと頭に残っていた。
節分に「懸想餅」が売られることを『京都手帖2021』で60歳にして初めて知って、これはぜひ食べたいと、買いに行くことにする。

ちょうど納品の日。納品が終われば私のぶらぶら自由時間。
須賀神社まで足を延ばした。
境内には「懸想文売り」に扮した覆面姿の人が立っていて、懸想文を売っている。「この文を求めて鏡台や箪笥の引き出しに人に知られないように入れておくと、顔かたちが良くなり着物がふえて良縁があると言はれております」ということらしい。

ポスターです

良縁は、一応、既にいただいたので、神社の雰囲気だけ味わって、
さて「懸想餅」。白餡とうぐいす餡の2種類、やわらかさを残しつつ、しっかりした噛みごたえのあるお餅。
『万葉集』の世界をちょっとだけ感じて、季節の食べ物をいただきました。

味のある包装紙

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