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一周まわって来た!リバイバルなデザイン【メンフィス ・スタイル】
こんにちは。デザイナーのNagumoです。
最近よく見るデザインやファッションでも、なんか懐かしい、小さい頃似たようなを使っていた!ということがありますが、“流行りは巡る”と言うように、約20年周期でトレンドが再来するそうです。
最近のWebデザインで見かけるようになった、ビビッドカラーや幾何学パターンの特徴的な「メンフィス 」というスタイルがあります。
前からずっと気になっていて調べていくうちに名称があることを知りました。
今回はこの「メンフィス」についてご紹介しようと思います。
メンフィス・スタイルってなに?
「メンフィス(Memphis)」とは1981年にイタリアの建築家エットレ・ソットサスが中心となり結成されたデザイナー集団のことを言います。
キッチュ(俗悪なもの・いんちきなもの・安っぽいもの)なデザインや未来的なデザイン、ポップアート、アールデコなどからインスピレーションを受けました。
前衛的で、明るく刺激的な配色が特徴の一つとされています。 80年代の建築・デザインに多大な影響を与えました。
「メンフィス」の名は、結成の夜にソットサスの家でかかっていたボブ・ディランの曲『Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again』(『メンフィス・ブルース・アゲイン』)に由来しています。
結成の翌年1981年9月の世界の家具デザインの祭典、ミラノ・サローネでの第一回展覧会で高く評価され、世界に衝撃を与えました。
また日本からは、建築家の磯崎新、インテリアデザイナーの倉俣史朗、梅田正徳らがこのメンフィスの展覧会に出展しました。
磯崎新 北九州国際会議場
倉俣史朗 ミス・ブランチ
梅田正徳 TAWARAYA(Ring Lounge)
1970年代とは全く対極的なメンフィスのデザインは多くの影響を及ぼしましたが、一方で装飾的・奇抜との批判も浴びました。またメンバーの方向性の転換などもありグループは1988年に解散しました。
メンフィス・スタイルのグラフィックは、ビビットカラーを主体に、曲線とランダムな幾何学パターンで構成されており、オブジェクトが静止しているのに、バラバラに配置してドロップシャドウなどをつけることで泳いでいる様にも見えます。
このスタイルの私が持った最初の印象は、80年代〜平成初期の90年代のファッションやファンシー雑貨の装飾などによく取り入れらているイメージがありました。
特にスキーウェアの印象が強いのですが、80年代のスキーブームによってこのデザインが多く使われたと考えられます。
メンフィス・スタイルを上手く取り入れたデザイン
80年代の代表的なスタイルアイコンのメンフィスを、現代風にアレンジした例をご紹介します。
#3DCG
メンフィス特有の幾何学オブジェクトを、近年流行りのCGを使ったリアルなテクスチャで表現しています。カラーも淡く目に優しい色合いが現代風と言えます。
#ネオン
ネオン色を採用し、フラットなシェイプにすることで一気に現代的になります。
#モーションキャプチャ
モーショングラフィックなら、テクスチャや幾何学パターンをランダムに動かして浮遊感を表現することができます。現代のWeb媒体ならではの見せ方です。
テクスチャがないパターン。
— nyanta | web/UI デザイナー (@nyanta1060) February 24, 2020
このデザインだとテクスチャなくても良いのかもしれない! pic.twitter.com/8IAnP1tsbJ
メンフィススタイルは、“デジタル世代の多様性を予見した過剰なデザイン運動”とも言われています。
ある意味このデジタルネイティブな現代に相応し、フィットしたスタイルなのかもしれません。
昭和レトロに通ずる?
日本では昨今、昔懐かしい温かみのある色調やタイポグラフィー、プリントの入った食器や家具、ネオン管の看板、白熱電球の薄暗い喫茶店、緑や水色のクリームソーダなどの「昭和レトロ」を現代風にアレンジした「ニューレトロ」がブームになっています。
この時代を実際には生きていないミレニアル世代のデジタルネイティブな若者を中心にSNSで発信され、そこに企業やメディアが便乗して流行になっているようです。
また、SNS映えに伴って、このコロナ禍の殺伐とした世情の中で、そう言ったノスタルジーな温かみのある癒しが求められて人気を呼んでいると言われています。
メンフィス スタイルが定着したのがまさに80年代で、この昭和文化のリバイバルに多少重なる形で巡ってきたのも一つ理由としてあるのではないかと考えます。
また、だんだんと平成レトロへブームが移っている傾向もありますが、
平成レトロの先駆けの主導は昭和レトロとは違い、
平成の青春時代を過ごした若者が、現在30代前後を迎えて企業内での発言力を高め、自分の思い出からアイディアや企画を出すようになり、それがまた同世代に受けて流行になっているという風に見受けられるようです。
そう考えると、必然的に次のデザイントレンドや流行を予見することができるかもしれません。
メンフィス・スタイルを日常に取り入れてみよう
最後にメンフィス・スタイルのインテリア雑貨やファニチャーが購入できるECサイトをご紹介します。
コロナ禍によって生活の仕方が大きく変わりましたが、リモートMTGの画面に華を添えたり、家にいることが多くなった日常に刺激を与えてくれるキャッチーな家具を探してみてはいかがでしょうか!
メンフィス グラフィックを簡単に作れるサイト▼
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