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マイクロノベル集/恋とはどんなものかしら? 011
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ぼくからは音が出る。きみからは光が出る。きみの光をぼくが音に変える。ぼくの音をきみが光に変える。シンクロ。ハーモニー。ハウリング。うおん、うおん。そうしてあなたが生まれたのよ。
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町を見ている。塔の上から。町にはもう一つ塔がある。あちらには時々、空を飛ぶ素晴らしい船がやってくる。こっちには来ない。でも寂しくはない。ときどき電話がかかってくるから。もしもし、今度も楽しい話が聞けた?
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ぼくは機械で空を飛ぶ。機械が空を飛ぶだけで、ぼくは飛べない。くっついてるだけ。「空と雲と海。それ以外の場所なんてあったんですね」そうだよ。綺麗な景色の中へ飛ばしてあげる。
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いいこと? お姫様風に仕上げてくださいね。話し方、歩き方、仕草の一つ一つ。教育係、お友だち、教材も吟味してね。そして淑女になれたなら、品の良い椅子を与えてくださる? わたしはそこであなたの言葉を聞き、学びます。
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グルグル回る。タイヤかな? それとも地球? もしかしたら銀河かも! 「残念、回っていたのはわたくし、恋のダイヤル式電話でした!……って、なにそのきょとんとした顔」