見出し画像

辰年師走 納詣で 

四国を遠望する浜辺に思いがけず参拝することになった、師走の小春日和。

海派か山派かと問われれば、即座に山派と答えるわたくし。ではあるけれど、このたびの参拝は、「海のイヤシロチ最高!」と、素直に言える美しい海辺の神社に出会えた。

穏やかに晴れ渡る伊予灘を望む松林にすっぽりと包まれた、八幡奈多宮。これほど煌めく社とは予想しなかったけれど、参拝日和としかいえない、海も空も蒼いのどやかな好天もあって、絶景神社確定である。

実は、もっとすごい絶景があると、御朱印のそばに置かれていた御由緒の資料を見て知った。それは、朝日が市杵島の鳥居から昇るように見える神々しい情景である。太陽の運行をよく知る古の人々が祀った、女神様。彼らは、比売神に何を祈ったのだろう。

Instagram 用户【公式】八幡奈多宮 : "〜八幡奈多宮からのお知らせ〜 奈狩江地区の自治会の主催による写真展が開催されます! 初の試みとなる写真展です。誰でも気軽に応募していただきたいとのことです。プロ・アマ問いません。 賞品も用意いたしました。 ※最優秀賞(1名)QUOカード5000円 ※優秀賞(3名)QUOカード3000円 ※奨励賞(5名)QUOカード1000円 (奨励賞は期間中に来ていただいた方の投票数で決定いたします。) 八幡奈多宮、朝日、市杵島、初日の出はもちろん、フクロウや松林、海岸、 先日のハロウィンのイベントの写真などなど、ご自身がいいと思う奈多の写真をご応募ください。 ご不明な点はこちらにDMもしくは下記の連絡先にご連絡ください。 宜しくお願いいたします。 以下に自治会長の木村さんからのお知らせを転載いたします。 松林・海岸写真展を開催します。 とき:令和5年2月5日(日)〜12日(日)10:00〜16:00 場所:八幡奈多宮参集所(杵築市) ※写真応募要項 〇応募作品は全て応募者本人が撮影したものに限る。 〇画材:奈多・狩宿・住吉松林・海岸で撮影し たもの。風景、人物、各種イベント等 〇一人、3作品までとします。 〇サイズ:一般の方はA4限定 (CLEARFILE 展示) (A4サイズの写真は郵送可) 会員等:額装、バネル(ガラス入り不可)。 (写真背面には紐をつけること) ★注意事項 ・作品の裏 画題、住所、氏名、電話番号を記入。 ・作品の取り扱いには十分注意しますが、不慮の損害には責任を負いません。 搬入日時 2月2日(木)、3日(金)9:00~15:00 O搬入場所:杵築市狩宿2113番1 奈特江コミュニティーセンター978-63-8788 ※最優秀賞(1点)、優秀賞(3点)、獎励賞(5点)(結果は展示会会場) ※査員( 加藤裕一氏[カメ元] ※搬出 2月12日(日)15:00〜16:00 090-8837-3016 〇作品は全て展示者に帰属します。 不明な点は加藤氏までお問合せ下さい。 奈狩江地区住民自治協議会 奈多狩宿住吉海岸の松林を守る会 0978-63-8788 検索 八幡奈多宮の歴史・松林を守る会 #歴史好きな人と繋がりたい #歴史#歴史的建造物#神社#神社巡り#神社好きな人と繋がりたい#神社仏閣#写真展 #初日の出 #聖地巡礼#朝日#松#奈多海岸#大分#杵築#誰かに見せたい風景#鳥居#sunrise#beautifuldestinations#wonderful_places#worldplaces#japan#history#histrip_japan#retrip_nippon#shrine#jinja#japan_photo#jinja_photocon#torii" hachiman_nadagu,December 28, 2022 : "〜八幡奈多宮からのお知らせ〜 奈狩江地区の自 www.instagram.com

わたくしが当社に詣でたのは、平日のお昼前。駐車場直ぐの大きな鳥居は明るい陽光が降り注ぎ、何やら勝手に歓迎ムードを感じてしまう。

大鳥居の周りに龍の気配

頭を垂れて鳥居をくぐってみれば、参道脇から生えた松の大木が、鳥居に向かってまるで龍のように斜めに延びていた。その木肌は龍の鱗を想起させた。(後日改めて写真を見返すと、鳥居の表に絡む紫の光と、裏からの松の木の頂の輝きが、此処は龍神の居場所だと示しているように思えた。)その松の木の下を歩いて、奈多宮に向かって進む。

気分も上々、松の香りが鼻孔をくすぐる参道を進むと、松原の向こうの海上に小さな鳥居が見え隠れしてきた。

松林の間から見える市杵島

潮風が波音とともに微かな海の香りを届ける、「太陽と月の道」をゆるゆると進むと、とりわけ高い松の木が天に伸びるそばに、鳥居が見えた。「此処が奈多宮の入口。」だ。

同行者が感嘆した「高い松の木」

全体を眺めてから鳥居に近づけば、海からの迎え風?が「どうぞお入り」とばかりに、鳥居を抜けて社殿に向けて吹いた。

此方のしめ縄は雨と雷を示す形

海側を見やると、市杵島姫命を遥拝する場所が在った。元宮と言われているその聖処は、数年前の台風では大きく破損したという。復興にあたり、多くの人々の篤い崇敬が集まったことは、この美景で十分に納得できた。

沖の市杵島を遥拝する場所に立つ

気持ちを新たに、参道に目を向け鳥居をくぐった。更にもう一度、海を振り返れば、ますます絵になる景色に。

豊後水道が穏やかに広がって

何度も前をむいたり、振り返ったりしながら進んでいけば、また鳥居。それほど長くない参道にいくつもの鳥居は、これまで津波や台風の被害に遭ったせいなのか?

