双頭蓮咲く夏友独り逝く

三十年近く仲良くしていた年下の友人を亡くしてしまった。近しい若い友ともう会えなくなって、痛みや哀しみが胸に届く。
「遠くからお見舞いに来てくれてありがとう」と、二人きりの語らいのあと握手を求められ、「貴女が素敵だから会いに来たんだよ」と応えた。
「貴女は愛されているよ。そして、だれよりも貴女が自分を一番愛してあげてね」と伝えた。 

彼女の葬送の日に珍かな双頭蓮が咲いたと聞く。わたくしは、この夏をずっと忘れないだろう。

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