見出し画像

ィイ・ヤシロ・チvol.68 天狗の御使い旅その7 大麻神社

富士山巡りのほとぼりも冷めぬまま、旅友に誘われてついて行ったドライブは、八重桜がきれいに咲くタイミングだった。

単純に、春の陽気と旅友の声がけに乗った、そんな軽い気持ちだったはずのわたくしに、富士山だけで赦すはずがない、というまさかの展開が待っていたとも知らず。

お気楽にアフリカ料理のエコカフェに行こう、おまけでどこかの神社も参拝しましょうか、くらいのノリだった。

広々なロケーションにちょっとオドロキ
子どもの秘密基地みたいな敷地内の様子

フレンドリーでフリーな感じのスタッフの方々が呈してくれた、初めて食べたアフリカ料理。素材が新鮮で、健康的、しかも味わったことのない調味ながら、素直においしかった。近くに響く雉の鳴き声を聞いて、此方は舌鼓だよ、なんて軽口まで言ってケラケラと笑っていたわたくし。

アフリカ料理ランチは、マイルドな未知の美味しさ

https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g1121430-d23405661-Reviews-Meguru_Zero_Waste_Cafe-Ayagawa_cho_Ayauta_gun_Kagawa_Prefecture_Shikoku.html

お天気もよろしく、すっかりとドライブ気分に浸って、お次は楽しく神社巡りしましょうか?と少しずつ回っている讃岐二十四社にチャレンジ。

本日は、金毘羅宮に近い、大麻神社参拝に決めた。二人とも初めましてのお社である。

たんぽぽろぐさんの記事は丁寧で詳細なので、いつも勉強させていただいて感謝と尊敬の念がたえない。こちら↓を参考に行ってみる。

ほどなく到着。桜の花びらが舞い散る石段を上がっていくと、どんどん眺めが良くなっていく。わたくしたちの気分も同様に盛り上がっていった。

神門に到着。心地よい風も吹き渡る。

神門をくぐる

立派な瓦葺の御神門に青空が映えて、明るい境内がその先に在った。

驚くほど精巧な瓦
眺めも最高 雲が何かに見えそう
この先に拝殿
ヤマトタケルを扶けるために船から投身したお姫様?

拝殿前の階段下のこのスペースに、富士山旅では、ヤマトタケルの大塚丘だったが、まさかここでのオトタチバナヒメ、と驚いた。珍しいご祭神に、ここでばったり出会うとは、本当によくできている。ご挨拶しつつも、旅友と二人で「女が男を身を挺して守るって?逆でしょうよ。」などと不届きにも令和の五十路おみなは、文句たらたらである。堤防や水難に女性が人身御供になる話は枚挙にいとまがない。それは、女性の霊力が高かったためだろうが、そういう犠牲は本当に必要なのだろうか?女性の力を活かすには、その命を養ってこそと思うのだ。女子どもが大切にされる世の中でありますように、と真剣に祈った。さて、いよいよ拝殿へ。

しめ縄の形状から厳しい神様ではなさそう

きれいに整えられた境内に、美しい拝殿が閑に建っていた。

ご神木も のびのび
此方の祠の方々がとても大切な存在のよう
ちょうど太陽の日差しが降り注いで
扁額の上の飛び出す翼が珍しい

ご挨拶にと、見上げると、木彫が珍しい形をしていたので、更に観察しているうちに扁額の後ろに龍がいそうだな、などと思いついた。近寄って横からのぞき込むと、わたくしの口から「ヒャッ」と素っ頓狂な声が出てしまった。その後ろに想像もしなかったモノが在ったから。

龍の上にカラス天狗が

なんと天狗の社にきてしまっていたということ?ここにきて、まだ天狗の御使い役が解かれていないことを思い知ったことだ。「まだまだ御用は終わっていない。」という声が聞こえたような気がする。

これを確認してからは、一挙手一投足を見張られている自覚を持つべきと思った。天狗さんは富士山太郎坊の御神水をしかるべき処へ運べと、わたくしに命じているのだろう。少し畏れつつも、それはそれと、気分を切り替えてしっかりと参拝を終えた。

そうして、ここからはまた観光モードに戻った。わたくしたちは、少し足を伸ばして金毘羅さんの門前町をひやかすことにした。懐かしい風情の駅舎からお土産屋さんなどの店舗が続く琴平の町並。

昭和テイストである

金比羅宮の石段に向かう道沿いに高灯籠があった。ちょうど八重桜が満開を迎えていた。近所の人々が、子どもやペットを遊ばせている和やかな日常の光景。都会の規則だらけの公園のギスギスしたところがなく、のどやかで柔らかな空気が心地よかった。

ランドマークの高灯籠

そこでひととき憩いの時間を楽しんで、本日は上がる心づもりをしていなかったので、お土産探しに少しだけ石段を登った。旅友が「こちらの舟々せんべいはシンプルな材料だけで作られてるから、好きなんだよね」と推してきたのが、↓のお店。実演製造されている煎餅や饅頭の甘い香りが、石段を行き交う参拝客の鼻孔をくすぐる。わたくしも入店し、おみくじ付きの石松まんじゅうとせんべいのセットを買って帰ることにした。

御土産も難なくゲットできたわたくしは、なぜか以前奥の院まで参拝したときのことを思い出した。そうだ、金比羅宮の奥の院には、天狗さんがいたのだと威徳巖(いとくのいわ)という岩壁に二つの天狗面があったのだ。

金毘羅船々という歌も、おい手に帆かけてシュラシュシュシューと、謎に唄う。讃岐忌部の始祖の名前だ。

忌部氏と天狗さんが何かつながっているのかも?また妙な謎掛けに引き込まれそうな予感がする。御神水を何処かに運ぶのがミッション完了なのだろうか?とにかく正解に辿り着かなくてはならない、その緊張感が春には似つかわしくないな、と少しブルーになったのであった。

その8につづく

懐かしい砂糖菓子の花束を思い出させる 八重桜

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。


いいなと思ったら応援しよう!