フランスが日本の魅力を気づかせてくれた
私は母の影響を強く受けて、幼い頃から、欧米文化に憧れを持っていた。
いわゆる海外かぶれというやつだった。
それこそ実家も近所で浮いてしまうくらい、ザ・アメリカンな装いで。
聴く曲は洋楽ばかりだったし、欧米のドラマ、映画ばかり見ていた。
なので、流行りの邦楽とか日本の芸能には疎かった。
国内旅行よりは海外旅行派だった。
海外留学もしたくて英語も熱心に勉強した。
そして最終的に長年の海外への憧れは、最終的に私をフランスまで連れてきた。
ただフランスに来てから、私は日本の文化に興味を持つようになった。
フランスが日本の良さに気づかせる機会を多くくれた。
フランスはアメリカ、イギリスより、日本文化に対するリスペクトが強い国だと体感的に感じる。
パリには本格的で美味しい日本料理屋さんが多いし、
フランス人のティーンの間で流行っている服屋urban outfittersに行くと、
日本語が書かれたTシャツが多く売っている。
日本人が見たら、その内容は、いわゆる、草、じわるというやつである。
Fnacという電気屋兼本屋さんには日本の漫画セクションがある。(というのも日本の次に漫画の消費量が多いのはフランスらしい。)
Chatelet, Saint LazareにあるFnacの漫画セクションはまじ広い。
身近では、私の彼氏が、大の日本映画と漫画のファンだ。
去年1年間は日本でワーホリをしてて、九州以外は全て訪ねたらしい。
北海道、沖縄、信州、関西にちょこっと行ってたきりの私より多くの場所を訪れていて、
私より日本の美しい景色を知っている。
外国人だからこそ、日本の美に気づきやすいのかもしれない。
日々見る光景は当たり前だから注視しないけど、
外国人にとっては非日常だから注視できる。
そんな日本に魅了された外国人が周りにいると、
改めてこんなにフランス人を魅了する日本のカルチャーってなんだろうと興味を持つようになる。
そこで、彼が好きだったと言った『海街ダイアリー』という映画を見てみた。
好きだった。繰り返して見るんだろうなって思うくらい。
彼の言った通り、シナリオに起承転結があるわけじゃないけど、
それが逆に、家族内のコミュニケーション、日常の光景、日本の風景に注視させた。
ちょっとコミカルなシーンも合間合間にあって結構笑った。
江ノ島、鎌倉のプロモーション感は否めない。
まぁそれくらい、日本は素敵な景色を多く持っていんだと気づいた。
そして、ここまで四季を感じれる国、他にはないじゃないかって。
フランスにも四季はあるけど、ぶっちゃけ暖かい季節と寒い季節の二つに分けられるというか。
暖かくなったらみんな外の公園でピクニックしたり、日が長いから、夜遅くまでテラスで飲み明かしたりという感じ。
寒い冬は家の中でゆっくり過ごすというくらいな気がする。
でも、日本は季節によって四季を楽しむイベントがたくさんある。
春はお花見して、梅雨は紫陽花を見に行って、夏は花火大会に行って、秋は紅葉を見に行って、冬は雪まつりとかがあったりする。
季節の移り変わりを楽しむ日本人は風情があって素敵だなと思った。
だから、もし私が日本に戻ることになったとして、
いつもの日常をもっと注視して小さな素敵を見つけられるようにしたいと思った。