木に倣い健かに生きる からだ♡ダカラ⑪
大樹の姿を眺めていると、人間のようだと思う。知恵深いおじいさん、包容力のあるおばあさんのように見えて、そっとそばに近づき、頼りたくなる気持ちが自然と湧いてくる。
樹齢千年などと聞くと、これまでいったいどんな風景を眺めてこられたのだろうと、素直な気持ちで敬老と尊崇の念を込めながら見上げてしまう。
根っこは足のよう、しっかりとした幹は胴体のよう、天に伸びる枝は腕のよう、花が咲くと、顔のよう、葉っぱは髪の毛と見立てるのはわたくしだけではないだろう。
イヤシロチ巡りでは聖なる大樹に出会うことも少なくない。由緒ある神社仏閣では、結構な割合で、素晴らしいご神木が天に向かってそびえたつ威容をご覧になれる機会が用意されているのだ。
皆様には、特別に記憶に残るベストご神木の思い出がおありだろうか?わたくしのイチオシご神木は、高知の八坂神社の大杉である。全くの予備知識もなく訪れたわたくしに、大樹に圧倒されるってこんな体験なのだ、と教えてくれた。存在感が途轍もなく大きく、凄まじい生命力を周囲に発して春の青空に向かって聳え立っていた。さすが我が国に植林を広めたスサノオノミコトを祀る社のご神木である。自信をもって推薦できる尊い古木である。
https://www.otoyo-kankou.com/spot/suginoosugi/
神々しい大樹は、イヤシロチのエネルギーを反映しているのかもしれない、とも感じる。その意味で思い出すのは、二度訪れたことのある滝原宮のねじれ杉。この伊勢神宮の別宮の境内の清々しさは格別で、わたくしの一番好きなイヤシロチのひとつである。文字通り、ねじれている幹がネーミングの元であるねじれ杉は、エネルギーの高い場所(ゼロ磁場)に生育するからこその姿かと思わされる。他処でも、ねじれている木を見かけることが何度かあった。樹形がそのようになる理由がゼロ磁場なのか、詳しくはわからないけれど、人体については確かに心身が整う感じは他所に比べて強く感じる。(ゼロ磁場説をネットで知ったのは、ここ最近のことである)ねじれている、というよりも螺旋のエネルギーの渦がその場所に在るのかもしれないと夢想するのである。人の目には見えない気の流れを木が見える形に示してくれているのではないかと。
https://www.momoyorozu.net/entry/2021/05/31/025640
さて、木に倣うということであれば、ヨガにも木のポーズなるものがある。体幹がしっかりとするので、バランスを整えるのにとても役立つとのこと。先生が生徒の様子を見て、必要な時にレッスンに取り入れてくださるこのアーサナが、わたくしは好きだ。木をイメージして立つことは、自分の姿勢や重心のかけ方を本来の在り方に戻すのに役立つようだ。やはり、木はわたくしたちのお手本である。
https://woman.mynavi.jp/article/200124-
更に、呼吸のメソッドも見つけた。コレはナルホド面白い。
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/101500043/101600003/
そして、わたくしが最近、本屋で見つけた、ピカイチの新書。本書も、木と人体の相似や地球環境との相似象からのアプローチの意義を、多分野に跨る新しい学述的な見地から示す良書である。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334045562
ここでは、腸を根と見立て、その細菌環境の重視とケアを、地球全体の健全性、命の健やかさの視点で実行すれば惑星全体の生命の豊かさをもたらすという概念、プラネタリーヘルスの共有と拡散、およびそれに基づく行動の重要性が示されている。
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXW/21/saraya1126/article/
本書では、単なる学術的な考察や提言にとどまらず、具体的に企業活動にその理念を取り入れている会社とその経営を紹介するところも、具体的で興味深い。腸活なるワードも登場して久しいけれど、腸を健康の土壌として、細菌バランスを整える重要性を改めて心にとめて生活するよいきっかけをもたらしてくれたありがたい良書である。
つまるところ、樹木へのシンパシーが生じるのは、人間も木も、惑星も同じ法則で命を営んでいるから。そんな初歩的なことをすっかりと失念していた自分を取り戻す。この地球で我が目に映るものはみな、同じ法則のもとで生きている。思い出そう、「忘れらんねえ」の歌↓を聴きながら。そして、木に倣って健やかに生きよう。
https://www.uta-net.com/movie/295408/
最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。