とびきり美味しいイタリアの目玉焼き
私は卵が大好きです。毎日食べたいぐらいです。ところが、私の住んでいるイタリアでは、卵は週に1回だけといいます。日本では毎日1個食べてもいいのに、なぜ?と最初は驚いたのですが、理由は文化の違いでした。
イタリアでは、卵はメインディッシュ扱いになるからなんです。お肉やお魚のような食べ方をすることに相当すると言う意味で週に一回。一回の1人分の卵の分量も2個。卵はわき役ではなく、ちゃんとしたボリュームのある料理なんです。
考えてみれば、こんなに日常的にお肉を食べるようになったのは、欧米だって大規模な酪農システムができてからですから、100年も経っていないんですよね。それまでは、卵を手軽なタンパク質源として使ってきたわけですから、おいしい卵のメインレシピがたくさんあります。
今回はその中でも、私がちょっとびっくりした美味しい卵のレシピをご紹介します。それは、目玉焼き。
なんだ!というなかれ。美食の国、イタリアの目玉焼きは、日本の目玉焼きとは一味違います。ちゃんとした夕飯のメインディッシュなんですよ。さっそく、レシピをご紹介します。
(材料)1人分
卵 2個
エキストラバージンオリーブオイル 少々
海塩 少々
コショウ 少々
(作り方)
1.フライパンにエキストラバージンオリーブオイルをひいて、火にかける。
2。少し温まってきたら、白身だけをフライパンに入れる
3.白身が固まったら、その上に黄身を落とす。
4.黄身に少し火が通ったら、塩、こしょうをしてできあがり。美味しいパンと一緒にブオナ・ペティート!
なんだ、何が特別なんだ!という声が聞こえてきそうですが、白身と黄身をわけるのが大きなポイント。白身と黄身では火の通り方が違うから、面倒だけど別々にわけてから調理するんです。このやり方だと、黄身はとろりと、白身にはしっかりと焼きあがります。白身のサルモネラ菌を心配せずに、生卵のような黄身が食べれるというわけです。
クリームのようにとろとろの黄身を、パンですくって食べるのがイタリア流。いうなれば生卵ご飯のようですね。もう、これだけでしっかりとボリュームのあるメインディッシュになります。
もちろん、これだけシンプルなお料理ですから、材料に凝れば凝るほど美味しくなります。卵はできるだけ平飼いの鶏の新鮮もので、油は絶対に、風味の良いエキストラバージンオリーブオイルです。
塩も、もちろんちゃんとした本物の海塩で、こしょうも使うときに挽いてください。パンだって、工場製の添加物がいっぱいのものじゃなくて、シンプルな本物のパンがおすすめです。
忙しい人や、お料理が嫌いな人でも、中に何が入っているかわからない冷凍食品の餃子やハンバーグを食べるより、こんな手軽に、良質なたんぱく質と炭水化物が美味しくとれます。しかも、添加物はゼロなので体に優しいお料理です。生野菜スティックやサラダを用意するだけで、いわゆるバランスの取れた美味しい食事が簡単にできちゃいます。
イタリア人だって働いている女性がほとんどですから、週に一度、こういうお料理で手を抜きます。しかも我が家の場合は、なぜか夫が作ってくれるので、さらにラクチンな嬉しいメニューです。
さらに、イタリアでは冷蔵庫に残っている少しのモッツァレッラチーズや生ハムなどのハム類を、白身のうえに散らして一緒に焼くことがほとんど。モッツァレラチーズの場合、白身と同化して、見た目は普通の目玉焼きなのに、口に入れるとほんのり甘みのある独特の風味でコクもプラス。あ~美味しい、と思わず口に出ちゃいます。
一番ゴージャス目玉焼きは、おそらくトリュフのせ。この場合、できあがった目玉焼きの黄身のうえに、トリュフをおろしていただきます。トリュフって、卵と最高に相性がいいんですよ。この料理は、ちょっとしたステーキのようなお値段でレストランのメニューにものっています。こうなると、普通の目玉焼きとはまったく別物ですね。たまにしか食べられない飛び切りのご馳走です。
まあ、トリュフとは言わなくとも、イタリア風に一人卵を2個使うだけでも、ビジュアル的に格がぐんとアップします。
料理が嫌いだと言う方も、面倒くさいと言う方も、たったの5分くらいでできる美味しい卵焼き。ぜひ、手抜きメニューに加えてみてください。
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