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言語処理学会第26回年次大会(NLP2020)にオンライン参加しました

2020年3月17日~19日に開催された言語処理学会第26回年次大会(NLP2020)にオンラインで参加しました。近年は外国語教育分野でも自然言語処理の手法を使った研究も増えており,私自身も最近はそういった研究に関心を持っていたので,言語処理学会は少し前から気になっていました。今年は実家からほど近い茨城大学での開催,そしてチュートリアルや招待講演も外国語教育分野の先生ということで,門外漢だけれでもこれは参加するしかないと思い,意気揚々と事前参加申し込みをしました。

ですが,ご存知の通りCOVID-19の影響を受け,学会の現地開催は取りやめ,オンラインでの開催(Zoom)となりました。楽しみにしていたチュートリアルや招待講演はオンラインではなくなってしまったのですが,せっかくなのでいくつか発表をオンラインで聞くことにしました。

ざっくりとした感想

分野外の人間ですから,自分が聞いて分かりそうな発表,興味のある発表というのは限られていました。それでも,英語センター試験で私がお気に入りの(?)不要文除去問題を扱ったものや,一貫性のある文章の自動生成の方法(材料は英文でした),計算機上での単語の多義性の表現方法など,自分の研究関心とも関わるような発表があり,とても興味深く拝聴させて頂きました。

他分野の学会なので発表内容を理解できるかが心配でしたが,印象としては外国語教育,応用言語学分野で自然言語処理の手法を用いた論文を結構読んでいる人であればそれなりに理解できるものだったと思います(そういう分かりそうな発表を選んでいるというのはあると思いますが…)。ただ,自動採点の研究だけはちょっと難しかったかな…(記述式問題を扱っていたというのもあるかもしれません)。それと,BERTXLNetといったこの学会に参加している人ならば必ず知っているであろう用語を全く知らなくて苦労することもありました…。そういった点も含め,外国語教育分野の研究者が勉強のために参加するには十分意義のある学会だったと思います。

それでも,現地での参加はしていないので,実際の学会の雰囲気等は分からずじまいでした。1つの発表に視聴者が100人を超えていたりしてとても大きな学会なのでだなぁと思いましたが,そのあたりも現地参加して実感してみたかったなと思います。やはり,せっかくの機会に現地参加できなかったことが悔やまれます…。この学会は例年開催時期が他の学会と被ったりするので,日程や開催地次第なところはありますが,是非ともリベンジ参加したいものです。

オンラインでの学会開催について

オンラインでの学会開催がどのようなものになるかと思っていましたが,想像以上にスムーズに進んでいました。この短期間でここまでオーガナイズした運営委員の方々には敬服いたします。

実際にオンラインで学会参加してみて,オンラインでの学会を開催するには運営側がかなりZoomに精通している必要があるなぁと感じました。この余波が来夏まで続いていると外国語教育系の学会も影響を受ける可能性があると思いますが,同じようなことを外国語教育分野でやろうと思ってもかなり難しいかなと思いました。ただ,オンラインだと質疑応答があまり白熱しないケースもあったのですが,外国語教育の学会は良くも悪くも身内感が強いのでオンラインでもそれなりに盛り上がりそうだなと思いました。

あと,発表者や参加者からの発言で思ったのは,個人によってかなり音質のクリアさが違うということ。PCマイクの性能もあるのでしょうが,中にはとてもクリアな音声でその場で話しているような感覚になるくらいの人もいたのですが,反対にノイズが多い発表は結構聞くのが一苦労でした。オンライン学会は音声の質を確保することが肝になるかもしれません。


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