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マイクロノベル集/君はいったい何者だ? 030

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「急がば回れなんて嘘さ。まっすぐ行った方が早いに決まってる」よく気づいたね。そう、そうなんだよ。山道というのは回り込むように続いているだろう? 俺はまっすぐ行く。その方が早いからね。君も一緒に来たまえ。「遠慮します」天狗は孤独だなあ。


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おもちゃを片付けていたら、ずっと忘れていたロボットが出てきた。正義のロボット、起動! 君は悪のネズミ戦士と闘うロボット。ティッシュ箱のビルを破壊しながら、縦横無尽に闘う。「うわあ、懐かしい」息子が笑う。そう、あなたがよく遊んでいたわね。


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ついに反重力を発見したぞ。さっそくメリー・ポピンズをやろう。傘を差して空を飛ぶよ。ありゃ、傘だけ飛んでっちゃった。上へ上へ……どこまで行くかな。月近くのラグランジュポイントまで行けるかな? 残念、フライングヒューマノイドに引っかかっちゃった。


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ぼくはどんどん小さくなる。移動するだけで減っちゃう。それでもあなたに接近。どんどん近づく。距離と質量は反比例する。そして距離と時間は等価値だ。ぼくとあなたはニアミスする。どう? なにか観測できた?


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フフフ、馬鹿め。人間は空の下に海があると思っているな。実は海の上に空があるのだ。海がなくなれば空もなくなるのだ。今そのことを思い出させてやろう。「海底火山の噴火により新しい陸地が生まれました。もうもうと立ち上る煙が空を覆っています」

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