竹工芸家・田辺竹雲斎の作品展(12月19日木)
田辺竹雲斎「伝統と挑戦-初代竹雲斎から四代竹雲斎の世界-」展を鑑賞してきた。
四代目の方は2017年に襲名されて、アメリカ、イギリス、フランスなどでも展覧会をされている。
手に取れる籠のような工芸品だけではなく、大きなインスタレーションやオブジェ作品も創作されていて、今回はその両方の作品が見られる。竹という素材からいろいろなものが生み出されるということを見せてもらった。竹籠は、うちにもあるから身近なもの。そこから発展して、多様な、大きな作品になる。作家さんの竹への愛情でしょうか。
展示されていたのは「アートスペース福寿園」というギャラリー。
福寿園といえばお茶屋さん。
ギャラリーにおられた若い女性のスタッフさんが「一代目から四代目までの作品を並べています」と説明してくれて、「お時間あったら、お茶どうぞ。福寿園のお茶をお入れします」と声かけてくれた。はい、いただきます。
バックヤードで用意をしてくれているらしく、「あと30秒お待ちください」と言って、また引っ込んでいった。はい、待ってます。
運ばれてきたのは、ガラスのグラスに入った温かいほうじ茶。小さなお湯呑みに2~3口ぐらいのお茶が出てくるかと思いきや、手のひらで包み込めないぐらいの丸っこいグラスに、たっぷりのお茶が注がれていた。
「きょうは特別寒いですから、ゆっくりしていってください」のお言葉に甘えて、ゆっくりいただく。本当にゆっくり飲まないと熱いですから。
きょう、この冬はじめて、みぞれがちらっと降りました。
湯気と一緒に濃い香りが漂ってくる。味も濃くておいしい。
ギャラリーに備え付けのテレビ画面には、作品をつくっている竹雲斎さんが映し出されていた。細く加工された竹が操られて、形になっていく。
「お茶を飲みながら作品を見てゆっくりしていただくのがこのギャラリーのコンセプトですから、どうぞごゆっくり」と、何度もごゆっくりと言われた。とても居心地のいいギャラリーだった。
竹の作品で思い出した。「GUCCI」も竹を大切にしている。
竹は世界をめぐっている。