海への結界が多いのか?

手水舎で手口を清めて、いよいよと気持ちが心地よく引き締まる。

三つ目の鳥居の先に神門

立派な神門には、書き置きの御朱印や御由緒の資料が置かれていて、お守りなども見比べたりするのでまたしても足止めに。

神門くぐって海を振り返ると 結界が見えるような

漸く境内に足を踏み入れて、明るい波動の空間を貸切で満喫する。宇佐神宮の分祀と言われているけれど、あちらは奥宮も御元山中にある、はっきりと山派のお社である。龍宮のような当社の、海感満載の雰囲気とは異なっていて、なんだか別々の神様のような気がしてしまう。ただし、この奈多宮の近くに亀山古墳があるので、宇佐神宮の亀山社との重なりも気にかかる。

立派な瓦ぶきの拝殿

拝殿にご挨拶をして、じっくりと境内を見回すと、直ぐそばにお腹が膨れたような楠の大樹が、主のようにどっしりとした風格で立っている。

このような巾着楠は伊雑宮にもあった

このような形態を財運と結びつける考えもあるだろうが、わたくしの頭には妊婦のイメージが浮かぶ。かつて詣でた子孫繁栄の御神徳のお社で出会った、膨らんだ大樹を思い出したから。此処も比売神の社なので、その象りが楠に現れるやもしれず、と御神木を見上げて思ったことだ。

答え合わせの出来ないことはさておき、とりあえず境内のあちこちを探検気分で見回る。御神像か収蔵されている宝物殿は、見学の申し出が必要らしく、今回は見送る。資料の写真をみると、熊野の那智大社の御神像と重なった。熊野の信仰と国東の信仰は海でつながっているのだろうか?

そんなとりとめもないことをつらつらと考えながら、宝物殿前を通り過ぎると、其処に素朴な石像が立っていた。

タジマノモリさん、こんにちは!

意外なことに、その名は田道間守命。「なんて読むの?」と同行者が尋ねるので、「タジマノモリさんよ、お菓子の神様。寿命を延ばすスーパーフードを天皇のために探しに行って苦労して見つけたけど、帰ってきた時には天皇は崩御されていて、悲しみすぎて亡くなった人。持ち帰ったのは、トキジクノカコノミいわゆる橘、ミカンなんだけど、日本原産なのよね。」などと、ざっくり説明しながらも、どうして此処においでなのかしら?と疑問が胸にわく。

これまた答えは得られそうにないので、宝物殿の後方へ向かうと、たくさんの祠が続く。ご挨拶しながら進むと、妙見宮さんを発見。星神さんに祝詞でご挨拶すると、此処を取り巻く空気が変わった感じがした。

妙見宮にもご挨拶

一番奥の祠には「水神」と書かれていて、龍神さんですか?と尋ねてみた。

水神さんが宝物殿の後方の奥に

そうして、龍神祝詞を捧げると、一気にその周りの空気が変容し、写真を撮ると、ドンピシャな位置に龍の目がバッチリとこちらを見ていることが、わかった。お出ましいただいて、大変恐縮する。

祝詞に感応?水神様

「龍神さんだよ」と、同行者に写真を見せると、「え?」と写真と祠を見比べて、「あれ?排水管?無い?コレ何?どうして?」と驚いていた。
何かは知らないけれど、龍の目って言われてるらしいよ、龍神さん、喜んでるのかな?と答えておいた。ちょっとドッキリ参拝となったけれど、そろそろお暇タイムである。元来た道を戻る。

恵比寿社にはとがった神籬

小さめの鳥居と祠や神籬が立ち並ぶ角のエリアに視線が向くと、其処はわたくしにとって居心地がよく、楽しい心待ちに浸れる空間だった。恵比寿さんたちが見送ってくださるような、嬉しい感じがする。

こうして、八幡奈多宮の参拝は無事終えられて、三つの鳥居を出て、浜辺に降りてみた。

浜辺に降りて遥拝す

なだらかな海岸線は、青松白浜という言葉がぴったりで、冬の海とは思えぬほっこりとした明るさに輝いていた。

目に入るものがすべて美しい海岸

遠くを見渡しても、足元を見つめても、空も海も空気さえも、すべてが美しい浜辺。 

砂浜に丸石と貝殻

波打ち際に近づけば、大きなカニがジッとしていた。生きているのかな?とそばに寄って観察すると、少し動いている。同行者がヒョイと掴んでお腹を見て「メスだ」と教えてくれた。12月の海でこんなカニがいるのかな?と訝しく思いながら、元の場所にそっと下ろして、「元気でね」とお別れをした。

12月の海辺にまさかのカニ

帰宅してから調べると、カニは縁起の良い神使だと知る。

「水神」の御使いという話もネットにはあったので、先ほどの水神様からのメッセージだったのかもしれない。伊予灘の「ナダ」の奈多宮なのか、龍蛇神「ナーダ」の奈多宮なのか、とにかく水神様は此方の大事な神様だと感じた。

神橋は汽水に架かる 松の木が龍のよう

最後に、駐車場隣接の神橋を渡ってみた。松林に囲まれ、直ぐに海につながる川に架かっている赤い神橋。社に向かって最後の写真を撮らせていただくと、大きな龍がガオーとお出ましになっているような木の深緑が映り込んだ。素敵なお見送りに心から感謝して、辰年師走の納め参拝を終えた。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。


いいなと思ったら応援しよう!