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延命長寿の女神さま イイ・ヤシロ・チvol.70 阿波旅

昨年の参拝リストにある阿波の女神さまに、ちょっとアンテナが向いたこの水無月。一年熟成した課題にやっと取り組む準備ができたようで、ショート・トリップの記事をまとめた。

四国は八十八ヶ寺参りがメジャーで、神社への関心はお寺に対するよりも薄いように感じている。周囲の人々も、氏神さんはもちろん大切にするけれど、それ以外の神社には淡白だ。神さんよりも御大師様、みたいな空気感が広がっているという感じ、と思うわたくし。

なので、四国内の神社情報は自分から積極的にアクセスしないとなかなか得られない。今どきのネット情報の充実が、山深い場所にある隠れたイヤシロチの存在を広めて、注目されるようになってきてもなお、な感触だ。

が、ひょんなことから知り得たのは、延命長寿の女神様が徳島県阿南市においでだという話。割合にアクセスしやすく、歴史深い社と聞いたので、旅友と気軽に出かけた日帰り参拝。

往路の途中で立ち寄った、くるくるなると。とても人気のある道の駅だそう。休日は大変込み合うために入場に手間取り、夕方までに人気商品は売りきれるらしく、開場直後の午前に入店した。

お芋との記念写真は お子様やカップルに人気

此処の名物、お芋のモンブラン。注文を受けてから見える処で絞り出してくれる。↓ 出来立てのモンブランで、午前中のボリューミーなおやつをおいしくいただく。

鳴門金時のモンブランがたっぷりと

炊きたてご飯にふりかければすぐに若芽ご飯が食べられる「わかめ飯」や、おなかに優しそうな「レンコンポポタージュ」、ベーカリーイモホレタの「おいもアンパン」もゲットして、これで徳島土産は確保と安心し、目的の神社に向かう。

阿南の海の眺めも楽しいドライブ

エネルギーチャージも終え、勢いつけて目指すは阿南市の津峯神社。山道を車で上がっていくと、リフト乗り場の前の広々な駐車場に到着する。

左手にはリフト乗り場、正面の階段は徒歩で上がる参道となる
此処からの参拝はかなりな体力が必要そう
此方の鳥居は、遥拝所
リフトがあるのは本当に有難い

キョロキョロ見回して、やはりリフトでしょ、と往復チケットを購入する。これが絶景リフトだと知るのは実際に乗ってから知ることだった。(二人とも高所恐怖症ではないので、ただただ楽しかったけれど)

わたくしたちも、快晴とまではいかないけれど、まずまずの眺望を目にすることが叶ってご機嫌である。

リフトを降りて、神社に向かう途中で神職さんに出逢った。「先程までひどく雨が降っていたんですよ、リフトもお参りも雨が止んでいて本当に良かったですね。」と笑顔で教えて下さる。例によって、龍神様の降雨コントロールは完璧と心から感謝した。

リアス式海岸の美景

少し歩くと、境内が見えた。お山の上は涼しくて、曇り空なれど手水舎の向こうに広がる橘湾の遠景が素晴らしい。まさに絶景神社である。

ご神紋の八角形が目を引く

こちらの御祭神は、カシワハヒメという初めてお目にかかった女神様。お名前も今まで存じ上げなかったこの女神さまは、それもそのはず、お祀りする神社が日本中で此処だけというレアな姫神様なのだ。

延命長寿に合わせて?鶴と亀を従えたご神木
ご神木横から拝殿を見る

高い場所に祀られる、とても大事に慕われている女神様だね、と話しながら、山の女神様にご挨拶申し上げるべく標柱をくぐる二人。

シックなたたずまいの拝殿

歴史を感じる拝殿にご挨拶をして、此方の御神徳である「延命長寿」について考えた。延命というのが特徴的だ。まだコロナの影響を引きずる風潮だった頃なので、余計に「延命」という文言に敏感に反応したのかも、だけれど。何かしら、そういうエピソードが絡む女神さまなのだろうか?

左手の大国さんと恵比寿さんの福の神ペアの神社にもご挨拶。後方の大樹が力強い御神気放って、存在感が半端ない。

なぜだかダルマさんがいっぱい
パワスポな雰囲気満々

そう広くはない境内をぐるり見回してから、御朱印をいただいた。其処にもある御神紋を見て思わず「八咫鏡?」なんてつぶやいたが、御由緒では三方からくるとか?

日本に此処だけの一社

わたくしの脳内で、なぜだか頑固にコレハヤタノカガミデハナカロウカ?という妄想が止まらない。昔、阿波出身の仲良しさんから、「内緒なんだけど、実家にはお宝の鏡が在るのよ」と、秘密を打ち明けられたことをフト思い出したのだ。一般家庭のお宝として、徳島では古鏡は結構多く在るアイテムなのだろうか?そんな他愛もない疑問も頭の中でグルグルと回しながら、答えも出ないままに、山頂の気持ちの良い参拝を無事終えたのだった。

参拝から1年たって最近、阿波を古事記の舞台とする動画を目にした。

そこでは、カシワハヒメはアマテラスの幼名だと語られており、そんな説もあるのだと、改めて当社の認識を新しくしたのだった。そうなると、御神紋が鏡であってもあながち無理ではないよね?などとまだしつこく思ったことだ。

ところで、当社の本宮に関する ↓ たんぽぽろぐさまの記事 ↓ は、大変興味深い。


普通、神社は山の上から里へ下りてくるパターンなのに、此方は逆の里に在ったお宮をわざわざ高いお山の上に遷したというのが、わたくしにとって大きな謎になった。ほかに同じような遷宮をしたお社はあるのだろうか?

下りは高所が苦手な方には厳しい?絶景

この参拝でどのくらい寿命が延びたのかは定かではないものの、リフトも安全に乗りこなし、無事に麓まで戻ってきた。車に乗る前に駐車場周りの掲示物を眺めると、「岩窟」があると書かれている。

岩窟はいくつもあるよう

この度は残念ながら岩窟探検の為の心づもりと装備、あわせて時間も無いために、「またの機会を楽しみに」となった。こんな場所が在るのも本当に興味が尽きない神様スポットである。

実際に岩窟巡りをされた方のレポートが見つかったので、此処でバーチャルで、探検気分を楽しませていただいた。健脚の方々の愉しさが伝わってくる。

古事記の解釈だけではなく、神社の在りようやその周辺の風物の趣が、通常の神社のそれとは全く異なる感じがする阿波徳島。其処に抱えられている謎はとてもとても深いと感じた一日となった。

何一つ明確に理解できたことはないのだけれど、阿波の国の不思議さに心惹かれ、伸びた寿命でそれを楽しめたらと、願ったことである。

ノイバラの紅眩し 初夏の庭先

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。





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